チームビルディングとは?
チームビルディングとは、従業員一人ひとりがスキルや能力を発揮して、ハイパフォーマンスを実現できるチーム作りのことです。チームビルディングによって、チームパフォーマンスの向上やメンバーとの信頼関係構築などが期待できます。
チームビルディングが注目されるようになった要因のひとつが、近年における「働き方」の変化です。新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業がテレワークを推進していたことから、従業員同士が直接コミュニケーションを図る機会が減っているのも事実です。従業員同士の関係性が希薄化しているのではないか、不安に感じる担当者も多いでしょう。一方、昨今ではDX化やグローバル化によって、これまで以上に従業員同士が連携し、迅速かつ柔軟な対応が求められています。
こうした問題を解決するための方法として、現在では多くの企業でチームビルディングが行われており、チームビルディング研修を実施する企業も少なくありません。チームビルディング研修では、運動会やオンライン講座・ワークショップなど、さまざまな手法があります。
なお、ワークショップとは、参加者が主体となる体験型イベントのことです。次項で詳しく解説します。
ワークショップを実施することによるメリット・デメリット
ワークショップを実施することによるメリット・デメリット
ワークショップを実施することで、チームビルディングにおいてどのような効果が期待できるのか気になる担当者も多いはずです。
ワークショップは体験型イベントのため、他の手法と比較して実施内容が参加者の記憶に残りやすい特徴があります。また、参加者同士で意見を出して協力しながら実施するため、コミュニケーションの活性化が期待できるのもメリットです。
ただし、話し合いがうまく進まず、盛り上がりに欠けることもあります。その結果、本来の効果が実感できずに失敗するリスクがあるので、注意が必要です。
チームビルディングにおけるワークショップの進め方
チームビルディングにおけるワークショップの進め方は、以下の5ステップです。
STEP(1)ワークショップを実施する目的を明確にする
STEP(2)ワークショップの内容を決める
STEP(3)事前準備を行う
STEP(4)ワークショップを開催する
STEP(5)振り返りを行う
順番に解説します。
STEP(1)ワークショップを実施する目的を明確にする
STEP(1)ワークショップを実施する目的を明確にする
ワークショップを実施する前に、「なぜ自社でワークショップを行う必要があるのか」目的を決めましょう。
目的が曖昧だと、途中で方針がブレてしまいます。今回の場合は「コミュニケーションを活性化させるためにワークショップを実施する」などというように、なるべく目的を明確にしましょう。
STEP(2)ワークショップの内容を決める
STEP(2)ワークショップの内容を決める
実施する目的を明確にしたら、次にワークショップの内容を決めます。以下では、その一部を紹介します。
・人狼ゲーム……市民側と人狼側に分かれて自分陣営の勝利を目指す
・陽口ワークショップ……対象とする参加者の良いところや尊敬できる部分などを発表する
このように、チームビルディングに効果的なワークショップは豊富にあります。どのワークショップを選べば良いか迷った場合には、社内アンケートを実施してみるのもおすすめです。
STEP(3)事前準備を行う
STEP(3)事前準備を行う
準備する内容は以下の通りです。
・ワークショップを実施する会場
・当日のワークショップを進行する司会者
・ワークショップに必要な備品
・ワークショップの日程調整
・ワークショップの告知
また、当日スムーズに進行できるよう、リハーサルを行うと良いでしょう。
STEP(4)ワークショップを開催する
STEP(4)ワークショップを開催する
当日はイレギュラーな事態が発生することもあるため、柔軟に対応できるように体制をしっかり整えておきましょう。
なお、写真を撮影しておくと、振り返りがしやすくなるのでおすすめです。
STEP(5)振り返りを行う
STEP(5)振り返りを行う
問題点を洗い出し、改善を行うことで、次回のワークショップに活かせます。
ワークショップを開催してから振り返りを行うまでの期間が空いてしまうと、当日の記憶が曖昧になってしまうため、なるべく期間をあけずに振り返りを行うことが重要です。
チームビルディングに効果的なおすすめのワークショップ10選
チームビルディングに効果的なおすすめのワークショップは以下の通りです。
(1)チェックイン
(2)Where I’m from ポエム
(3)WIND&ANCHOR
(4)マシュマロ・チャレンジ
(5)ワールドカフェ
(6)陽口ワーク
(7)NASAゲーム
(8)人狼ゲーム
(9)謎解きゲーム
(10)タニモク
それぞれの特徴を解説します。
(1)チェックイン
自分の気持ちや感情を率直に発表するワークショップです。アイスブレイクでよく利用されます。司会が参加者に対して「今の気持ちを教えてください」と問いかけるので、それに対して順番に答えていきます。
このワークショップには、参加者一人ひとりが発言することで、その後コミュニケーションを図る際にハードルを下げるという狙いがあります。発言する内容がネガティブでも問題ありません。
(2)Where I’m from ポエム
「私は〇〇から来ました」というテンプレートの内容で、自分の趣味や価値観・家族のことなどをポエムのように表現して発表するワークショップです。
Where I’m from ポエムを実施することで、その人の生い立ちや人生観などについて理解を深められます。
(3)WIND&ANCHOR
ポジティブもしくはネガティブになるような環境や行動について一人ずつ発表するワークショップです。ポジティブとネガティブの内容を付箋の色で分けていき、順番に貼り出します。
WIND&ANCHORの実施によって、参加者一人ひとりの好きな環境や苦手な行動について知ることができるでしょう。
(4)マシュマロ・チャレンジ
乾麺のパスタやテープ・マシュマロなどを使用してタワーをチームで作成し、最も高いタワーを作ったチームが優勝となるワークショップです。
