「コア業務」と「ノンコア業務」とは?効率化を推進する方法をご紹介

「コア業務」と「ノンコア業務」とは?効率化を推進する方法をご紹介

人材不足が深刻化する中で、社員のパフォーマンスを最大限に引き出して業務効率化や生産性向上を図るには適切なリソースの配置が欠かせません。そこでポイントとなるのが、コア業務とノンコア業務の明確な区別です。本記事では、コア業務とノンコア業務の違いを特徴や具体例を踏まえた上で解説するとともに、ノンコア業務を効率化することで得られるメリット、効率化する方法などをご紹介します。リソースの最適な配置にお悩みの方は、ぜひご一読ください。

目次

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    「コア業務」と「ノンコア業務」の違いとは

    企業活動における業務は、「コア業務」と「ノンコア業務」に分けられます。それぞれの主な違いは、以下の表の通りです。

    項目 コア業務
    ノンコア業務
    企業活動における影響 利益に直結する業務 直接利益に影響しないコア業務をサポートする業務
    難易度 高いスキルや知識が求められ難易度が高い 比較的易しい
    業務形態 非定形業務 大半が定型業務
    判断基準 高い判断能力が必要 定型的な判断基準

    コア業務とノンコア業務を明確に分けるには、それぞれの違いを把握することが大切です。ここでは、各業務の特徴や職種における業務例を解説します。

    コア業務とは

    コア業務は、「主業務」ともいわれ、企業の根幹をつかさどる中核業務です。利益や業績の向上に直結する業務であり、高いスキルや知識、判断能力が求められます。また、難易度が高く、その多くが非定型業務であるため、自社の社員が業務を担当するほか、人だけでなく資金やモノを含めたリソースを多く投入するケースが一般的です。

    各部門におけるコア業務の一例は以下の通りです。

    人事・労務 労務管理・採用・処遇・教育研修・人事制度の企画立案・能力開発
    経理 業績管理・予算管理・決算業務
    営業 商談・顧客対応・契約
    マーケティング・広報 レポート分析・マーケティング戦略の立案・効果検証・コンテンツ企画/制作・ブランディング・プレスリリース

    ノンコア業務とは

    ノンコア業務は、コア業務のサポート的な役目を果たし、利益には直接影響しません。「主業務」に対して「副業務」といわれることもあり、ルーティンワークがメインです。そのため、比較的定型化しやすい点が特徴で、外部委託するケースも多く見られます。

    各部門におけるノンコア業務の一例は以下の通りです。

    人事・労務 給与計算・勤怠管理・福利厚生・求人サイトへの提示・求職者との日程調整
    経理 現金出納管理・立替経費精算・請求書発送
    営業 書類作成・営業資料作成のサポート・顧客リスト作成・在庫管理・ファイリング・受発注業務
    マーケティング・広報 SNS運用・広告運用・データ入力・レポート資料作成・オウンドメディアの投稿作業

    何故ノンコア業務を効率化する必要があるのか?

    コア業務は難易度や専門性が高く、利益に直結するため、ノンコア業務より重要視される傾向にあります。しかし、ノンコア業務には中枢を担う業務を支える役割があり、おろそかにしてしまえば企業活動が成り立ちません。

    例えば、長期的な経営戦略を立てるには、日々の経営状況を細かく記録しておくことが重要です。また、在庫管理や営業資料作成、ファイリングなどが適切に行われていなければ、効果的な営業活動ができないでしょう。ほかにも、新たな人材を採用するためには、求人サイトへの求人情報の提示や、求職者との面接日といった日程調整などが欠かせません。

    このように、コア業務を充実させて生産性を高めるには、ノンコア業務を効率化してより効果的に支える手段を検討する必要があります。ノンコア業務の改善方法として、システム・ツールの活用やアウトソーシングが役立ちます。

    ノンコア業務を効率化する5つのメリット

    ノンコア業務は毎日行う必要がある上に、煩雑な内容が多くどうしても時間や手間を取られます。非効率なやり方だと、ノンコア業務にリソースが集中してしまい、本来注力すべきコア業務に配分できません。特に、月末や年度末などの繁忙期は、ノンコア業務に追われて他の対応ができないケースもあるでしょう。さらに、ミスが起こればその分コア業務に大きな影響をもたらします。

