社員満足度とは?
社員満足度とは?
社員満足度とは、給与や職場環境・福利厚生などにおいて従業員が自社に対する満足度を表す指標のことです。
「従業員満足度(Employee Satisfaction)」と称されることが多いです。近年は少子高齢化による労働人口減少を受け、多くの企業は人手不足に陥っています。
また、近年、終身雇用制度が崩壊しつつあるなかで、日本では人材の流動化が活発的になっている状況です。
このような背景から、1人でも多くの人材を確保するためにも、企業は社員満足度を高めることに注力しています。
社員満足度を構成している要素
社員満足度は、以下7つの要素で構成されています。
要素(1)企業理念
業務内容が大変だとしても、自社の企業理念に共感できていれば、従業員はモチベーションを高めながら業務に取り組めます。
逆にやりがいがある業務であっても企業理念に共感できなければ、ストレスが溜まり、社員満足度が低下する要因になるはずです。そのため、企業理念は社員満足度の向上に不可欠といえます。
要素(2)職場環境
最近は仕事へのやりがいや給与よりも、働き方を重視する求職者が増えてきています。
転職者心理[2021年版]によると、企業選びで特に重視する項目として「希望の働き方(テレワーク・副業など)ができるか」が一番多いと判明しました。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、リモートワークを推進している企業が増えてきています。そのため、従業員の希望に合った職場環境を構築できるかどうかで、社員満足度も大きく変わるといえるでしょう。
要素(3)人間関係
業務内容に満足していても、人間関係が原因で退職する人は少なくありません。
人間関係は社員満足度にも大きく影響するので、「良好な人間関係を構築するためにどのような施策を行えば良いのか」試行錯誤している企業は数多くあります。
要素(4)マネジメント
上司や上長などが部下に対してマネジメントがしっかりできていれば、自然と社員満足度も高まります。そのため、評価基準を明確にしたうえでマネジメントスキルを向上させる必要があります。
要素(5)業務内容
従業員一人ひとりが業務にやりがいを感じていれば社員満足度は高まり、生産性の向上も期待できます。なお、従業員によってスキルや能力・興味のある業務内容などは異なるので、適切な人材配置が重要です。
要素(6)福利厚生
福利厚生の例として、住宅手当や育児休暇、出産祝い金などが挙げられます。
ユニークな福利厚生によって、他社との差別化を図っている企業も少なくありません。福利厚生を充実させることで、社員満足度が高まります。
要素(7)毎月の給与
多くの企業では、個人の実績や職歴、残業時間によって毎月の給与は変動します。
給料に納得できれば、社員満足度は高まります。しかし、明らかに給与が低い場合には、社員満足度は次第に低下していき、最終的には退職の原因となるはずです。
社員満足度を高めるメリット4選
社員満足度を高めるメリット4選
社員満足度を高めることで、具体的にどのような効果が自社にもたらされるのか気になる担当者も多いはずです。
主なメリットは以下の4つです。
メリット(1)離職率の低下につながる
メリット(2)帰属意識が高まる
メリット(3)顧客満足度が向上する
メリット(4)業務の効率化が期待できる
1つずつ解説します。
メリット(1)離職率の低下につながる
メリット(1)離職率の低下につながる
一般的に、「社員満足度が高い=はたらきやすい職場」と考えられています。そのため、社員満足度が高ければ、従業員は「これからも自社ではたらきたい」と思うようになり、離職率が低下して定着率が向上します。
その結果、新たに人材を雇用したり育成したりする必要もなくなるので、コストの削減にもつながるのです。
メリット(2)帰属意識が高まる
メリット(2)帰属意識が高まる
社員満足度が向上するほど多くの従業員は自社に対して不満がなくなり、次第に愛着心が湧くようになります。「自社がより良くなるために自分たちができることはないか」と率先的に行動するようになるため、従業員一人ひとりの帰属意識は高まるでしょう。
メリット(3)顧客満足度が向上する
メリット(3)顧客満足度が向上する
社員満足度が向上することで、従業員は日々の業務に対して意欲的に取り組むようになります。
