ワーケーションとは?実際に効果があった導入事例も含め徹底解説

ワーケーションとは?実際に効果があった導入事例も含め徹底解説

「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」を合わせた言葉である『ワーケーション』という働き方が注目を集めています。

ワーケーションは旅行中の一部の時間を仕事にあてるといった働き方を指しており、日本人が取りにくい長期休暇を取りやすくしながらも、ワークライフバランスの向上にもつながることもあり、多くの企業が導入を検討しています。

そこで本記事では、「ワーケーションとは具体的にどのような働き方なのか」「導入する際に気を付けるべきことは何なのか」「実際にどんな企業が導入しているのか」などをお伝えしていければと考えています。

ワーケーションの導入を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

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    ワーケーションとは?

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    まずは改めて、「ワーケーション」について詳しく解説していきましょう。

    冒頭でも書いたとおり、ワーケーションは「work(仕事)」と「vacation(休暇)」を組み合わせてできた造語です。旅行先の観光地やリゾート地など、休暇も楽しめる場所で仕事ができる点が魅力の1つといえます。

    「職場に行って働く」という従来の考え方を大きく転換した、新しい魅力的な働き方ですが、テレワークを推進する『日本テレワーク協会』は、ワーケーションについて次のように述べています。

    「休暇」とする認識もあれば、「チーム力や創造力を高める働き方」、「余暇を楽しみつつ仕事をすること」といった考え方もあります。

    ※引用:日本テレワーク協会「ワーケーション情報」

    企業によってもワーケーションの定義は異なるかもしれませんが、「仕事と休暇を両立できる働き方」であり、新たな旅のスタイルとして政府も普及を進めているのが現状の位置づけでしょう。

    場所を問わない働き方ですので、日本国内の観光地やリゾート地だけでなく、場合によっては海外で働ける可能性があることもワーケーションの特徴といえるかもしれません。

    ワーケーションの3つの魅力

    では、具体的に「ワーケーション」の魅力は何なのでしょうか。3つほど挙げながら解説していきます。

    長期休暇を取得しなくても旅行ができる

    沖縄に1週間行って休暇を楽しみたい場合、1週間の休暇を取らなければなりません。しかしワーケーションは、休暇と仕事を両立できる働き方ですから、わざわざ長期休暇を取得する必要がありません。

    社会人が長期休暇を取得しようとすると、下記のようなデメリットがあります。

    • 不在中のフォローを誰かに頼まなければならない
    • フォローを頼む相手に気を遣わなければならない
    • 休み明けに仕事が山のように溜まっていないか気になってしまう
    • 休暇中に仕事の連絡が来てしまい、気分が台無しになる 

    ワーケーションは休暇と仕事を両立できるわけですから、長期休暇を取ることへの抵抗感を抱く必要がないのです。

    理想的な環境の中で仕事に取り組める

    自宅で仕事をする在宅勤務やリモートワークに対し、ワーケーションでは自由に場所や行動をカスタマイズすることができます。

    普段の生活圏を離れて自分の理想とする環境を構築できるのも、ワーケーションの魅力といえるでしょう。

    満員電車での通勤が苦手なら、満員電車のない田舎を選択する。狭い部屋での仕事がストレスになるなら、広々とした部屋のホテルを予約する。家族と過ごす時間が少なかったら、家族も連れていける場所を選んで家族との時間を増やす。

    このように、会社勤めや在宅勤務ではかなえられなかった環境を実現できる、という魅力がワーケーションにはあるのです。

    代わり映えしない日常を離れ、行きたかった場所で仕事をすると、いつもとは違った観点からビジネスを見つめ直せるはずです。また、刺激的な生活の中に身を置くことで、新しいアイデアが生まれてくることもあるかもしれません。

    混んでいない時期を狙って快適に旅行ができる

    ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」ですが、バケーション面での魅力も見逃せません。

    昔から日本人の旅行のスタイルは、「決まった時期」に「一斉に取得する」傾向にあり、宿泊日数も短かったり混雑が生まれやすかったりする傾向にあります。

    実際、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始には観光地がものすごく混みあい、渋滞に巻き込まれたりホテルが埋まっていたりという経験をされた方も多いのではないでしょうか。これは長期休暇だけでなく、土日や祝日にも同じことがいえると思います。