    こうした事象に見舞われないためには、ノンコア業務の効率化が重要です。ここでは、ノンコア業務を効率化するメリットを5つ解説します。

    コア業務に集中できる

    ノンコア業務を効率化すると、リソースにゆとりが生まれコア業務に集中できます。例えば、ノンコア業務を外部の企業に任せられれば、自社の社員はコア業務に注力しやすくなり生産性向上につながるでしょう。

    また、コア業務に集中できるリソースが増えれば、あらたなアイデアや戦略などが生まれやすく、競争力を強化することも可能です。その結果、自社の強みを生かしたあらたなイノベーションの創出や売上拡大も期待できます。

    コスト削減につながる

    ノンコア業務が非効率だと長時間労働になりやすく、それに伴い人件費や設備費が高くなります。一方、効率化により労働時間が短縮できれば、これまでかかっていた費用の削減が可能です。

    特に、アウトソーシングを活用した場合、業務内容や繁閑に合わせて適切な人員配置ができるため、固定費としてかかっていた人件費や設備費を変動費に変えられます。外注費はかかりますが、自社で社員を教育してノンコア業務の効率化を目指したり、あらたに社員を採用したりするよりもコストを抑えやすく、高い効果を得られるでしょう。

    また、ノンコア業務の効率化によって削減できた予算をコア業務に充てることで、企業全体の成績向上も見込めます。

    業務の品質が向上できる

    ノンコア業務は細かく込み入った作業が多く、人為的ミスが発生しやすい傾向にあります。そこで、ツールやシステムによって効率化を図ると、ミスの防止につながり業務の品質向上が期待できるでしょう。また、アウトソーシングを活用した場合、専門的な知識やスキルを外部から入れられるようになり、自社で対応するよりも正確性が上がります。

    また、ノンコア業務の効率化に向けたコア業務との切り分けによって、社員は重要な判断を求められる業務に注力することが可能です。その結果、製品・サービスの質が上がり、顧客満足度や業績の向上にもつながります。

    人材不足の解消につながる

    どの業界においても人材不足が深刻な課題となっている中で、ノンコア業務が非効率だとコア業務にリソースが回りません。一方で、ツールやシステム、アウトソーシングの活用によりノンコア業務の効率化を図ることで、人材不足解消が期待できます。

    例えば、ツールやシステムにより業務の一部を自動化すると、根本的な工数の削減が可能です。また、システム上で情報を管理することで、紙で管理していたときよりも探すといった手間が省けるでしょう。

    また、あらたな人材が必要になった場合も、アウトソーシングを活用すればスキルの高い人材を一から探す必要がありません。すでに専門知識・スキルを持った人材に業務を任せられるため、人材不足解消に加えて、採用時にかかるコストや労力削減にもつながります。

    社員の満足度向上につながる

    ノンコア業務が非効率だと、業務がスムーズに進められず不満を抱える社員が増える可能性があるでしょう。また、単調で簡単な作業であっても、ミスは許されないためプレッシャーがかかることも多いでしょう。こうした社員のメンタル面の低下は、企業全体の生産性にも影響します。

    一方、ノンコア業務の効率化が実現すると、これまで長く費やしていた業務時間が短縮され、残業や休日出勤の削減が可能です。また、社員にゆとりが生まれることで、注力すべき業務に時間を割きやすくなります。その結果、実績の向上やあらたなイノベーションの創出などが期待でき、社員の満足度向上にもつながるでしょう。

    ノンコア業務を効率化する方法

    ノンコア業務を効率化する方法

    ノンコア業務を効率化する方法として、主に以下の3パターンが挙げられます。

    • ノンコア業務を可視化・整理する
    • システム・ツールを活用する
    • アウトソーシングを活用する

    ここでは、それぞれの方法について解説します。

    ノンコア業務を可視化・整理する

    ノンコア業務の効率化を図る前に、現状を踏まえて業務を切り分る必要があります。そのためには、難易度や必要なスキル、業務の頻度、担当者など細かく定義を設けて、全業務を整理することが大切です。

