採用支援とは何なのか?
そもそも『採用支援』とは、企業が「求める人材を見つけ、採用する」までの一連のプロセスを後方から支援するサービスの総称です。
具体的には、「採用計画の策定」「求人広告の作成」「面接の実施」といった一連の採用プロセスを代行するサービスや、「採用コンサルティング」「採用担当者の教育」といったピンポイントのサービスまで多種多様に存在します。
自社のニーズに沿った採用支援サービスを見極めて活用すれば、企業は採用活動を効率化することができ、採用担当者の業務負担を軽減することができるでしょう。
採用支援の具体的な内容とは
採用支援の具体的な内容とは
一括りに『採用支援』といっても、具体的な支援範囲やアプローチ方法は多岐にわたります。自社の採用目標を明確化したうえで、どのような採用支援が必要なのかを考えることが重要になります。採用支援を利用する際には、はじめに自社が「どのようなターゲットを採用したいのか」を明確にしておきましょう。
企業の採用区分は、「新卒採用」「中途採用」「アルバイト・パート採用」の3つに大きく分類できます。採用の目的や背景によって、どの区分をターゲットにするべきなのかは異なるでしょう。
ここでは、これら3つの採用区分における採用支援について、それぞれ詳しく紹介していきましょう。
1. 新卒採用支援
新卒採用支援とは、企業が新卒者つまり学生を対象とした採用活動を行う際に、一連の採用プロセスを支援するサービスの総称です。
新卒人材を対象とした採用活動は、経験者採用とは異なる目的があります。新卒人材は職務経験がありませんので、潜在能力や適性を見極めるための評価基準や面接ノウハウが必要なのです。
また、新卒者はキャリア形成の初期段階にいるため、企業は彼らの成長を支援するとともに、長期的に活躍できるような育成プログラムを用意する必要があります。具体的に「新卒採用支援サービス」には、新卒者採用の特性を踏まえた採用計画の策定、求人広告の作成、面接の実施、育成プログラムの設計などが含まれます。
さらに、新卒者採用に関するコンサルティングや、採用担当者を対象とした研修・育成を実施するケースもあります。これらのサービスを有効活用すれば、企業は新卒採用の効率化と質の向上が可能になるでしょう。
2. 中途採用支援
2. 中途採用支援
中途採用支援とは、職務経験者を対象とした採用活動を支援するサービスを指します。
中途採用は新卒採用とは異なり、求職者の職務経験や即戦力となるスキルを評価することが重要になります。また、求職者が現在の職場を離れる理由や、新たな職場で何を求めているのかを理解する必要もあるでしょう。
「中途採用支援サービス」には、中途採用の目標達成に向けた採用戦略の立案、求人広告配信、面接代行などが含まれます。また、新卒採用支援と同様に、中途採用に関するコンサルティングや採用担当者の教育を実施している専門業者も多く存在します。
3. アルバイト・パート採用支援
アルバイト・パート採用支援とは、企業がアルバイトやパートタイムの従業員を採用するためのサービスです。
アルバイトやパートタイムの人材を探している企業は、フルタイムの正社員を採用する場合とは異なるニーズを抱えています。例えば、短期間の雇用を想定している、もしくは不定期で単発のシフトを任せたい、などの事情が考えられるでしょう。
また、アルバイトやパートタイムは、接客や在庫管理など、業務の一部に特化して担当するケースが多いため、業務内容に適したスキルや経験を持つ人材を見つけることが重要です。
「アルバイト・パート採用支援サービス」には、採用計画立案、求人広告運用、面接代行などのサポートが含まれるでしょう。
採用支援で重要になるポイントとは
採用支援サービスを導入する際、特に重要なポイントとしては次の2つが挙げられます。
ポイント(1)どのような採用課題を解決したいのか
ポイント(2)無理のない予算の範囲内で利用できるか
ここでは、特に初めて採用支援サービスの利用を検討している企業に向けて、サービス選びに失敗しないために知っておきたいポイントを解説していきます。
ポイント(1)どのような採用課題を解決したいのか
ポイント(1)どのような採用課題を解決したいのか
採用支援を利用する際の重要なポイントの一つは、自社が抱えている採用課題を正しく認識することです。
採用活動において、企業が直面する課題は多岐にわたります。例えば、求める人材を見つけられない、採用プロセスが効率的でない、採用担当者の業務負担が大きい、新入社員の定着率が低い、などがあるでしょう。
実際に企業が抱える課題は、企業規模や業界、業種、採用する人材の種類によって大きく異なります。ですから、採用支援サービスを選定する際には、自社が抱える採用課題を明らかにしたうえで、「どのようなサービスを導入すればその課題が解決できるか」を言語化することです。
必要な支援内容が明確になれば、さまざまな採用支援サービスを比較検討するなかで、自社のニーズをできる限りカバーするサービスを見つけやすくなるはずです。
ポイント(2)無理のない予算の範囲内で利用できるか
ポイント(2)無理のない予算の範囲内で利用できるか
