運用型求人広告とは?仕組みやメリット、書き方や注意点まで徹底解説

運用型求人広告とは?仕組みやメリット、書き方や注意点まで徹底解説

“売り手市場”と呼ばれる採用マーケットのなかで、人材採用に課題を持つ企業は増えています。そのため、「採用手法を増やしていかなければ」「これまでとは異なる層にもアプローチを仕掛けなければ」と考える人事担当者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、採用手法のひとつである『運用型求人広告』について取り上げていきます。具体的には、運用型求人広告の仕組みやメリット、広告を制作するうえで押さえておくべきポイントなどについて解説してまいります。

既存の採用手法に『運用型求人広告』を取り入れるきっかけになるはずですので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

目次

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    運用型求人広告とは?

    運用型求人広告とは、設定したターゲットに対し自社の求人広告を訴求するWeb広告のことを指します。広告の表示回数やクリック数などの効果測定を行いながら運用の精度を高めていくのが特徴です。

    一般的な求人広告は、契約時に掲載する記事内容・期間・料金などのプランを決定します。記事内容の修正回数には限度があり、基本的にはプランの変更はできません。つまり「初めにどのような内容で掲載するのか」が非常に重要になります。

    一方で運用型求人広告は、掲載後であっても記事内容・期間・料金を柔軟に修正することが可能で、「まずは運用してみる」という方法を取ることができます。トライアンドエラーを繰り返しながら、中長期の視点で継続的な採用成功の実現を目指していくことができるのです。

    運用型求人広告の仕組みとは

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    では次に、運用型求人広告の仕組みについて「押さえておくべきポイント」を2つ挙げながら詳しく解説していきましょう。

    ポイント(1)費用が発生するタイミング

    運用型求人広告の費用が発生するタイミングは、「クリック」「インプレッション」「広告視聴」という3つが挙げられます。この3つは、自社の利用目的に応じて使い分けをする必要があります。

    まず、「クリック」のタイミングについては、求職者が自社の記事をクリックしたときに、あらかじめ設定しておいた金額を支払うことになります。自社の求人に興味を持っているターゲットの行動を促す際に効果的です。

    2つ目の「インプレッション」のタイミングは、自社の広告が表示された回数によって金額が決まります。求職者が記事をクリックしていなくても、画面に表示された回数が算出基準となりますので注意が必要です。「目に触れる機会を増やす」「自社の認知度を高める」などの目的に適しています。

    3つ目の「広告視聴」のタイミングは、自社が掲載している動画を求職者が視聴した場合に料金が発生します。文章だけでは伝わりづらい場合など、映像による訴求で自社の魅力を詳しく伝えることが可能です。

    ポイント(2)広告掲載順位の決定方法

    求人広告だけに限らず、運用型広告はすべて『オークション』という選定方法によって、広告ランクが高い記事から順に上位表示される仕組みになっています。

    オークションとは、検索結果画面に表示する広告を選定し順位を決定するもので、その基準となるのが『広告ランク』です。広告ランクは、クリックやインプレッション時の「設定金額」と「品質」を掛け合わせて決定します。

    例えば、高い金額を設定していても品質が低ければ上位表示は困難になります。実際に、以下の一例をご覧いただくとわかりますが、このなかでは設定金額が低くても品質が高めに位置しているA記事が上位表示されることになります。

    【記事A】設定金額:500円 品質:6 広告ランク(金額×品質):3,000
    【記事B】設定金額:700円 品質:4 広告ランク(金額×品質):2,800
    【記事C】設定金額:300円 品質:7 広告ランク(金額×品質):2,100

    上位表示されることで、運用型求人広告においては求職者の応募につながる可能性が高くなります。採用予算が潤沢でないとしても、記事の品質を高めて広告ランクを上げることができれば、多くのターゲットに訴求できる可能性があるのです。

    運用型求人広告のメリット

    運用型求人広告の仕組みについて説明してきましたが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。続いては、運用型求人広告のメリットについて3つを挙げて解説します。

    メリット(1)ターゲットに対する訴求が可能

    運用型求人広告では、求職者の居住地域・年齢・検索キーワードといった情報をベースに、広告を配信する対象者の選定をすることができます。

    ですから、「採用したいと考えている人材像」を明確にできれば、より高い精度でターゲットに求人広告が配信でき、結果につながりやすくなります。

    メリット(2)PDCAを回すことができる

    前述した通り、運用型求人広告は期間や修正回数に制限はなく、柔軟に広告内容を修正することが可能です。修正することができれば効果の測定がしやすくなり、「適切なターゲットに広告が配信できていない」「応募者が求めている要件と異なっている」などの状況が把握しやすくなります。

