新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)とは
ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)を新卒向けに行うものであり、一言でいうならば「就活生の“一本釣り”」です。
従来の採用活動においては、企業が受け身となって多数の応募者から有望そうな人材をピックアップする方法が一般的でした。
しかしダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)においては、企業の採用担当者が就活中の学生、あるいは将来の就職先を探している学生に向けて直接コンタクトを取ります。そうして彼らのポテンシャルを確認するなど関係値を高めて、自社に招き入れよう、というものです。
芸能界のようにタレントを市場から直接的に発掘して自社で受け入れるこの方法は、企業が主体となって人材確保に動くため、これまでの採用活動とは非常に対照的であることがわかります。
新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)の4つのメリット
新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)は多くのメリットが期待できるため、大企業を含め有望なスタートアップでも積極的に導入が進んでいます。ここでは、4つのメリットをとりあげて解説していきます。
有望な人材に直接アプローチできる
1つ目のメリットは、有望な人材へのアプローチが容易になることです。従来の受身の採用活動の場合、応募者の中から有望そうな人材を探しますので、「選択肢の中から選ぶ」という形で人材を発掘しなければなりませんでした。
星の数ほど就活生がいるのならそれが最適解だったのかもしれませんが、売り手市場となっている今では必ずしも応募者の中に有望な人材がいるとは限りません。そこで、ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)によって企業が自ら自社のニーズに合う人材を発掘し、声をかけるようにすることで、効率的かつ確実に欲しい人材を確保することができるようになるのです。
ミスマッチを防止できる
2つ目のメリットはミスマッチを防止できる点です。採用コストの圧迫や人材不足の原因となっているのが、自社に合いそうな人材を確保したものの、内定を辞退されてしまうとか、早期に退職されてしまうということです。
大企業であればこういったリスクに直面してもカバーできるよう、多くの人材を確保しているわけですが、中小企業ではこのようなミスマッチの問題は、人材育成の面で深刻な問題となってしまいます。
ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)であれば、自社と相性の良さそうな人物とコミュニケーションをとり、自社に興味を持ってもらうことができます。そうして関係性を高められるようになれば、内定辞退となってしまうケースを回避することにもなるでしょう。
また、学生に対して「あなたたちがいかに必要か」ということをしっかりと説明することで、やりがいを持って長期にわたって自社で働いてもらえることにもなるはずです。
採用コストの削減につながる
3つ目のメリットは、採用コストの削減です。大量の応募者を募る従来型の採用活動は、数人の採用者を確保するために多くの時間と費用がかかります。
そのため、採用担当者もあらかじめ必要以上に配置しておかなければならないのですが、ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)であれば、企業の担当者が時間をかけて見込みのある学生にのみ声をかけ、最小限の労力で人材を確保できるため、コストは小さく抑えられます。
また、近年はダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)サービスも複数登場していますが、これらは基本的に完全成果報酬で費用が発生するため、意味のない広告費や出展費をかける必要もありません。
企業の魅力を効果的に紹介できる
4つ目のメリットは、企業の魅力を直接学生たちに伝えられる点です。
ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)では、合同説明会のように大多数に向けて企業情報を発信する必要がありません。1対1で直接的に学生が必要としている知りたい情報を丁寧に解説することができるので、採用担当者を通じて会社の事業内容ややりがい、どんな人物を求めているのかについて理解してもらいやすくなります。
新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)が注目を集める背景
新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)が注目を集める背景
ここまでメリットを解説してきましたが、そもそも新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)が注目されるようになった背景には、やはり人材不足の深刻さが大きな理由として挙げられます。
今や労働市場は“売り手市場”となっており、企業は人手の確保に奔走し、競争の激化により採用コストは高まる一方となっています。
とにかく多くの人材を確保しようと動いた場合、企業は「採用スケールの大きさ」で競合と戦うこととなるため、必然的にリソースに余裕のある大企業が有利となります。中小企業はそのような規模の競争力は持ち合わせていないため、別のアプローチで人材の確保に努めなければなりません。