自社の商品やサービスを改善してユーザーに喜んでもらおうという意識改革につながるため、最終的には顧客満足度の向上が期待できます。
メリット(4)業務の効率化が期待できる
メリット(4)業務の効率化が期待できる
社員満足度が向上すれば、従業員は高いモチベーションを維持した状態で業務に取り組めます。
一人ひとりが指示を待つことなく自発的に行動できるようになるため、生産性が向上し、業務の効率化が期待できるのです。
社員満足度が低下する原因と対策
社員満足度が低下する原因と対策
社員満足度を高められずに困っている担当者も少なくありません。社員満足度が低い際には、以下7つの原因が挙げられます。
低下の原因(1)業務にやりがいを感じていない低下の原因(2)企業理念についてあまり理解していない
低下の原因(3)マネジメントがうまくできていない
低下の原因(4)残業が常態化している
低下の原因(5)従業員同士の関係性が良くない
低下の原因(6)給与に不満がある
低下の原因(7)福利厚生が活用されていない
それぞれの対策も含めて解説します。
低下の原因(1)業務にやりがいを感じていない
低下の原因(1)業務にやりがいを感じていない
業務に対してやりがいを感じていないという従業員がいる場合、業務内容と従業員との間でミスマッチが生じている可能性があります。
そのような状況の打開策として、まずは従業員と面談を行いましょう。業務にやりがいを感じていない理由を明確にした後に業務内容や人材配置を見直すことで、問題を解消できるはずです。
低下の原因(2)企業理念についてあまり理解していない
低下の原因(2)企業理念についてあまり理解していない
従業員が企業理念についてあまり理解していない要因として、解釈がズレていたりそもそも企業理念そのものを把握していなかったりする可能性も十分に考えられます。
そのため、朝礼やミーティングで企業理念を読み合わせしたり、従業員一人ひとりにクレドカード(企業の信条などを記載したカード)を作成したりしてみましょう。これらを継続的に実施することで、企業理念は徐々に浸透していくはずです。
低下の原因(3)マネジメントがうまくできていない
低下の原因(3)マネジメントがうまくできていない
部下に対する上長や上司の接し方が悪いことや、コミュニケーション不足によってマネジメントがうまくいっていないという企業も少なくありません。上長や上司のマネジメント能力が低い可能性があるので、マネジメント研修を実施することがおすすめです。
また、上長や上司が第三者から評価される機会を設けることで、逆に自身の課題に気づき、改善に期待ができます。
低下の原因(4)残業が常態化している
低下の原因(4)残業が常態化している
人手不足や膨大な業務量などによって残業が常態化しており、社員満足度が低くなっている企業も数多くあります。
新たな人材を確保するという方法もありますが、時間がかかります。そこでおすすめなのが、RPAツールの導入やアウトソーシングの活用を検討することです。RPAツールやアウトソーシングを活用することで、業務量の大幅な削減に成功し、生産性の向上や残業時間の短縮が期待できます。
※RPAとは「Robotic Process Automation」の略称であり、人間がPC上で行う業務の一部をロボットによって自動化させること
低下の原因(5)従業員同士の関係性が良くない
低下の原因(5)従業員同士の関係性が良くない
従業員同士の関係性が良くない要因として、交流する機会が少なく、気軽にコミュニケーションを取れないことが挙げられます。
特に最近では、テレワークの導入によってコミュニケーションを取るのがさらに難しくなり、帰属意識が低下しています。これを深刻な問題と捉えている企業も少なくありません。
対策として、交流の場を設けてみましょう。特におすすめなのがワーケーションです。ワーケーションとは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語であり、観光地やリゾート地などに赴いて余暇を楽しみながら仕事に取り組むことです。
ワーケーションを実施することで、自然と従業員同士で交流する機会が生まれます。その結果、これまで以上に従業員同士に良好な関係が構築されるはずです。