    初めに設定した内容でいきなり高い効果を期待するのではなく、運用していくなかで修正を図りながら、PDCAサイクルを回して徐々に効果を高めていくことができるのです。

    また、運用を続けていくなかで蓄積されたノウハウは、他の求人を出す場合にも役立てることが可能になりますので、自社の採用力が高まっていくことにもつながるでしょう。

    メリット(3)採用予算が潤沢な企業とも競争できる

    求人広告が掲載される順位は非常に重要な要素になります。上位表示されることで多くの人の目にとまり、興味を持ってもらえる可能性が高くなるわけです。

    しかし、一般的な求人広告では検索結果の上位に表示されるのは「料金が高いプラン」であるケースが多く、採用予算に限りがある企業は上位表示させることが難しい現状があります。

    一方、運用型求人広告は金額と品質の掛け合わせです。多くの予算を投下できないとしても、品質でカバーすることにより潤沢な採用予算を持った企業より広告を上位表示させることは可能になるのです。

    運用型求人広告の注意点・デメリット

    運用型求人広告については、デメリットも把握しておくことが重要です。ここでは2つのデメリットを挙げて解説していきます。

    デメリット(1)担当者の負担が増える

    運用型求人広告では、求人広告の掲載がスタートした後も常に分析し、必要に応じてターゲットや予算設定を調整する「運用」の手間をかける必要があります。

    紙媒体や掲載課金型の求人広告は“掲載”が1つのゴールですが、運用型求人広告において掲載はスタートに過ぎません。掲載したまま放置し運用を怠ってしまうと、採用目標の達成が難しくなるのです。

    運用型求人広告を運用していくには、それなりの手間が必要です。業務面の工数を捻出するのが難しい場合には、RPO(採用プロセスアウトソーシング)企業など、外部の採用のプロに運用を依頼することも検討すると良いでしょう。

    デメリット(2)専門的なノウハウが必要になる

    運用型求人広告を適切に運用するには、どうしても「専門的なノウハウ」が求められます。ノウハウを持たないまま取り組んでしまうと、効果が出にくいだけでなく状況が悪化してしまうことにもつながりかねません。

    「専門的なノウハウ」というのは具体的に、効果分析におけるデータの扱い方やターゲットの設定方法予算設定のコツなど多岐にわたります。

    広告の成果に影響を及ぼすクリエイティブの面でも、採用ターゲット層から好感を得やすく、なおかつ目的達成につながる文章やバナー画像、動画などを企画・制作しなければなりません。

    こういったノウハウは一朝一夕で蓄積できるものではありませんので、前述と同様で「外部の採用のプロ」に運用を依頼することを検討しても良いでしょう。

    求人に使える運用型広告の種類

    では次に、運用型求人広告の種類を見ていきましょう。主な運用型求人広告には、以下の4種類があります。

    • リスティング広告
    • ディスプレイ広告
    • SNS広告
    • 動画広告

    それぞれ順に詳しく解説しましょう。

    (1)リスティング広告

    「検索連動型広告」とも呼ばれるのがリスティング広告で、検索キーワードに応じて検索結果とあわせて表示される広告を指します。

    GoogleとYahoo!の検索エンジンを活用するのが主流ですが、例えば検索窓で「経理 求人」と入力した際、検索結果に“スポンサー”と書かれている部分が出たら、それがリスティング広告です。

    この場合、経理という職種に興味を持っていると考えられるユーザーに対して自社の求人広告を配信できますので、転職に前向きな層へと訴求できる可能性があるわけです。

    (2)ディスプレイ広告

    Webサイトの広告枠に掲載されるのがディスプレイ広告で、画像や動画、テキスト形式で表示されます。

    リスティング広告が検索キーワードを基にした顕在層へのアプローチであるのに対し、ディスプレイ広告は潜在層へアプローチすることも可能な広告です。

    「良い求人があれば」程度に考えている層に対し、画像や動画など視覚に訴えかけるメッセージでわかりやすく訴求できるのは、ディスプレイ広告の大きな特徴といえるでしょう。

    (3)SNS広告

    昨今では多くの人がSNSを使っていますが、そのSNS上にも広告を出すことができます。SNSは登録ユーザーの「基本情報」や「興味のあるコンテンツ」について具体的な傾向を把握することができますので、効果的な広告配信が可能です。