    業務が可視化されて全体の様子が把握できれば、課題や改善点が明確になり効果的に効率化できます。例えば、部署や担当者ごとに違うやり方で行っていた業務は、標準化によって人為的なミスや手間の削減が可能です。

    システム・ツールを活用する

    ノンコア業務の内容によっては、効率化を目的としたシステムやツールの活用が適しているケースがあります。例えば、属人化しやすくミスや取りこぼしが多く発生する顧客管理や現金出納管理、勤怠管理などはそれぞれに特化したツールによって自動化することが可能です。これにより、ミスが削減されるほか、社員の労力軽減にもつながります。

    ITシステムを導入する

    システムの中でも効率化に適している手段がITシステムの導入です。ITシステムとは、オンライン上で活用できるツールを指し、ビジネスチャットツールや情報共有ツール、ウェブ会議ツールなどが該当します。

    例えば、従来のコミュニケーションは電話やメールを使用するケースが一般的で、タイムリーなやり取りには不向きでした。また、タイミングを逃したり誤解を招いたりすることも多く、ノンコア業務の効率化の妨げにもなっていました。

    ビジネスチャットツールを導入すると、電話やメールよりも気軽に連絡が取れるため、社員間の交流が活発化します。また、やり取りした内容は記録を残せるので、履歴の名から必要な情報を取り出すのにも便利です。

    その他、ITシステムは場所や時間を問わず使用可能であり、在宅勤務におけるノンコア業務の効率化にも役立ちます。

    RPAを活用する

    RPAの活用もノンコア業務の効率化に適しています。RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、パソコンを用いてデスクワークを自動化する仕組みです。例えば、デジタル化された資料の中から、顧客管理に必要な情報を自動的に抽出して入力する業務や、勤怠管理における勤務時間の集計、有給休暇の残日数の確認などを自動化することができます。

    従来は手作業で行っていた業務をRPAの活用により自動化できれば、人為的なミスの削減が可能です。また、休みなく稼働させられるため、業務スケジュールを大幅に短縮できます。

    アウトソーシングを活用する

    ノンコア業務の効率化において、システムやツールの導入は効率的な手段ですが、デジタル機器に苦手意識を持つ社員にとってはハードルが高いものです。また、社員全体に浸透するまでに時間がかかる可能性があるほか、セキュリティ対策も慎重に行わなければなりません。

    そこで役立つ方法として挙げられるのがアウトソーシングです。アウトソーシングとは、外部の業者に自社の業務を委託する経営手段を指します。専門知識やスキルを持った業者に任せられるため、ノンコア業務の効率化をスムーズに進めることが可能です。また、繁閑状況に合わせた人員調整にも柔軟に対応できるので、コスト削減も期待できます。

    アウトソーシングには「PUSH OUT型」「ADD ON型」「BUY IN型」の3パターンがあります。それぞれの違いは以下の通りです。

    PUSH OUT型 ADD ON型 BUY IN型
    特徴 単一業務の外部委託 サービスや品質の向上を目的とした外部委託 既存のサービスや商品に加えてあらたな価値を見出すことを目的とした外部委託
    効果 特定の業務の切り離しによりコスト削減が可能 ノンコア業務の品質や効率性の向上 コア業務の強化

    アウトソーシングの中でも、上記の3パターンを内包したサービスをBPO(Business Process Outsourcing)といいます。業務の一部を切り離すだけでなく、外部業者に業務プロセス全体を委託することで、ノンコア業務の効率化に加えてコア業務の強化を目指す場合に重宝するサービスです。

    PUSH OUT(プッシュアウト)型

    アウトソーシングPUSH OUT(プッシュアウト)型

    単一の業務を外部の業者に委託するパターンを「PUSH OUT(プッシュアウト)型」といいます。いわゆる「アウトソーシング」は、PUSH OUT型を指すケースが多く、もっともシンプルなスタイルです。

    これまでノンコア業務に費やしていた費用や時間、労力をそのまま外部の業務に任せられるため、コスト削減を検討している企業に向いています。例えば、チラシの印刷から封入・封緘・発送などは、社内で行うよりも外部の業者に依頼した方がコスト削減につながるでしょう。

