糖尿病は若い人でも発症する病気
糖尿病は若い人でも発症する病気
以前までは「糖尿病=中高年者や高齢者が発症する病気」と考えられていましたが、最近は若い人でも発症する割合が増えてきています。
厚生労働省が公表している平成28年国民健康・栄養調査報告(※)によると、20歳以上の「糖尿病が強く疑われる」人はなんと約1,000万人であることが判明しました。
※出典:厚生労働省「平成28年国民健康・栄養調査報告」
また、「糖尿病の可能性を否定できない」人も約1,000万人となっており、多くの人が糖尿病を発症する恐れがあるのです。
40歳以上75歳未満であれば、メタボリックシンドロームの予防と改善が目的で、被保険者と被扶養者を対象に特定健診が実施され、対象者には特定保健指導が行われます。
ただし40歳未満の人は対象外なので、若い人ほど糖尿病が放置されやすく、気づいたときには重症化していることも珍しくありません。
糖尿病が重症化することで発生する症状
糖尿病が重症化することで発生する症状
糖尿病が重症化すると血管が脆くなってしまい、網膜症や心筋梗塞といった病気を患うリスクがあります。
また、合併症によって他の病気も発症することも珍しくありません。その結果、命を落としてしまう危険性もあるため、早期の治療が求められます。
糖尿病の従業員が企業に与える主な影響
糖尿病の従業員が企業に与える主な影響
糖尿病の従業員がいることで企業に与える主な影響は、以下の通りです。
- 影響(1)損失につながるリスクがある
- 影響(2)他の従業員の負担が大きくなる
- 影響(3)生産性が低下する
順番に解説します。
影響(1)損失につながるリスクがある
影響(1)損失につながるリスクがある
昨今、多くの企業で問題視されているのが「プレゼンティーイズム」や「アブセンティーイズム」です。それぞれの意味は以下のようになります。
- プレゼンティーイズム:健康上の問題を抱えながら業務を行っている状態
- アブセンティーイズム:健康上の問題を抱えたことで、休業している状態
厚生労働省の「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」(※)によると、プレゼンティーイズムやアプセンティーイズムによって、1人あたり年間50〜70万円の損失となることが判明しています。
※出典:厚生労働省「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」
影響(2)他の従業員の負担が大きくなる
影響(2)他の従業員の負担が大きくなる
糖尿病の従業員の体調が悪化して、欠勤や離職期間が続いてしまうと、その分の業務を他の従業員がカバーしなければいけないため、負担が大きくなります。
その結果、膨大な業務量に耐えきれず、他の従業員も体調を崩してしまい、負の連鎖となるリスクもあるのです。
影響(3)生産性が低下する
影響(3)生産性が低下する
糖尿病になってしまうと、手足の痺れや倦怠感など、さまざまな症状が発生するようになります。
その結果、本来のパフォーマンスを発揮するのが難しくなり、生産性の低下につながるのです。
糖尿病によって職場で差別を受けている人もいる
糖尿病によって職場で差別を受けている人もいる
英国糖尿病学会の調査(※)によると、6人に1人が「糖尿病が原因で職場で差別を受けている」と回答していることが判明しました。
※出典:DIABETES UK「One in six people with diabetes discriminated against at work」
そのため、職場では糖尿病を隠している人もいます。しかし、糖尿病であることを誰にも打ち明けられないことにストレスを感じてしまい、重症化するリスクもあるのです。
そのような事態を防ぐためにも、企業は対策を講じる必要があります。
糖尿病の重症化を予防するために企業が実施すべき6つの対策
糖尿病の重症化を予防するために企業が実施すべき6つの対策
糖尿病の重症化を予防するために企業が実施すべき対策は、以下の6つです。
- 対策(1)健康診断の結果次第で再検査を促す
- 対策(2)労働時間を見直す
- 対策(3)労働環境を改善する
- 対策(4)運動する機会を設ける
- 対策(5)産業医を導入する
- 対策(6)重症化を予防するプログラムを導入する
順番に解説します。