    ワーケーションの場合、「人があまりいないオフシーズンに観光地に行ける」「平日に有名なスポットに行ける」といった魅力もあります。オフシーズンや平日に観光地に行きますと、休みの日には人でごった返している場所が空いていたり、ホテルが安かったりとメリットがたくさんあるのです。

    ワーケーションを導入する際の4つのポイント

    メリットが豊富にあるワーケーションですが、新しい制度だからこそ導入する際には注意すべきポイントもあります。続いては、ワーケーションを導入する際に気を付けるべき4つのポイントを説明していきます。

    労働時間の管理や見直し

    ただでさえ、オフィス以外の場所で働く場合に従業員の管理が難しいという会社もあるかもしれません。特に観光地などに出向く休暇型のワーケーションの場合は、労働時間の管理がより難しくなります。

    その対策としては、始業時・終業時の報告の方法であったり、勤怠管理の方法であったり、様々な管理方法を予め決めておくことが重要になります。

    また、ワーケーション中にどのような労働時間を採用するかも検討したほうがよいでしょう。ワーケーションを導入している企業の多くは、フレックスタイム制を取り入れているケースが多いようです。

    そのように、柔軟性が高い企業を参考にしながら導入していくことで、自社の労働時間のあり方を見直すいいきっかけにもなるはずです。

    セキュリティ対策を行う

    ワーケーション導入前に気がかりになるのは、現地の職場環境のセキュリティ面ではないでしょうか。実際、観光庁が行った『企業が地域に整備してほしい点』についてのアンケートでも、「セキュリティやスピード面が確保されたWi-Fi等の通信環境」が53.4%と最も高かったようです。

    情報漏洩などのリスクを避けるためには、ワーケーションを行ううえでのセキュリティ対策を事前に徹底しておく必要があります。ポイントとしては下記のようなものが挙げられます。

    • 機密保持ができる環境を選ぶ
    • 安全なネットワークを確保しておく
    • 不特定多数の人が出入りする場所でのセキュリティを確認しておく

    さらに、従業員に対してもセキュリティ面での教育を行い、安全にワーケーションを進めるための準備もしておくとよいでしょう。

    労災保険給付の範囲を確認しておく

    もしワーケーションを含むテレワーク中に従業員が事故や災害などで負傷した場合に、労災保険給付の対象になるかどうかを確認しておく必要があります。

    基本的には、私的行為を除いて労災保険給付の対象となります。ただし、ワーケーションの場合は、企業によって就業形態が異なるのでケースバイケースといえるでしょう。

    例えば、「私的旅行先から宿泊施設への移動中に負傷した場合」などは、事業主の命令ではない限り労災保険の給付は行われません。

    ※参考:観光庁「労災や税務処理に関するQ&A」

    事故や災害などが起きてから対応するのではなく、事前にどのような場合に労災保険給付が適用されるのかは確認しておきましょう。

    ワーケーションを導入する前に目的を明確にしておく

    ワーケーションを導入する前に最も大切なのは、「ワーケーションの目的」を明確化することです。目的が曖昧なままだと、ワーケーションが浸透せず従業員も活用しにくい状況に陥ってしまうでしょう。

    また、ワーケーション中に何かトラブルが起きてしまうことを回避するためにも、ワーケーション導入前にしっかりと目的に沿ったルールを定め、「業務上の行為」と「私的行為」について明確に決めておきましょう。

    「なぜワーケーションをするのか」「ワーケーションをすることで何を期待しているのか」を周知して、ワーケーションの目的を絞っておくことも重要なポイントです。そうすることで、企業と従業員との間に結束感も生まれ、ワーケーションが定着しやすくなっていくでしょう。

    ワーケーションを取り入れている企業の導入事例

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    雑誌『月間総務』が2021年5月に行った「ワーケーションに関する調査」によると、その時点で「ワーケーションを導入している企業」は3.5%「ワーケーションの導入を検討している企業」は8.8%であることが明らかになりました。

    企業が導入を検討している理由としては、以下のものが挙げられるようです。

    • IT環境さえ整っていれば、どこでも仕事ができるから
    • 業務形態をフルリモートにしたから
    • 新型コロナウイルスの蔓延に伴いリモートワークが浸透したから

