新卒採用と中途採用の成功に必要なこととは?パターン別に解説

新卒採用と中途採用の成功に必要なこととは?パターン別に解説

近年、人材不足が深刻化するなか、企業に求められるようになってきたのは「採用活動の効率化」です。特に自社と相性の良さそうな人物を短期間で発掘し、雇用契約を結ぶためには、一度採用業務の見直しを進める必要があるでしょう。

今回は、そんな採用活動を成功に導くためのポイントについて、新卒採用と中途採用の両方のパターン別にご紹介します。

目次

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    採用が失敗に終わる理由

    そもそも採用活動が失敗に終わるというのは、どういったケースを指すのでしょうか。ここでは、主な採用活動の失敗パターンと、採用活動が失敗に終わる主な要因について、それぞれ解説していきます。

    十分な応募者を集められない

    1つ目の失敗のパターンは、十分な応募者を集められず、母集団形成がうまくいかないというものです。

    優秀な人材を探し出すうえで、やはり大切になるのはどれだけ母数を集め、そこから自社と相性の良さそうな人物をピックアップできるかです。採用目標が10人でありながら、実際に応募があったのは15人程度しかいないとなれば、「自社と相性が悪そうな人物であっても、やむをえず採用しなければならない」といった状況に陥ってしまいます。

    このような「応募者数の問題」を抱えている企業の多くは、そもそも採用活動の現場で企業の存在をアピールできていないことが問題として挙げられます。求人広告を効果的に活用するなどして、まずは「採用活動を行っていること」を広く知ってもらうところから始める必要があるでしょう。

    また、“自社ではどのような人材を求めているのか”という、いわゆる『ペルソナ』が固まっておらず、応募者の側でも「ここは自分が応募すべき会社なのか?」という疑問を払拭できない問題も起こりえます。
    欲しい人材が「ぜひ応募したい」と思うような広告や、価値観などの情報発信に力を入れ、応募者の増加に努めることが求められます。

    応募者に会社の魅力やニーズが伝わっていない

    2つ目の失敗パターンは、応募者に会社の魅力やニーズが伝わっていないという問題です。実際に多くの応募者を集めることに成功したのは良いものの、選考過程で応募者が離れてしまうこともありますし、自社で求めているような応募者のスキルセットや応募者の魅力をうまく聞き出すことができずに、人材選びが難航してしまうパターンもあります。

    「優秀な人材」というのをどう捉えるかは難しいものです。“売り手市場”となっている近年において、いわゆる能力のある人材は他の企業もその力を求めているため、応募者はより自分と相性の良さそうな会社や、能力が発揮できそうな会社へと流れやすくなっている状況にあります。

    自社の魅力が十分に応募者に伝わっていないと、例え相性は良いと思われる人物だったとしても、向こうにはそのことが伝わっておらず、選考から離れてしまうことになります。

    選考過程においては応募者の能力や人格を見極めるためにフラットな評価を下すことが大切ですが、だからといって応募者に無関心な態度を見せてしまうのはよくありません。面接を実施する際にはきちんと面接官が応募者と向き合い、真剣にコミュニケーションをとることで、お互いの相性やニーズをしっかりと確認していくことが大切になるでしょう。

    ミスマッチや内定辞退が頻発する

    3つ目の失敗パターンは、ミスマッチや内定辞退が頻発するというものです。せっかく優秀そうな人材を見つけられたのにもかかわらず、会社と相性が合わず短期間で退職してしまったり、内定を辞退してしまったりといったケースが各社で見られます。

    このような失敗のパターンが発生する主な原因は、やはり選考過程にあることがほとんどです。選考基準が面接官に属人化されていて、面接官の印象だけで採用・不採用を決めてしまっていると、問題が起こりやすくなるものです。偏った人材が集まってしまうことになりますし、面接官の印象や話していた内容と会社にギャップがありすぎて、短期間で辞職してしまうといった問題も相次いで起きるかもしれません。

    また、能力一辺倒の採用にこだわってしまい、長期的に働いてもらえるような性格かどうかという点を見逃してしまっていることも、ミスマッチを生んでしまう主な要因といえます。

    これらの問題が頻発する場合、一度選考プロセスを抜本的に見直して、新しいアプローチを最初から構築しなおすことが重要になってくるでしょう。

    採用を成功させるためのポイント

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    採用を成功に導くうえでは、採用の目的や欲しい人材のニーズに合わせた取り組みを実行する必要があるでしょう。先ほどとは逆になりますが、改めて「成功につながる採用のポイント」について、解説してみましょう。

    採用コンセプトを見直す

    1つ目のポイントは、採用コンセプトの見直しです。
    採用活動を成功させるためには、まず目的と目標を明確にすることが重要です。具体的な目標を設定し、それを達成するための方針や戦略を立てましょう。

