ワーケーション補助金とは?導入している自治体や注意点を紹介!

ワーケーション補助金とは?導入している自治体や注意点を紹介!

リモートワークではたらくことが当たり前になりつつあるなかで、「ワーケーション」という働き方が注目を集めています。

ワーケーションとは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語で、普段の職場や自宅ではなく、観光地など普段とは異なる場所で、環境を変えて楽しみながらはたらくことを指します。

福利厚生や研修の一環でワーケーションを実施したいけど、予算を確保できるか心配」という担当者の方もいるでしょう。実は、ワーケーションを実施する自治体によっては補助金が支給されるため、制度を上手に活用すれば限られた予算でも実行できます。

本記事では、ワーケーション補助金を導入している自治体や活用する際の注意点などを解説します。

目次

    もっと見る▼

    ワーケーション補助金制度とは?

    ワーケーション補助金制度とは、ワーケーションを実施した際に助成を受けられる制度のことです。「仕事」と「休暇」を両立するワーケーションのあり方は地域経済の活性化につながるため、多くの自治体で補助金の導入が行われています。

    主に助成の対象となるのは宿泊費や交通費です。ただし自治体によって内容は異なるので、各行政のホームページで一度確認してみましょう。

    ワーケーションのメリット・デメリット

    ワーケーション導入には、さまざまなメリット・デメリットがあります。下記でその両方を確認しておきましょう。

    メリットとデメリット

    メリット デメリット
    ・集中して業務に取り組める環境が構築できるため、生産性が向上する
    ・働き方を重視している求職者も多く、採用力強化や人材の確保につながる
    ・ワーケーションと重ねて長期休暇を取る社員が増えるため、有給取得率が向上する
    ・普段とは違う場所ではたらくことで、心身ともにリフレッシュできてモチベーションが向上する
    ・従業員が個人で活用する場合、オフィスのように目視で社員の勤務状況を把握できないので、管理が難しい
    ・宿泊費や交通費などを企業で負担する場合、コストがかかる

    ワーケーションは非日常的な場所で休暇を楽しみながらはたらけるのが特徴です。そのため、生産性やモチベーションの向上が期待できます。また、ワーケーション先での滞在期間を伸ばすために有給を活用する社員も多いので、有給取得率のアップにもつながります。

    ただし、社員を管理するのが難しかったり、コストがかかったりとデメリットもあるため、注意しましょう。

    ワーケーションを導入している自治体例

    ワーケーション補助金を導入しているのは、以下の7都道府県です。
    ※2023年6月時点での情報です。募集期間には注意してください。

    (1)北海道
    (2)福島県
    (3)鹿児島県
    (4)秋田県
    (5)香川県
    (6)奈良県
    (7)長野県

    ここでは、それぞれの地域における特徴や補助金の限度額、助成対象となる経費などを解説します。

    また、ワーケーションはその地ならではの体験が醍醐味です。紹介する地域の主な観光スポットも合わせて紹介しますので、実際に訪れた際のイメージを膨らませてみてください。



    (1)北海道

    北海道では富良野市でワーケーション補助金制度を導入しています。
    助成対象となるのは宿泊費とレンタカー利用料となっており、宿泊費は時期によって助成限度額が異なるため、注意しましょう。


    〇助成要件

    • 富良野市内に4泊以上滞在すること(ただし、5名以上の場合は3泊以上の滞在でも可能。2名以上の場合は、宿泊施設や宿泊期間・宿泊日数も実証する必要がある)
    • レンタカー利用時には、富良野市内または旭川空港・新千歳空港の営業所で借りること
    • ゼロカーボンの推進に向けて、市内事業者などが実施する体験プログラムに参加すること
    • ワーケーション実証期間中における精算額は、積算・算出すること
    • 期間中に同じ企業に所属する社員は、10名以内であること
    • 同じ社員が年度内に実証できるのは2回まで
    • 同じ企業の社員が年度内に実証できる人数は、合計20名以内であること
    • 滞在期間中はワーケーションの実施をSNSで紹介して、魅力を拡散すること
    • ワーケーション終了後は、体験した出来事や関連する画像などを本市に提出すること
    • 滞在期間中は、本市の関係者と1回以上、情報交換もしくは交流会に参加すること

