岡田 健司

岡田 健司

KENJI OKADA

ビジネスエンジニアリング事業本部 エネルギービジネス第3統括部 ドローン・MaaSソリューション3部 / マネジャー

ドローン・MaaSソリューション1部 事業構築推進グループでは、部署の中長期目標を達成するためにさまざまな施策の企画および推進をフロント部隊と連携して実行する役割を担う。その一方、兼務するドローン・MaaSソリューション3部 社会実装支援グループではドローンやMaaS、DXの社会実装を進めるため、民間企業の支援から、官公庁の社会実装をテーマとする事業の推進まで実施。お客様のみならず、テクノロジーを社会実装させて「いかに社会の課題を解決できるか」を考える日々。

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経歴・専門領域

2018年からドローン事業に携わり、ドローンソリューション部の立ち上げに参画。マネジャーとして民間企業支援のプロジェクトマネジメントを行うだけでなく、ドローン・MaaSを中心とした人・モノ・情報の移動によるスマートシティ実現に関わるテクノロジーを社会実装するため、官公庁事業の政策提言などにも対応している。

実績

大手通信事業者がドローンの新規事業を開始した当初からプロジェクトに参画し、ドローンサービサー企業として事業展開するに至るまで支援を実施。また、栃木県那須町と広島県神石高原町でのドローン実装支援や、NEDOのドローン社会実装に向けた研究開発プロジェクトのとりまとめ、ドローン社会実装に向けたガイドライン作成など に関わった。2022年にはCEATECジャパンに登壇し、ドローンの活用について発表。DSPAのセミナーをはじめ、民間企業支援と官公庁事業推進の実績をもとに社会実装をテーマとした内容について複数登壇している。

保有資格・受賞

各部署から半期ごとに1名ずつ選出されるベストマネージャー賞を受賞。

事業の立ち上げをゼロから支援してきた経験

インタビューイメージ

現在、少子高齢化や都市一極集中などの社会課題に直面している日本。その影響は地方にも及んでいますが、各地で表面化している「地域課題」はドローンの活用によって解決できる可能性があります。今回は、ドローン・MaaSなどのテクノロジーの社会実装(社会生活で活用できる状態にすること)に向けて地域課題を解消していくプロジェクト実績を持つ、ドローン事業立ち上げのスペシャリストにお話を伺いました。

――ドローン・MaaS事業領域における強みを教えてください。

岡田:ビジネスプロセスを変革する基盤と、ゼロから事業を立ち上げた経験を掛け合わせて、お客様や業界の成長を促進できることが私の強みだと思っています。私たちはBPO領域のスペシャリストとして、顧客の業務プロセス全体でさまざまな課題の解決と、顧客ビジネスの競争優位性や生産性の向上に貢献してきました。この経験を活かしてゼロからお客様の新規事業立ち上げに貢献し、「立ち上げて終わり」ではなく、しっかりビジネスプロセスを構築して運用していくところまで伴走支援していきます。

――具体的に、どのような取り組み方をしているのでしょうか?

岡田:NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)さんとのプロジェクトでは、ドローンの社会実装を目的に全国13地域で行った「地域課題を解決するための実証実験」の内容を分析。持続可能なビジネスモデルを構築するために「課題は何か」「どのようなガイドラインが必要か」「収益化するためにはどうすべきか」などを取りまとめました。

基本的にはパーソルがドローンのシステムやサービスを作っているわけではないので、私たちは中立的な立ち位置でお客様の課題に向き合うことができます。さまざまな業界で広くパートナー関係を構築している企業だからこそ、提供できるソリューションは幅広いですね。お客様の課題を解決するのはもちろん重要ですが、それだけでなく「ドローンやMaaS、スマートシティやDXに関連する業界全体が盛り上がって社会に浸透すること」を念頭に置いて支援を行っています。

「災害時の活用」や「空き家の調査」などで地域課題を解決

――ドローン・MaaS事業を社会実装する意義について、どのように考えていますか?

岡田:今後、日本の生産年齢人口が減っていくのは避けられません。そこで、人の代替となるテクノロジーの一つがドローンだと考えています。点検作業や配送作業などでドローンが人の代わりを担えれば労働力になりますし、人は人にしかできない業務に集中することが可能です。

――自治体と連携して社会実装につなげたケースはありますか?

岡田:地域連携の事例は、主に2点あります。広島県神石高原町の実装事例では、「ドローンの災害時の活用」がテーマでした。神石高原町は山間部に位置しており、土砂崩れが起きやすい地域です。実際に台風などで土砂崩れが起きると、被害の情報を把握するのに時間がかかるという地域課題がありました。そこで、ドローンによって撮影した地図をデータ化し、災害前後の地図データを比べることで災害エリアを特定できる仕組みを構築。迅速な救助活動の実現につなげています。

栃木県那須町のケースでは、「空き家問題の解決」にドローンを活用しました。那須町は日本でも有名な別荘地ですが、空き家として放置されている物件もあります。空き家を放置すると倒壊や火災などのリスクが高まるなどさまざまな影響があることから、これまでは自治体の職員が歩き回って空き家かどうかを確認していました。しかし、人の手で調査するのは時間がかかりすぎるため対応が追い付きません。そこで、その調査をドローンで代替しました。また、ドローンを使って上空から撮影し、物件をより魅力的に見せることで、次の買い手をすぐに見つけて移住者を増やすことにも貢献してくれると考えています。

実装に至った際は、お客様から「御社に参画していただいたおかげで事業化、導入できました」など感謝のお声をたくさんいただいています。ドローン・MaaSの事業やテクノロジーの実装はお客様にとって未知数な部分もありますが、同時に夢もあります。これまでできなかったことを実現できたときは、私もお客様と同じように嬉しいですね。

「導入目的を達成」まで伴走し、より良い社会に貢献したい

――今後、より注力していきたいことは何ですか?

岡田:ドローン・MaaSは、まだまだ私たちの生活に溶け込んでいるとは言えません。ですが、ドローン・MaaSをはじめとしたテクノロジー活用の社会的意義が大きいことは事実です。こうしたテクノロジーが日常生活や産業活動に導入されやすい環境を作ることが私たちのいる意味であり、最も力を入れているところです。

――ドローンの社会実装を実現するためには、どのような取り組みが大切だと考えていますか?

岡田:1つ目は、適切なサービスがあることです。安全性や機能面など、世の中に受け入れてもらえるサービスを構築しなければ社会には浸透しません。そのため、適切なサービスを提供することはドローン・MaaSの社会実装を実現するために不可欠だと考えています。

2つ目は、受け入れる制度を整えること。法規制もあって導入するテクノロジーを活用しきれる環境ではないため、社会受容性や安全な制度設計を伝えながら、受け入れてもらえる環境を整備していく必要があります。

そして3つ目は、サービスと受け入れる環境が整った上で、導入の目的を達成することです。どんなにサービスが優れていても、運用を間違ってしまえば目的は達成できません。私たちはサービス構築後も伴走支援し、お客様の目標達成に貢献します。

ここまで実現するのがプロであり、パーソルならそれができます。私たちが先駆者となってドローン・MaaSなどのテクノロジーの社会実装を実現し、お客様にも、業界にも、実際に影響が及ぶユーザーのみなさんにも寄り添いながら、より良い社会のために貢献していきたいですね。