対策(1)健康診断の結果次第で再検査を促す
対策(1)健康診断の結果次第で再検査を促す
労働安全衛生法第66条に基づき、健康診断の実施は義務となっています。また、40歳以上75歳未満であれば、被保険者と被扶養者を対象に特定健診が実施され、対象者には特定保健指導が行われます。
健康診断の結果が悪かった場合には、そのまま放置するのではなく、再検査するように促しましょう。
その結果、たとえ糖尿病を発症していたとしても、初期の段階で治療を施せるようになり、重症化を予防することが可能です。
対策(2)労働時間を見直す
対策(2)労働時間を見直す
長時間労働によって、自炊や運動できる時間を確保できず、偏った食生活を送ったり、運動不足になったりするリスクがあります。
そのため、労働時間の長さが糖尿病の要因となり得るのです。最終的に糖尿病が重症化するリスクがあるため、ノー残業デーを設けたりシステムやツールを導入して業務の効率化を図ったりするなどの対策を行い、労働時間を見直しましょう。
対策(3)労働環境を改善する
対策(3)労働環境を改善する
新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきた昨今でも、テレワークを継続している企業は数多くあります。テレワークによって、運動不足となっている従業員も少なくありません。
また、テレワーク・リモートワーク総合研究所(テレリモ総研)が「テレワークにまつわるストレスに関する変化」(※)について調査したところ、男女ともに4割以上が「テレワークになってからストレスを感じている」と回答しています。
※出典:テレワーク・リモートワーク総合研究所(テレリモ総研)「テレワークにまつわるストレスに関する変化」
これらのことから、定期的に出社する機会を設けるなど、労働環境の改善検討が必要となるでしょう。
対策(4)運動する機会を設ける
対策(4)運動する機会を設ける
毎朝ラジオ体操を実施したり、スポーツをするためのコミュニティを作ったりするなど、運動する機会を設けることで、糖尿病の重症化予防につながります。
また、福利厚生の一環として、オフィス近くにあるジムの利用料を割引にするといった施策もおすすめです。
対策(5)産業医を導入する
対策(5)産業医を導入する
産業医を導入することで、医学的な視点からさまざまなアドバイスがもらえます。
その結果、糖尿病が重症化するのを未然に防げるようになるはずです。
対策(6)重症化を予防するプログラムを導入する
対策(6)重症化を予防するプログラムを導入する
重症化を予防するプログラムを導入することで、一人ひとりの要望や悩みに寄り添ったサポートが受けられます。
管理栄養士や健康運動指導士・公認心理師などが多角的にフォローしてくれるので、これまで以上に糖尿病に関する知識を深めることが可能です。
その結果、最終的には血糖値や生活習慣の改善につながります。
また、自分で生活習慣や血糖値を管理できるような外部サービスを利用することで、さらなる予防効果にも期待ができます。
従業員の糖尿病重症化を予防したいならパーソルビジネスプロセスデザインへ
従業員の糖尿病重症化を予防したいならパーソルビジネスプロセスデザインへ
この記事では、糖尿病の重症化を予防するために企業が実施すべき対策や、糖尿病の従業員が企業に与える主な影響などについて解説しました。
糖尿病は、中高年者や高齢者だけでなく、若い人でも発症する病気です。糖尿病の従業員がいることで、他の従業員の負担が大きくなったり、生産性が低下したりするといった影響が企業におよびます。
従業員の糖尿病の重症化を予防するためにも、健康診断の結果次第で再検査を促したり、労働時間を見直したりするなどの対策を講じましょう。
「健康診断の診断結果から、糖尿病疑いの従業員が増えてきている」ということであれば、パーソルビジネスプロセスデザインにお任せください。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、糖尿病早期対策プログラムを提供しており、糖尿病の重症化予防に特化した6ヵ月間のプログラムを実施しています。
糖尿病の理解を深められることはもちろん、血糖値の改善にも期待ができます。対象者一人ひとりに寄り添ったサポートで、プログラム終了後も血糖値の良好な管理を維持できるように努めていますので、まずはお気軽にご相談ください。