    助成対象となる経費

    限度額

    限度日数

    宿泊費

    通常期(1月、2月、6月、12月)
    3,000円/1泊(1名からの場合)
    7,000円/1泊(5名からの場合)
    重点期(3月、4月、5月、10月、11月)
    5,000円/1泊(1名からの場合)
    1万円/1泊(5名からの場合)

    7泊

    レンタカー利用料

    2,500円/1泊

    8泊

    ※参照:富良野市『【ご案内】令和5年度「ワーケーション実証費用助成金」について』


    〇北海道富良野市の主な観光スポット

    • ラベンダー畑として有名な「ファーム富田」
    • 夏はラベンダー園、冬はスキー場に変化を遂げる「北星山」
    • 標高1,280mの高原にある「十勝岳温泉」
    • 新鮮な牛乳を使った乳製品が味わえる「富良野チーズ工房」
    • エメラルドグリーンが特徴的な「鳥沼公園」


    (2)福島県

    福島県では、長期コースと短期コースの2つに分けてワーケーション補助金を導入しています。主な違いは滞在期間です。長期コースの滞在期間は1〜3ヶ月間ですが、短期コースは2泊3日〜5泊6日となっています。

    〇ふくしま“ロング・テレワーク”体験コース【長期コース】の助成要件

    • 本県への移住、もしくは2地域の居住を希望する者であること
    • 実施期間は1〜3ヶ月以内として、実施期間中における勤務日は業務の都合を除き、すべて本県でテレワークを実施すること
    • 滞在期間中のテレワーク勤務時間の合計は、勤務日×5時間以上であること
    • 滞在期間中は地域交流を2回以上実施して、結果を報告すること
    • 実施期間における勤務日は、原則として1週間のうち4日以上であること
    • 本コースについては、毎年1回のみ利用可能
    • SNSで県内のテレワーク環境や地域の情報などを発信すること


    〇ふくしま“ショート・テレワーク”体験コース【短期コース】の助成要件

    • 本県への移住、もしくは2地域での居住と、本県との継続的な関係づくりを希望する者であること
    • 本県に滞在している期間中、滞在日数の半分以上はテレワークを実施すること
    • 滞在期間中におけるテレワーク勤務時間の合計は、勤務日×5時間以上であること
    • 滞在期間中は地域交流を1回以上実施し、結果を報告すること
    • 本コースについては、1年に2回まで利用可能
    • SNSで県内のテレワーク環境や地域の情報などを発信すること

    助成対象となる経費

    限度額

    ふくしま“ロング・テレワーク”体験コース【長期コース】

    宿泊費
    交通費
    コワーキングスペースの利用料
    レンタカー代

    1人につき30万円

    ふくしま“ショート・テレワーク”体験コース【短期コース】

    宿泊費
    交通費
    コワーキングスペースの利用料
    レンタカー代

    1人につき1万円/泊

    ※参照:福島県『【QA更新】ふくしまぐらし。×テレワーク支援補助金の募集について』


    〇福島県の主な観光スポット

    • 江戸時代の雰囲気を味わえる「大内宿」
    • 映画「フラガール」の舞台にもなった「スパリゾートハワイアンズ」
    • 8,000万年という歴史によって作り出された鍾乳洞「あぶくま洞」
    • 会津の歴史に触れられる「会津武家屋敷」
    • 東北最大級の水族館「アクアマリンふくしま」


    (3)鹿児島県

    鹿児島県では宿泊費や住居賃料の他に、施設利用料やはたらく環境における整備費用も助成対象となる経費に含まれています。

    〇助成要件

    • 県外在住の個人、もしくは本県に事業所がない法人企業・その社員であること
    • 不正受給による処分を受けていないこと。もしくは不正受給処分を受けてから3年以上経過していること
    • 性風俗関連の営業や接待を伴う飲食の営業・これらの営業の一部を受託していないこと
    • 同一の事業について国や県から他の補助金を受けていないこと。もしくは受ける予定がないこと
    • 県税に未納がないこと
    • 暴力団や暴力団員でないこと
    • 暴力団や暴力団員と密接な関係でないこと
    • 社会通念上不適切だと思われるような人物でないこと