他のチームよりも高いタワーを作るための発想力が試されます。ゲーム感覚で参加できて参加者同士での協力が必要不可欠となるので、自然とコミュニケーションが発生します。
(5)ワールドカフェ
カフェのようなリラックスした環境でひとつのトークテーマについて意見を交換し合うワークショップです。ワールドカフェを実施するうえで重要なのは、相手の意見を否定しないことです。
参加者一人ひとりの意見を参考にして最適な答えを導き出すことで、傾聴力が身につきます。
(6)陽口(ひなたぐち)ワーク
対象とする参加者の良いところや尊敬できる部分などを発表するワークショップです。相手のいないところでコソコソ悪口を言う「陰口(かげぐち)」と真逆の事をするということです。
プレゼンターは「ここだけの話…」や「○○さんいないから言うけどさ…」と言って話し始めると場が盛り上がるのでおすすめです。最後に対象者に内容を伝えることで、参加者の自己肯定感を上げることも目的としています。
(7)NASAゲーム
宇宙船の故障によって母船から200km離れた場所に不時着してしまったという設定で、15個あるアイテムから生存するために必要な優先順位を決めて母船への帰還を目指すというワークショップです。15個のアイテムは自由に設定してください。一見役に立ちそうでも宇宙空間で使用することを考えると、便利なのか悩ましいアイテムを交えると議論が盛り上がります。
(例)
マッチ/宇宙食/ナイロン製ロープ15m/落下傘の布/ソーラー発電の暖房器/
45口径ピストル/酸素ボンベ/方位磁石/パラシュート/月面用の星座表/水など
ゲームを行うチームは4~6名の普段あまり関わりのないメンバーで構成することが理想的です。NASAゲームを通じて、制限時間内にお互いの意見を一致させるために審議を行うことによって「合意形成力」を育めます。
(8)人狼ゲーム
市民側と人狼側に分かれて、自分陣営の勝利を目指すワークショップです。市民側は人狼を見つけるために話し合うので、コミュニケーションの活性化が期待できます。オンラインでも実施することが可能です。
(9)謎解きゲーム
制限時間内に問題を解いて脱出を試みるワークショップです。謎解きゲームを実施することで、問題を解決するための思考力が鍛えられます。
また、協力しないと解けないような問題もいくつかあるので、謎解きゲームを通して参加者同士で交流が深まるはずです。
(10)タニモク
4人1組でグループを組み、参加者同士で目標を立て合うワークショップです。自分の目標を他人に立ててもらうことで、新たな可能性や選択肢の発見につながります。用紙とペンさえあれば、いつでも始めることができます。
ワークショップを成功させるために意識すべき3つのポイント
ワークショップを成功させるために、3つのポイントを意識しましょう。
ポイント(1)参加人数に応じて内容を考える
ポイント(2)参加しやすい雰囲気を作る
ポイント(3)それぞれのワークショップの特徴を把握する
ひとつずつ解説します。
ポイント(1)参加人数に応じて内容を考える
ポイント(1)参加人数に応じて内容を考える
ワークショップの多くは、適切な参加人数が設定されています。適切な参加人数を大幅に超えてしまったり少なかったりすると、ワークショップにおける効果を実感できなくなるリスクがあるので、注意が必要です。
そのため、参加人数に応じてどのようなワークショップにするのか考えましょう。
ポイント(2)参加しやすい雰囲気を作る
ポイント(2)参加しやすい雰囲気を作る
ワークショップを実施するうえで重要なのが、雰囲気作りです。たとえ内容が充実しそうなワークショップであっても、堅苦しい雰囲気のままだと参加者は緊張してしまい、うまく交流できません。
ワークショップの前にアイスブレイクしたりBGMをかけたりして、参加しやすい雰囲気作りを心がけましょう。
ポイント(3)それぞれのワークショップの特徴を把握する
ポイント(3)それぞれのワークショップの特徴を把握する
ワークショップによって特徴が異なります。そのため、適当にワークショップを選んでしまうと、自分たちが求めていた効果が得られないリスクがあるので、注意が必要です。
そのような事態を防ぐためにも、ワークショップを実施する前にそれぞれの特徴をしっかり把握しておきましょう。
効果的なワークショップの開催ならパーソルビジネスプロセスデザインのワーケーション
効果的なワークショップの開催ならパーソルビジネスプロセスデザインのワーケーション
本記事では、チームビルディングでワークショップを実施するメリットや進め方・おすすめのワークショップなどについて解説しました。
ワークショップを実施することで実施内容が記憶に残り、コミュニケーションの活性化が期待できます。「Where I’m from ポエム」「WIND&ANCHOR」「陽口ワーク」など、ワークショップは豊富にあるので、本記事を参考に自分たちに合ったワークショップを選びましょう。
「自分たちだけで社員満足度を高められるか不安」「社員満足度を高めるための手段としてワーケーションを活用したい」という方は、パーソルビジネスプロセスデザインが提供するワーケーションサービス『&Office』を活用して、ワーケーションと併せて実施することがおすすめです。
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なお、ワーケーションとは「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語であり、観光地やリゾート地などで休暇を満喫しながら仕事も行う新たな働き方のことを指します。
&Officeでは、コワーキングスペースや高速Wi-Fiといった充実した環境を完備しており、ワーケーション中にワークショップを実施することで、チームビルディングにつなげられます。
プランニングから実施後のレポート作成までワンストップでサポートしますので、初めてワーケーションを開催する場合でも安心です。
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