    やはりコロナ禍を機にリモートワークが浸透し、それによってワーケーション導入にも前向きになっている企業が増えたことが分かります。ただ、既にワーケーションを導入し定着させている企業もいくつかあります。

    では続いて、ワーケーションを実際に導入している企業の事例についてご紹介します。

    日本航空株式会社による休暇型ワーケーション

    国内で航空運送業を行っている「日本航空株式会社」では、2015年より働き方改革に取り組み、2017年から有給取得率向上のために、休暇中にテレワークを行う「休暇型ワーケーション」を導入しました。

    「休暇明けのストレスや自分が休んでいる間にたまる業務が嫌で長期休暇が取りづらい」「帰省先でテレワークをしたい」という声が社員からあがり、有給取得を促進するためにもワーケーションを導入しよう、という思いが背景にあったようです。

    <日本航空株式会社のワーケーションの特徴>

    • 予定の半分以上が休暇であることが前提となっている
    • 前日までに所属長に申請し、承認を得るシステム
    • 上司への勤務時間や場所の報告は義務化されている
    • ワーケーションの日数は週2日までである
    • 場合によっては、半日・時間単位の利用も可能 

    あくまで休暇の間に仕事をするという位置づけのため、交通費や宿泊費は社員が負担することになっているようですが、ワーケーション期間中は業務時間よりも休暇時間が長くなるように工夫されているといいます。

    そしてその結果として、社員の有給取得率アップモチベーションの向上にもつながったようです。

    ※参考:観光庁「導入事例:日本航空株式会社」

    ユニリーバ・ジャパンによる「地域 de WAA」

    ヘアケア商品や洗剤などの製造を行う「ユニリーバ・ジャパン」は、2016年に独自のワーケーション制度である「WAA」を取り入れました。

    「WAA」とは「Work from anywhere anytime」の略で、「いつでもどこでも仕事をする」という言葉のとおり、社員が自ら働く場所や時間を選ぶことができる多様な働き方を表しています。実際、カフェや自宅はもちろん、旅行や帰省の際にワーケーションを行うことが可能な制度があるようです。

    <ユニリーバ・ジャパンのワーケーションの特徴>

    • 5時から22時までの間で、「勤務」と「休憩」の時間を自由に決められる
    • 上司への申請を行えば、理由に関係なく会社以外の場所で働ける
    • 1日単位ではなく、1ヶ月の所定労働時間を設けている
    • 労働時間が足りない場合は、翌月に調整できる
    • ワーケーションの期間や日数に制限はない

    さらに、社員のワーケーション活用を促すため2019年には「地域 de WAA」を導入したといいます。この「地域 de WAA」とは、提携した8つの自治体にあるコワーキングスペースを、無料で利用できるという制度です。期間や日数は無制限で、朝5時から22時の間であれば、仕事時間や休憩時間を社員が自由に決められるといいます。

    この制度を導入してからは、社員のロイヤリティ向上業務におけるイノベーション創出につながったようです。

    ※参考:観光庁「導入事例:ユニリーバ・ジャパン」

    導入する際に検討いただきたい「Surf Office」

    ワーケーションの基本や導入のポイント、そして導入事例までご紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか。

    もし皆さまの会社でワーケーションの導入をご検討されているようでしたら、わたしたちパーソルワークスデザインが展開するワーケーション施設『Surf Office』を是非ご活用ください。

    『Surf Office』は、ヤシの木が立ち並ぶ宮崎県の海から徒歩1分。リラックスリゾート施設”STAIRS OF THE SEA”内にあるワークスペースです。東京からたったの3時間で、ヤシの木を眺めながらバケーションとワークをバランスよく体験いただけます。

    仕事環境としても、Wi-Fi環境はもちろんのこと、入退室管理や個人用のロッカーなどセキュアな設備も完備しています。また、オンラインミーティング用の「アバターロボット」や、音漏れしにくい「個別ブース」もご用意していますので、安心して業務に取り組むことが可能です。

    『Surf Office』では、3つのワーケーションプランをご用意しています。
    そのプランを含め、詳細を記したダウンロード資料もご提供しておりますので、ぜひ下記ページよりご確認くださいませ。

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