    他にも、PUSH OUT型のアウトソーシングは、「組織のデジタル化」といった新たな組織への変革を進める企業に向いています。デジタル化を導入するためには、一時的に専門的な技術が必要です。PUSH OUT型のアウトソーシングにより、こうした技術を持つ外部の業者に委託すれば、あらたなテクノロジー技術やスキルを迅速に取り入れられます。

    ADD ON(アドオン)型

    アウトソーシングADD ON(アドオン)型

    「ADD ON(アドオン)型」は、一部の業務を外部委託するだけでなく、専門家によるサポートを受けられるスタイルです。一般的にBPOは、ADD ON型を指すケースが多いです。

    ADD ON型のアウトソーシングは、ノンコア業務のQCD(品質・コスト・納期)向上を目指す企業に向いています。

    ADD ON型の具体的な活用方法は以下の通りです。

    • プロセスごとに外部委託化
    • 業務フローの見直し
    • 運用体制の構築(繁閑に合わせた人員配置)
    • PIの設定と計測管理・報告、改善サイクルを回す

    他にも、あらたな技術やスキル、特定の専門技術が必要な場合も、ADD ON型のアウトソーシングが向いています。新規プロジェクトの開始、あたらしい市場への参入、新製品の開発・リリースなど、あらたな成長フェーズやイノベーションを追求している企業に適しているでしょう。

    BUY IN(バイイン)型

    アウトソーシングBUY IN(バイイン)型

    業務を外部業者に委託することで業者が持つ専門的な知識や経験を自社に取り込むスタイルが「BUY IN(バイイン)型」です。戦略や企画の立案から実行まで一貫して業務を委託できるため、ノンコア業務の効率化に加えてコア業務も強化したいという企業に向いています。BUY IN型は、ノンコア業務だけでなく、コア業務にも関わる以下のような業務に活用するとよいでしょう。

    • 営業におけるトークスクリプト(話す内容や流れ、順序などのマニュアル)の作成
    • 商品・サービスの訴求力を向上するためのマーケティング戦略の立案

    さらに、BUY IN型は、成熟期・再構築フェーズにある企業や、リストラ・業務縮小を迫られている企業にとっても有効な手段です。

    BUY IN型のアウトソーシングを活用すれば、コストの削減だけでなく業務の効率化や売上拡大にも寄与してくれるため、企業成長を後押となるでしょう。

    ノンコア業務を効率化したい際はパーソルビジネスプロセスデザインへご相談ください

    ノンコア業務は、コア業務をスムーズに進める上で欠かせない役目を担っています。しかし、煩雑な作業が多く、従来の手作業による対応では時間や手間を取られるため、本来注力すべきコア業務が手薄になるケースが多く見られました。また、人為的なミスが発生しやすく、社員のモチベーション低下につながる点もデメリットでした。

    こうした課題を解決するためには、ノンコア業務の効率化が不可欠です。効率化が実現すると、人材不足の解消やコスト削減などさまざまなメリットが得られます。さらに、BPOを活用して戦略から実行まで外部の専門業者に任せられれば、コア業務の強化も期待できるでしょう。

    パーソルビジネスプロセスデザインでは、業務に必要な人員の採用や教育、運用管理まで一貫してサポートいたします。多様な分野での豊富な実績があり、業務をデザインする専門部隊が在籍しているため、分野を問わず緻密な業務調査・設計を実行し、適切な運営体制の構築が可能です。ノンコア業務の効率化を検討中の方は、お気軽にご相談ください。

    ▼BPOサービス
    パーソルビジネスプロセスデザインのBPOサービス

    独自に培った「ビジネスプロセスデザイン力」と「マネジメント力」を駆使し、幅広いスキルを持った人材と最先端のテクノロジーを組み合わせた高品質なBPOサービスを提供

    ▼BPOサービスの導入事例
    BPO事例-中外製薬様

    コア業務とノンコア業務の仕分けができ、業務プロセスもシンプルに。「効率化に大きな効果がある」
    株式会社中外製薬

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