低下の原因(6)給与に不満がある
低下の原因(6)給与に不満がある
業務量や業務内容に見合った給与がもらえなかったり、昇給する基準が曖昧だったりして、給与に不満がある従業員もいるはずです。
その結果、業務に対するモチベーションが低下し、生産性が下がったり業務効率が悪化したりするなどのデメリットが生じる可能性があります。
給与をはたらくうえでのモチベーションとしている従業員も多いので、給与テーブルを見直してみたりインセンティブ制度を導入したりするなどの対策を講じてみましょう。
低下の原因(7)福利厚生が活用されていない
低下の原因(7)福利厚生が活用されていない
福利厚生が充実していても、活用されなければ意味がありません。福利厚生の活用方法が分からないという従業員もいるはずなので、必要に応じてマニュアルを作成してみましょう。
また、福利厚生の内容自体、従業員にあまり需要がないというケースもありえます。そのようなときには、内容を見直してみるのも重要です。「具体的にどのような福利厚生に需要があるのか分からない」ということであれば、従業員にアンケートを取って実際に聞いてみましょう。
社員満足度調査の作成から実施までのステップ
社員満足度調査の作成から実施までのステップ
社員満足度を改善するには、現状把握が重要です。そのためにも、社員満足度調査を行う必要があります。
社員満足度調査の作成から実施までは以下の4ステップです。
STEP(1)社員満足度調査を実施する目的を明確にする
STEP(2)設問を作成する
STEP(3)社員満足度調査を配布する
STEP(4)データを元に改善する
順番に解説します。
STEP(1)社員満足度調査を実施する目的を明確にする
STEP(1)社員満足度調査を実施する目的を明確にする
社員満足度調査を実施するためには、従業員の協力が必要不可欠です。目的が明確でなければ、「なぜアンケートに答える必要があるのだろう」と従業員は疑問に感じてしまい、回答率が下がる原因にもなります。
そのため、「給与に不満がないか知りたい」「人間関係が良好なのか把握したい」など、まずは目的を明確にしましょう。その目的に納得すれば、従業員の協力を得やすくなります。
STEP(2)設問を作成する
STEP(2)設問を作成する
設問を作成する際は、社員満足度調査の目的を参考にしましょう。設問があまりにも多いと回答率が下がるため、聞きたい内容だけに絞ることが大切です。
実際に活用できる設問例を3つほど紹介します。
設問例1)現在の業務量についてどのように感じていますか? |
上記の設問例を参考に作成してみましょう。
STEP(3)社員満足度調査を配布する
STEP(3)社員満足度調査を配布する
作成した社員満足度調査を実際に配布します。回答期限がないと、優先順位が低くなってしまい、回答率が下がる要因になります。
そのため、期限を明確に決めておきましょう。
STEP(4)データをもとに改善する
STEP(4)データをもとに改善する
配布した社員満足度調査を回収したら、データを集計して改善します。例えば、業務にやりがいを感じていない社員が多い場合には、面談を実施して本人の希望を聞いてみるのも良いでしょう。そのうえで、業務内容や人材配置を見直します。
また、残業が常態化しているのであれば、RPAツールの導入やアウトソーシングなどの活用を検討することも重要です。
前項の「社員満足度が低下する原因と対策」を参考にしてみてください。
社員満足度を高めたいのならパーソルビジネスプロセスデザインへ
本記事では、社員満足度の基礎知識や向上のメリット、低下する原因と対策などについて解説しました。
社員満足度は企業理念や職場環境・人間関係など、7つの要素によって構成されています。社員満足度を高めることで離職率の低下や顧客満足度の向上などが期待できるため、もし社員満足度に課題をお持ちのご担当者は、本記事を参考に社員満足度の改善に注力してみてください。
「自分たちだけで社員満足度を高められるか不安」「社員満足度を高めるための手段としてワーケーションを活用したい」という担当者は、パーソルビジネスプロセスデザインが提供するワーケーションサービス『&Office』がおすすめです。
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