「プレゼンティーイズム・アブセンティーイズム」とはなにか

「プレゼンティーイズム・アブセンティーイズム」とはなにか

ここ数年、「プレゼンティーイズム」や「アブセンティーイズム」が問題視されつつあります。

プレゼンティーイズムは「健康の問題を抱えつつも仕事(業務)を行っている状態」を表す言葉であり、 アブセンティーイズムは「仕事を休業している状態」を表す言葉です。

厚生労働省保健局の「コラボヘルスガイドライン」によれば、プレゼンティーイズムによって生産性が低下し、コストが増大する”ということが明らかになっています。また、現在は問題がなくとも、将来的にアブセンティーイズムへとつながってしまう可能性は否めません。そのため、予防的な観点からも「プレゼンティーイズムへの対策」は非常に重要だといえるのです。

(参照:厚生労働省「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」

目次

    もっと見る▼

    体調不良で業務パフォーマンスが低下した場合の、損失額はいくら?

    プレゼンティーイズムによって業務パフォーマンスが低下した場合、どれだけ企業は損失を被ってしまうのでしょうか? 前述の「コラボヘルスガイドライン」によると、健康リスクに基づいて従業員を「低リスク群」「中リスク群」「高リスク群」の3つに分類したとき、「低リスク群」ではプレゼンティーイズムによる年間損失が約50万円、「中リスク群・高リスク群」ではプレゼンティーイズムによる年間損失が約70万円にのぼると推定されています。

    ちなみに3つの分類について、国内企業の70%は低リスク群、30%は中リスク群・高リスク群という結果に入るのだといいます。つまり、例として次のような試算ができます。

    例)1,000名の従業員を抱える企業の場合
    ・低リスク群……700(人)×50(万円)= 3億5,000万円の損失
    ・中・高リスク群……300(人)×70(万円)= 2億1,000万円の損失
    →合計で約5億6,000万円の損失

    この企業で、仮に「中リスク群・高リスク群」の200名が「低リスク群」へと改善された場合、年間の損失は約5億2,000万円となりますので、約4000万円のコスト削減ができるということになるわけです。

    プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの原因と対策は?

    presenteeism_image1.jpg

    では、私たちは何が原因でプレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの状態に陥ってしまうのでしょうか? アメリカの調査によりますと、次の10個の健康問題がプレゼンティーイズムによるパフォーマンス低下につながっていると報告されています。

    (1)アレルギー(2)関節炎(3)喘息(4)首や腰の痛み(5)呼吸系の疾患(6)うつ(7)糖尿病(8)偏頭痛(9)循環器系疾患(10)胃腸の疾患

    これらの健康問題が発生する要因としては、次のようなことが考えられます。

    • 食生活の偏り
    • 運動不足
    • 生活習慣の乱れ
    • 従業員自身の健康に対する意識が低い
    • 医療機関にかかろうとしない

    ですから、従業員の健康意識を高めて生活習慣の改善を促していくことで、ある程度プレゼンティーイズムを改善することはできるはずです。

    しかし、残業指示による睡眠時間の低下や、希望とは異なる時間帯での勤務など、企業側のアクションによる従業員への悪影響も忘れてはなりません。どこに要因があるかをしっかりと把握したうえで、従業員のプレゼンティーイズムに対する意識を高め、健康問題を解決するための教育をしていくことが必要になるのです。

    企業が目指すべきは、そういった健康経営への取り組みを進めることです。
    プレゼンティーイズムを減らしていくためには、健康診断による従業員の健康状態の把握・管理だけでなく、効果的な就労支援が必要になるのです。

    パーソルビジネスプロセスデザインのサービス紹介

    そういった健康経営への取り組みを始めたいけれども、「人的リソースがない」「ノウハウがない」「予算がない」といった理由で一歩を踏み出せずにいるご担当者様も多いのではないでしょうか。

    そのようなニーズを踏まえ、パーソルビジネスプロセスデザインでは健康経営を進めるうえで取り組むべき項目について様々な支援を行っています。

    パーソルグループに蓄積する豊富なノウハウを活かし、企業の健康経営をきめ細やかにサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

    pwdbanner-wp-stresscare

    このページをシェアする

    • Xシェアボタン
    • Facebookシェアボタン
    • Linkedinシェアボタン