    助成対象となる経費

    限度額

    宿泊費
    住居賃料
    施設利用料
    交通費
    はたらく環境における整備費用

    1人あたり10万円

    ※参照:鹿児島県「令和5年度かごしまワーケーション実施支援事業について」


    〇鹿児島県の主な観光スポット

    • 圧倒的な存在感を誇る「桜島」
    • 国家安泰や家内安全などのご利益がある「霧島神宮」
    • 太平洋戦争の歴史が分かる「知覧特攻平和会館」
    • 渚百選にも選ばれている「大浜海浜公園」
    • 日本を代表する庭園「仙巌園」


    (4)秋田県

    秋田県公式サイトにワーケーション助成金の対象となる経費は記載されていないので、申請する前に問い合わせて聞いてみましょう。

    〇助成要件

    • 仕事と余暇活動を組み合わせて滞在すること
    • 宿泊施設やレンタルオフィスなどで仕事を行うこと
    • 3泊以上は連続して滞在すること
    • 参加人数が原則3名以上であること(秋田県を除く東北5県から参加する場合は5名以上)
    • 滞在期間中はワーケーションの様子をSNSで紹介して、本県の魅力を拡散すること
    • ワーケーション終了後も社内で広報宣伝を行うこと

    助成対象となる経費

    限度額

    不明

    1企業または1団体につき10万円

    ※参照:美の国あきたネット「令和5年度ワーケーション実践団体奨励金交付事業について


    〇秋田県の主な観光スポット

    • 周囲約20キロにもおよぶ「田沢湖」
    • なまはげの歴史がすべて分かる「なまはげ館」
    • 日本一の湧出量を誇る「玉川温泉」
    • 10種類以上の源泉がある「乳頭温泉郷」
    • 鳥海山まで一望できる「寒風山」


    (5)香川県

    香川県ではワーケーション中に指定されたコワーキングスペースを3日以上利用すると、3日目以降5,000円加算されるため、積極的に活用しましょう。ただし、補助金の対象となるのは東京もしくは大阪の在住者のみとなっているので、注意が必要です。


    〇助成要件

    • 香川県への移住に興味関心があり、相談窓口やイベントで移住の相談をして当該助成金を利用する旨を告げていること
    • 指定されたコワーキングスペースを連続して2日以上利用したことがある人
    • アンケートに回答し、今後も本県から発信する移住情報を受けることに同意すること
    • 過去に当該助成金の交付を受けていないこと

    助成対象となる経費

    限度額

    不明

    東京圏在住者:3万円
    大阪圏在住者:1万円

    指定コワーキングスペースを3日以上利用した場合、3日目以降は1日につき5,000円を加算(加算額の上限は3万円)

    ※参照:香川県「~香川でお試しテレワーク~助成対象者の募集のお知らせ」


    〇香川県の主な観光スポット

    • パワースポットとして有名な「金刀比羅宮」
    • 迷路状の洞窟となっている「鬼ヶ島大洞窟」
    • 南米にある「ウユニ塩湖」のように美しい景色が撮れる「父母ヶ浜」
    • 日本最大級の広さを誇る庭園「栗林公園」
    • ロケ地として何度も使われたことのある「道の駅小豆島オリーブ公園」


    (6)奈良県

    奈良県では奥大和(県南部・東部エリア)でワーケーション補助金を導入しています。
    以下の4ステップで助成が受けられるので、奈良県でのワーケーションを検討しているのであれば、必ず活用しましょう。

    〇助成要件

    • 指定の営業所でレンタカーを借りる
    • 指定のワーケーション施設で証明をもらう
    • アンケートに答える
    • レンタカーを返却する際にアンケートを提出する

    助成対象となる経費

    限度額

    レンタカー利用料

    1泊につき2,000円(上限1万円)