    例えば、目標を「優秀な人材を確保すること」とした場合、そのための戦略としては、採用方法の見直しや応募者へのアプローチ方法の改善、社内環境の充実などが考えられます。

    どのような人材を自社では求めているのか、どんなスキルが会社に不足しているのか、どのような文化を育んでいて、何を変える必要があるのかなど、現状での採用コンセプトを分析し、見直すところに力を入れていきましょう。

    採用手段を多様化させる

    2つ目のポイントは、採用手段の多様化です。
    採用活動の成功には、多様な採用手段を活用することが重要です。例えば、求人広告、採用イベント、SNS、人材紹介会社など、複数の手段を組み合わせて活動することで、幅広い人材層にアプローチすることができます。
    さらに、現在はオンラインでの採用活動が主流となっています。遠隔面接やオンラインイベントなど、新たな手法を取り入れることも検討しましょう。

    インターン制度や知り合いの紹介制度なども有効です。採用活動に多様性をもたらすことで、まさに多様な人材と接触する機会を増やすことができるのです。そうすることで、ニーズに合った人材の獲得をしやすくなるといえるでしょう。

    採用活動へ全社的に取り組む

    3つ目のポイントは、採用活動へ全社的に取り組む必要がある点です。
    採用活動は採用担当者だけの仕事ではありません。「ゆくゆくは自分の部門にやってくる人材」を発掘するプロセスでもあるわけです。ですから、採用活動の社内認知を高める必要もあるでしょう。

    例えば、自社で優れた成果を挙げている営業部門のトップを採用担当に配置したり、面接や面談に各部門から担当者を配置したりと、多様な意見を取り入れることのできる仕組みづくりを進めてみるのも良いでしょう。

    企業の魅力を的確に伝える

    4つ目のポイントは、応募者に企業の魅力を的確に伝えることです。
    応募者は自分が働く会社に対して興味や魅力を抱く必要があります。そのためには、企業のメッセージを明確にし、それを応募者に伝える手段を工夫しましょう。

    具体的な手法としては、企業のウェブサイトやSNSを活用した情報発信、社員の声を取り入れた採用ブログやインタビューなどがあります。魅力的なストーリーテリングやビジュアルコンテンツを活用することも効果的です。

    選考プロセスを改善する

    5つ目のポイントは、選考プロセスの改善です。
    選考プロセスをスムーズかつ公正な形にすることで、応募者のエンゲージメントを高めることができます。

    具体的な改善点としては、選考段階や面接時の質問内容を再検討し、応募者の能力や意欲を的確に把握するための評価基準を明確にすることが挙げられます。また、選考プロセスの迅速化や適切なフィードバックの提供も重要です。

    新卒採用の成功につながるアプローチ

    ここで、新卒採用において成果を挙げている主なアプローチを2つほどご紹介しましょう。

    ミートアップ

    『ミートアップ』は、企業の採用担当者と学生が直接コミュニケーションをとることのできる「懇親会」や「アクティビティ」を開催し、そこから有望そうな人材を確保していく、というものです。

    学生と企業が関係を深められるだけでなく、就活生の能力についても多面的に判断できるため、昨今では多くの企業で導入が進んでいます。

    ダイレクトリクルーティング

    『ダイレクトリクルーティング』は、企業が直接有望な学生にコンタクトをとり、「うちに来ませんか」とスカウトを行うものです。

    いわゆるヘッドハンティング方式の採用アプローチは、自社と相性の良さそうな人物を“一本釣り”で獲得できるだけでなく、1対1でのコミュニケーションを重ねることで、ミスマッチを回避することにもつながります。

    中途採用の成功につながるアプローチ

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    続いて「中途採用の成功につながる手法」ですが、主に以下の2つのアプローチが挙げられます。

    リファラル採用

    『リファラル採用』とは、自社社員から有望そうな人材に会社の魅力や文化を伝えてもらい、そのまま入社してもらう方法です。

    知人経由で紹介を受けられるので、お互いにある程度の接点を持った状態で接することができ、知り合いも勤めているということから、定着率も高くなりやすいのがメリットといえます。

    リファラル採用や社内制度の活用など、従業員の参加を促す仕組みを整えることが採用活動の成功につながります。社内コミュニケーションの活性化や報奨制度の導入などを通じて、従業員の参加意欲を高めましょう。

    自社採用サイト活用

    『自社採用サイト』を中途採用向けに活用し、求職者を募るのも1つの手段です。
    自社採用サイトは一般の求人媒体とは異なり、直接自社に興味のある人しか見にくることがないため、自社に対して強い関心を抱いているケースが多いのが特徴といえます。