採用支援サービスを選ぶうえでは、無理のない範囲での予算設計も重要です。
採用支援は提供元企業やサービス内容によって、導入費用が大きく変動します。企業にとって採用活動費用は重要な先行投資となるため、自社の成長に寄与するような先行投資先を見極めなければなりません。
一方、企業が採用活動に割ける予算は常に限られています。ですから、複数の採用支援サービスを比較する際は、サービスごとの費用対効果を正しく分析し、自社の予算に合ったサービスを選ぶことが重要です。
特に、サービスの価格だけにフォーカスするのではなく、その採用支援を利用することで得られる効果や長期的なROI(投資対効果)を考慮する必要があるでしょう。
採用支援サービスの主な種類
続いて採用支援サービスの種類を説明していきましょう。世の中に存在する「採用支援サービス」は、大きく次の6種類に分けられます。
種類(1)人材紹介サービス
種類(2)人材派遣サービス
種類(3)求人広告媒体
種類(4)採用コンサルティング
種類(5)研修・育成サービス
種類(6)採用代行・アウトソーシング(RPO)
ここでは、それぞれの概要とサービス内容を見ていきます。正しく理解して、自社の採用ニーズに合致するかどうかを検討しましょう。
種類(1)人材紹介サービス
種類(1)人材紹介サービス
人材紹介サービスは、企業と求職者をマッチングさせるサービスです。企業が人材に求めるスキルや経験、また求職者が企業に求める職種や条件の両方を詳しくヒアリングしたうえで、最適なマッチングをサポートします。
人材紹介サービスのメリットは、求人広告など他の採用支援と異なり、基本的に成果報酬制度が採用されている点です。求職者の内定承諾が決定した時点ではじめて費用が発生するため、採用に直結する費用しか掛かりません。
また、人材紹介サービスは、企業と求職者双方のニーズを理解したうえでマッチングを行うため、採用後の定着率も高いとされています。
さらに、企業が求める人材が採用市場に少ない場合、つまり「特定のスキルを持つ希少人材を探している」といった場合にも柔軟に対応できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
種類(2)人材派遣サービス
種類(2)人材派遣サービス
人材派遣サービスは、派遣会社に在籍している人材を企業に一定期間派遣するサービスです。
人材派遣サービスの大きなメリットは、企業が人材を直接雇用することなく、必要な期間だけ人材を利用できる点にあります。繁忙期や閑散期など、業務量の増減に応じて人員を柔軟に調整できるため、人件費の最適化が可能です。
また、人材の採用や管理は派遣会社が行うため、企業の人事業務負担も軽減されます。
種類(3)求人広告媒体
種類(3)求人広告媒体
求人広告媒体は、企業の求人情報を広く公開し、多くの求職者がアクセスできるようにするサービスです。求人広告にはバイト情報誌のような紙媒体もありますが、近年ではインターネット上のWebサイトに求人情報を掲載するケースが一般的でしょう。
求人広告媒体は、不特定多数の求職者に対して効率的に求人情報を訴求できるのが大きなメリットです。多種多様なバックグラウンドを持つ求職者から一斉に応募を集められるため、採用ターゲットの幅を広げられます。
また、求人広告媒体は、自社の魅力や競合優位性、企業努力、風土などをアピールするための広告手法としても活用可能です。求人広告を通じて自社のビジョンや業務環境を多くの求職者に伝えることで、自社の活動に共感する求職者を惹きつけることができます。
さらに、求人広告媒体は求職者の反応をデータ化して管理できるため、客観的な数値に基づいてPDCAを回して採用活動を改善できる点もメリットといえるでしょう。
種類(4)研修・育成サービス
種類(4)研修・育成サービス
研修・育成サービスは、新入社員や現職の社員のスキルアップを通じて、企業の人材開発を促進するサービスです。具体的には、新入社員研修、リーダーシップ研修、専門スキル研修などの手法があり、企業のニーズに合わせた研修プログラムを選べます。
研修・育成サービスは社員のキャリアパスを設計してキャリア形成をサポートする役割も果たし、社員のモチベーション向上や定着率の向上にも貢献するのが特徴です。
種類(5)採用コンサルティング
種類(5)採用コンサルティング
採用コンサルティングは、採用戦略の策定から実行、評価まで一貫して支援するサービスです。
コンサルティング事業者は、ここまでに紹介した人材紹介や人材派遣、求人広告、研修・育成などあらゆる採用アプローチを熟知しています。そのうえで、依頼元のクライアント企業が抱えているニーズに基づいて、どのアプローチをどのように実施すればどの程度の費用対効果が期待できるのかを分析・提案します。そのため、採用コンサルティングには採用活動全般に関して幅広く、かつ専門的な知見が求められるといえるでしょう。
採用コンサルティングを利用する最大のメリットは、自社の採用活動を専門的な視点から最適化できる点です。