そんなニーズに応えるのが新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)です。企業が直接、学生個人とコミュニケーションをとることにより、自社と相性の良い人材を効率よく確保することに成功している例が増えつつあるのです。
新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)の課題
前述した通り、新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)には魅力的なメリットが揃っていますが、導入にあたってはクリアすべき課題もあります。いくつかの課題を見てみましょう。
課題① 採用担当者の教育が必要
課題① 採用担当者の教育が必要
まず、新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)は従来の採用活動とは大きく方向性の異なる手法であるため、採用担当者は方針転換に合わせたスキルの習得が求められます。
学生のデータベースへアクセスして人材を吟味する能力や、学生とのコミュニケーション機会を増やすためのチャンネル作り、学生とのコミュニケーションの取り方や、企業のアピールの仕方など、多くの新しいスキルが採用担当者には求められます。
従来の「書類選考と形式的な面接に力を入れる事務的な採用活動」から「営業型の採用活動」へとシフトするため、採用担当者の人選を再考するところから始める必要も出てくるかもしれません。
課題② 採用業務の刷新にコストがかかる
課題② 採用業務の刷新にコストがかかる
採用業務の刷新にあたって、新たに初期費用が発生する可能性もあります。採用担当者の教育のために研修をおこなったり、採用管理システムの導入を進めたりするためです。
新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)の導入には、あらかじめ相応の費用と時間がかかることを想定しておきましょう。
課題③ 多様な人材確保の機会が失われる可能性がある
企業の人間が直接スカウティングをおこなったり、ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)を利用したりすると、意図せずとも似たり寄ったりの人材ばかりが集まってしまう可能性もあります。
多様な人材を集めることは組織の活性化に大きく貢献しますが、人材の求めるイメージをシンプルにしすぎてしまうと、似たような人材ばかりを確保してしまい、長期的な企業の成長を阻害する懸念も想定しておかなければいけません。
新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)を成功に導くポイント
前述してきたような課題を乗り越えるうえでは、次のようなポイントを押さえて新制度の導入を進めていくことが重要です。
ポイント① 早期から新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)を運用してノウハウを蓄積する
ポイント① 早期から新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)を運用してノウハウを蓄積する
1つ目のポイントは、とにかくすぐに採用活動の刷新を進め、新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)のシステムを導入していくことです。
スキルや体制を育んでいくためには、担当者に現場経験を積んでもらい、スカウトの能力を養ってもらうことが大切です。また、組織としてもスカウト人材を早期から確保し、ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)を踏まえて「本当に欲しい人材は誰なのか?」という疑問を解消するために動いていきましょう。
ポイント② 学生に向けて「あなたは特別だ」というメッセージを意識的に伝える
先ほどメリットのところでも少し書きましたが、2つ目のポイントとしては「学生がやりがいを感じられるようなメッセージをきちんと伝える」ことです。
今やダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)は採用活動の定番となりつつありますので、企業からスカウトが来ること自体はあまり珍しいものではなくなってきています。そんななかでも声をかけた学生に興味を持ってもらうためには、「あなたにしかできない仕事があります」「あなたの力が必要です」といったメッセージを積極的に発信することが大切です。
「あなたのスキルを求めている」という声をきちんと伝え、競合企業に人材が流出してしまわないよう意識しましょう。
新卒のダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)ならパーソルビジネスプロセスデザインへ
本記事では、新卒ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)が注目を集める背景や、導入のメリット、そして運用に成功するためのポイントを紹介してまいりました。ちなみに、海外では「ダイレクトソーシング」と呼ぶのが一般的になっています。
わたしたちパーソルビジネスプロセスデザインでも「ダイレクトソーシング」という言葉を使っていますが、意味合いとしては「ダイレクトリクルーティング」と変わりなく、「第三者を介さずに、直接候補者へアプローチできる攻めの採用手法」という言葉として使っています。
弊社では、『ダイレクトソーシング支援』として、貴社で利用中のダイレクトソーシングデータベースでの実務を、幅広く支援させていただいております。
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