    配信場所として、さまざまな情報が流れるタイムライン上をはじめ、X(旧Twitter)であればトレンドタブ、LINEであればトークページの最上部など、よく目に触れる箇所に出すことができます。

    ユーザーの利用頻度の高いアプリ内で目に触れる機会をつくり出すことで、ユーザーの記憶に残りやすくなるはずです。ただし、年齢層が上がるにつれSNSの利用率も低下する傾向がありますので、若年層の採用に向いているといえるでしょう。

    (4)動画広告

    ユーザーがYouTube動画を視聴した際に挿入されるのが動画広告です。YouTubeだけでなく、動画広告としてはLINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagramなどでも配信が出来ます。

    動画による広告はユーザーの視覚と聴覚に訴えかけることができるため、提供できる情報量が多く、記憶に残りやすいのが特徴です。

    一方で、動画のクオリティが広告の成果に結びつく点には注意が必要です。また、一定時間が過ぎるとスキップボタンが表示されるものもありますので、視聴者の興味を惹くための構成もしっかりと検討しなければなりません。

    求人広告を書く際のポイント

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    次に、求人広告を書く際に押さえておきたいポイントを5つ挙げて解説しましょう。

    ポイント(1)募集背景を記載する

    求職者は、募集背景の内容を応募検討の材料にするケースが多々あります。「その会社がどのような理由で求人を出しているのか」を知ることで、企業の置かれている状況を想像し、自分にとってどういったメリットがあるのかを考えているのです。

    例えば、募集背景が『新設部署立ち上げに伴う人員補充』であれば、「これから積極的な事業展開を推進していく挑戦的な企業」であるとか、募集背景が『既存部署の組織拡大』であれば、「業績が好調」であるなど、前向きなメッセージとして捉えられるでしょう。

    「自社がなぜ募集をしているのか」を詳しく記載することは、求職者に判断材料をしっかり提供することにつながりますので、詳しく記載するようにしましょう。

    ポイント(2)将来的な自社の事業内容を記載する

    「いま何をしている企業なのか」はもちろんですが、「今後どのような事業を行っていくのか」についても可能な範囲で記載するようにしましょう。

    求職者の多くは、求人内容から事業の将来性を確認しています。昨今の『DX』に代表される高度なIT化や『生成AI』のような先端テクノロジーのように、変化の激しいビジネス環境のなかで「継続的な成長が可能な企業なのか」をイメージしているのです。

    ですから、今後に向けた取り組みや、既存事業の継続的な発展につながるメッセージを積極的に記載し、成長余地を感じてもらうことを心掛けましょう。

    ポイント(3)求職者に任せたい仕事内容・期待を記載する

    求職者が転職を考えるうえで、入社後のイメージを持てるかどうかは重要です。求人内容に「具体的な仕事内容」や「どのような経験を求めているのか」が明確に記載されていない場合、応募してもらうのは困難だといえます。しっかりと言語化して、求職者に伝えるようにしましょう。

    自社の組織や業務の課題とあわせて「何をしてほしいのか」「あるべき姿はどのようなものか」を詳しく記載することで、求職者がその会社ではたらくイメージを描くことができ、応募を検討する際の前向きな材料にもなるのです。

    ポイント(4)社員インタビューの内容を記載する

    自社に中途入社した社員に対して「以前はどのような仕事をしていたのか」「なぜ自社に入社したのか」といった点をインタビューして記事としてまとめることで、同様の人材を採用する際に効果的なメッセージになります。

    また、求職者にとってはどのような人が働いているのかを知るきっかけになりますので、入社後のイメージ醸成にもつながるはずです。

    ポイント(5)自社独自のアピールポイントを明確にする

    同業他社がどのようなメッセージを発信しているのかを把握し、適切なアピールポイントを打ち出す必要があります。

    その際に重要なのは、「自社が外からどのように見えているのか」という視点です。自社の見え方を考慮したうえで適切な内容を発信しなければ、求職者に訴求できるメッセージにはならないでしょう。

    しかし、自社で働いている期間が長いほど、外部からの視点を持つことは難しくなるものです。そういった場合は、採用に特化した外部のプロの視点を取り入れると良いでしょう。

    さまざまな企業の採用を支援しているRPO(採用プロセスアウトソーシング)企業に依頼することで、これまで気づかなかった自社のアピールポイントが明確になる可能性は高まるはずです。

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