    ※参照:奈良県「奥大和ワーケーション・レンタカ-助成のご案内」

    〇奈良県奥大和の主な観光スポット

    • 仁王門や蔵王堂などが世界遺産に登録されている「金峯山寺」
    • 地上54mの空中散歩が体験できる「谷瀬の吊り橋」
    • 関西最大級の鍾乳洞「面不動鍾乳洞」
    • 風情溢れる宿場町「洞川温泉街」
    • 奈良時代から伝わる「燻し」の技法で作られた印傳の商品が購入できる「印傳工房南都」


    (7)長野県

    長野県では岡谷市でワーケーション補助金が導入されています。同市にはコワーキングスペースが数ヶ所存在し、ポケットWi-Fiの貸し出しも無料で行っています。


    〇助成要件

    • 市内で2泊3日以上のワーケーション活動を実施すること
    • 本市の課題解決における分析や提案・学習などをすること
    • 市長が特に必要な人材であると認めること


    助成対象となる経費

    限度額

    宿泊費

    上限5,000円

    交通費
    レンタカー利用料

    上限1万円

    ※参照:岡谷市『【岡谷へ行こう】ワーケーション受け入れについて』


    〇長野県岡谷市の主な観光スポット

    • 遊覧船やボート・わかさぎ釣りなどが楽しめる「諏訪湖」
    • 作家である武井武雄の作品が展示されている「イルフ童画館」
    • ツツジの名所としても有名な「鶴峯公園」
    • 岡谷市が一望できる「塩尻峠」
    • 子どもと一緒に楽しめるアスレチックがあり、夜にはライトアップされる「岡谷湖畔公園」

    ワーケーション補助金制度を活用する際の3つの注意点

    ワーケーション補助金制度を活用する際には、以下で挙げる3つのポイントに注意しましょう。

    注意点(1)締め切り日を必ず守る
    注意点(2)条件をしっかり確認する
    注意点(3)自分たちの目的に合った場所を選ぶ

    順番に解説します。

    注意点(1)締め切り日を必ず守る

    ほとんどのワーケーション補助金制度には締め切り日が設けられています。締め切り日に間に合わせないと助成を受けることができないので、十分に注意しましょう。

    注意点(2)ポイント条件をしっかり確認する

    前項でも紹介しているように、ワーケーション補助金制度はどの企業でも適用されるわけではありません。

    助成を受けるためには、明確な条件が定められているため、応募する前にしっかり確認しておきましょう。

    注意点(3)自分たちの目的に合った場所を選ぶ

    助成がお得に受けられるという理由だけでワーケーションの場所を選んでしまうと、思ったよりも効果が実感できない可能性があります。

    ワーケーションの実施を成功させるためにも、補助金に左右されるのではなく、自分たちの目的に合った場所を選びましょう。

    ワーケーションのことならパーソルビジネスプロセスデザイン

    workcation-grant_body02.jpg

    本記事では、ワーケーション補助金を導入している自治体や活用する際の注意点などを解説しました。ワーケーション補助金を導入している自治体は数多くあるため、本記事を参考に自分たちに合った場所でのワーケーションを実施しましょう。

    「自分たちだけで社員満足度を高められるか不安」「社員満足度を高めるための手段としてワーケーションを活用したい」という担当者は、パーソルビジネスプロセスデザインが提供する企業向けワーケーションサービス『&Office』がおすすめです。

    &Officeは企業向けのワーケーションサービスとなっており、非日常の体験を共有して従業員同士の関係性構築が可能です。また、その地ならではの体験を楽しむことでリフレッシュしながらはたらく体験を従業員に提供することが可能です。


    コワーキングスペースやネット環境が充実していて、業務にもスムーズに取り組めるため、チームビルディングやエンゲージメントの向上にも期待ができます。

    プランニングから実施後のレポート作成までワンストップでサポートしますので、初めてワーケーションを開催する場合でも安心です。

    まずはお気軽にご相談ください。

    pwdbanner-service-andoffice (3509)

    関連サービス

    &Office

    &Office

    チームビルディングを考える企業様にオフィスと体験を提供するワーケーションサービスを提供しています。

    このページをシェアする

    • Xシェアボタン
    • Facebookシェアボタン
    • Linkedinシェアボタン