コンサルタントは自社の事業戦略や組織文化を理解したうえで、採用プロセスの効率化や求人広告の改善、採用担当者の教育など、採用活動の各プロセスにおける改善提案を行います。ですから、コンサルティングを利用することで企業は採用の質と効率を同時に向上できるのです。
種類(6)採用代行・アウトソーシング(RPO)
種類(6)採用代行・アウトソーシング(RPO)
採用代行・アウトソーシング(RPO……Recruitment Process Outsourcing)は、企業の採用活動全体または一部を外部の専門機関に委託するサービスです。
採用代行・アウトソーシングを利用すれば、これまで採用活動に割かれていた業務リソースが節約できるため、企業は自社のコア業務に集中しやすくなります。
例えば、求人票の作成や求人広告の入稿業務、応募者への連絡対応、面接のスケジューリング、採用後の書類手続きなど、採用に関する煩雑な業務をアウトソーシングするケースが一般的です。
これらの業務には膨大な時間と労力が掛かるにもかかわらず、採用活動の成否に与える影響力はそこまで大きくありません。
採用代行・アウトソーシングを導入すればこれらの業務負担が削減され、企業は採用ターゲットの見直しや採用戦略の策定、面接対応、内定者フォローなど、採用活動の根幹を成す業務に専念できるはずです。
さらに、採用代行・アウトソーシング事業者によっては、企業の採用活動を第三者の視点から評価し、改善のためのフィードバックを提供してもらえるケースもあるでしょう。
※「RPO」について詳細を知りたい方は下記のコラムも併せてご参照ください
RPOとは?採用代行を委託できる業務範囲や導入するべき企業、メリットを解説
採用支援サービスを選定する際のポイント
自社に合った採用支援サービスを選び抜くためにも、サービス導入前には次の3つのポイントに留意しましょう。
ポイント(1)自社の採用課題や採用ターゲットに合っているか
ポイント(2)高い費用対効果を得られるか
ポイント(3)導入実績や支援実績が豊富なサービスか
それぞれのポイントについて、解説していきます。
ポイント(1)自社の採用課題や採用ターゲットに合っているか
ポイント(1)自社の採用課題や採用ターゲットに合っているか
採用支援サービスを導入する際は、自社の採用課題や採用ターゲットに適したサービスかどうかを確認することが重要です。
企業の採用課題は多種多様で、新卒採用、中途採用、アルバイト・パート採用など、採用のターゲットによってもニーズは異なります。例えば、新卒採用を重視する企業であれば、新卒採用に特化したサービスを提供している採用支援サービスを選ぶと良いでしょう。
もし採用課題が多岐にわたる場合には、複数の課題を一度に解決できる総合的な採用支援サービスを選ぶと効果的です。
自社の採用課題や採用ターゲットを明確にし、それに合った採用支援サービスを選定することで、採用活動の効率化と質の向上を実現できるはずです。
ポイント(2)高い投資対効果を得られるか
ポイント(2)高い投資対効果を得られるか
複数の採用支援サービスを選ぶうえで参考になるのが、サービスごとの投資対効果です。
採用活動は企業にとって大きな投資であるため、高い投資対効果が期待できるサービスを見極める必要があります。例えば、求人広告媒体は掲載前に費用が発生します。ただ、求人広告を掲載した結果として1名も採用に至らなかった場合でも、投資した費用は戻りません。
一方、採用代行・アウトソーシングでは外注する業務内容をあらかじめ設定できます。ですから、従来に比べて採用業務がどのくらい効率化されるかがイメージしやすく、確実に投資対効果が得やすいサービスといえるでしょう。
初めて採用支援を利用する場合は、費用対効果の高い採用支援サービスから利用すると良いかもしれません。
ポイント(3)導入実績や支援実績が豊富なサービスか
ポイント(3)導入実績や支援実績が豊富なサービスか
採用支援サービスの導入実績や支援実績は、そのサービスの信頼性や実績を示す重要な指標です。そのサービスが自社と同じ採用規模の企業や同じ業界の競合他社に導入されているか、また、その結果としてどの程度の効果が得られているかも重要な評価ポイントになるのです。
多くの採用支援サービスは無料で資料請求ができるほか、業者に問い合わせれば詳しい資料を用いた提案を受けることもできるでしょう。
自社とよく似た業種への支援実績が多いサービスを導入すれば、より確実に導入効果を得られるはずです。
採用のアウトソーシングならパーソルビジネスプロセスデザインへ
本記事では、採用支援とは何かを解説したうえで、具体的な支援内容や採用支援サービスの選定ポイントについてご紹介してきました。
人材不足が各企業で深刻化するなか、採用活動の品質向上は喫緊の課題となっています。自社にフィットする人物を探し出すうえで、外部のプロの手を借りることは有効な手段といえるでしょう。もし「採用」に関してなにかお困りごとがありましたら、私たちパーソルビジネスプロセスデザインへお任せください。
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