    効果が出るまでに時間はかかるものの、自社サイトを通じて独自に強みを発信し、ミスマッチの少ない応募者を獲得するのに役立つはずです。

    新卒採用と中途採用の違いと対策

    新卒採用と中途採用は異なる要素があるため、それぞれに適した対策を行う必要があります。その違いや対策をご紹介しましょう。

    新卒採用の違いと対策

    新卒採用は、大学や短期大学を卒業したばかりの学生を対象としています。
    彼らには未経験者でも積極的に採用して成長させる機会がありますが、同時に他社への就職も競争相手になる可能性があります。
    それでは、新卒採用の違いと対策を確認しましょう。

    (1)キャリア形成の支援

    新卒採用者は、まだ社会人経験がなくキャリアを形成していく段階にあります。
    自社での成長やキャリアパスの選択肢を示すことで、彼らの入社意欲を高めることができます。
    具体的な研修プログラムやメンタリング制度なども導入することで、入社後の成長をサポートしましょう。

    (2)ブランド・企業価値のアピール

    新卒採用者は、まだ社会人経験がないため、企業のブランドや企業価値に対する認知が低い場合があります。
    自社の強みや魅力をアピールし、彼らに自社への興味を持ってもらいましょう。
    社内の取り組みや社員の声を積極的に発信することも有効です。

    (3)面接やインターンの活用

    新卒採用者は、自身の能力や適性をまだ十分に把握していないことが多いようです。
    面接やインターンシップを通じて、彼らの能力や意欲を把握することが重要です。実際の業務体験を提供することで、彼らの適性や自社へのフィット感を確認しましょう。

    中途採用と新卒採用の違いと対策のポイントを意識して採用活動を進めることで、より効果的な採用を実現することができるでしょう。

    中途採用の違いと対策

    中途採用は、既に社会人経験を積んでいる人材を対象としています。
    彼らには、求められるスキルや経験、キャリアのポテンシャルがありますが、同時に自分の就職先を選べる立場にあることも事実です。

    (1)応募動機や適性の確認

    中途採用者は、既に他社で働いていたり、自営業をしていたりと、自分自身に対して明確なキャリアビジョンを持っています。
    したがって、就職先に対する明確な応募動機と適性を確認することが重要です。面接や説明会を通じて、応募者の適性と求める人物像が一致しているかを確認しましょう。

    (2)社内文化とのマッチング

    中途採用者は、既に他社で働いた経験があるため、異なる企業文化や働き方に慣れています。
    自社の社内文化や働き方とのマッチングを確認することが重要です。採用活動のなかで、自社のビジョンや社風を伝え、志向性に合った方を選んでいきましょう。

    (3)高い給与や福利厚生の提供

    中途採用者は、既に社会人経験を積んでおり、市場価値を持っています。
    そのため、求められる給与や福利厚生なども高くなる傾向があります。競争力のある条件を提示し、優秀な中途採用者を引きつける工夫が必要です。

    採用戦略の分析と改善

    採用活動の成功には、戦略の立案と実施だけでなく、その後の分析と改善も欠かせません。採用戦略の効果を最大化するために、採用戦略を定期的に見直し、改善することが重要です。以下のポイントに注目しましょう。

    データ分析の活用

    採用活動においては、データ分析が重要な役割を果たします。
    採用手段ごとの応募数や内定率、採用後の定着率などのデータを収集・分析し、戦略の改善点を明確化しましょう。

    例えば、特定の求人媒体からの応募が多く、内定率も高いというデータがあれば、その媒体への投資を増やすことが戦略に反映されるかもしれません。

    進化する市場動向への対応

    採用環境や市場動向は常に変化しています。
    求職者のニーズや採用競争の激化など、外部環境の変化に敏感に対応する必要があります。定期的に市場調査や競合他社の動向の分析を行い、採用戦略を柔軟に調整していきましょう。

     従業員の声を活用

    従業員は企業の最大の資産であり、採用活動においても重要な存在です。
    採用された従業員のフィードバックを収集し、採用プロセスや面接の質問内容などの改善点を把握しましょう。
    従業員の意見を反映させることで、優秀な人材の獲得や定着率の向上につながる可能性があります。

    採用活動の成功には、常に変化する市場環境への対応と従業員の声の活用が重要です。
    最適な採用戦略を構築し、継続的な改善を行うことで、企業の成長に不可欠な人材を確保できるようになります。

    また、採用活動において総合人材会社との協力も有益です。
    専門家ならではの豊富な経験とノウハウを持ち、採用戦略の立案から実施、分析、改善までトータルでサポートしてくれます。

    特に、求人要件定義や募集施策の設計、データ分析などの専門知識を有しており、効果的な採用戦略立案に貢献できるでしょう。
    自社の採用活動を成功させ、優秀な人材を確保・定着させるためには、外部の専門家とのパートナーシップを築くこともぜひ検討してみてください。

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    採用を成功させるためのポイントや具体的なアプローチについて説明してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。自社に合った採用アプローチをどう選定して進めていくかという、『戦略立案』のところから重要になってくることがお分かりになったかと思います。

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