採用ブランディングとは?目的について
採用ブランディングとは、自社の魅力や強みを積極的に情報発信することで、戦略的に企業をブランド化していくことです。
自社の魅力や強みを情報発信する手法として、ブログやSNS・YouTubeといった動画媒体などが挙げられます。
最終的に自社に適した人材を獲得することを目的としており、継続的に情報を発信することによって、認知度の向上や採用コストの削減などに期待ができます。
採用ブランディングが注目されている理由
採用ブランディングが注目されている主な理由は以下の2つです。
理由(1)人手不足が深刻な問題となってきているため
理由(2)誰でも簡単に情報を取得できるようになってきているため
順番に解説します。
理由(1)人手不足が深刻な問題となってきているため
理由(1)人手不足が深刻な問題となってきているため
最近では、少子高齢化による労働人口の減少によって、多くの企業で人手不足が深刻な問題となっています。
その結果、「求職者を企業が選ぶ時代」から、「求職者から企業が選ばれる時代」へと変化しつつあります。
こうしたなか、1人でも多くの求職者から自社を認知してもらって選んでもらう必要が生じています。そのため、現在多くの企業で採用ブランディングが注目されているのです。
理由(2)誰でも簡単に情報を取得できるようになってきているため
理由(2)誰でも簡単に情報を取得できるようになってきているため
スマートフォンが普及したことで、現在は口コミサイトやSNSなどで誰でも簡単に情報を取得できます。
口コミサイトやSNSなどは就職活動においても積極的に活用されるため、「残業が多い」「パワハラ気質の従業員がいる」といった悪い噂がひとつでもあれば、すぐに拡散されてしまいます。
その結果、応募率の低下を招くことも少なくありません。そのような事態を防ぐためにも、ポジティブな情報を発信し、求職者の志望度を高める採用ブランディングに注力する企業が増えてきているのです。
採用ブランディングのメリット
採用ブランディングのメリットは以下の5つです。
メリット(1)採用コストを削減できる
メリット(2)自社の認知度向上につながる
メリット(3)従業員のモチベーション向上が期待できる
メリット(4)競合他社と差別化できる
メリット(5)離職率を下げられる
ひとつずつ解説します。
メリット(1)採用コストを削減できる
メリット(1)採用コストを削減できる
自社の情報を積極的に発信することで、自社にマッチした人材を採用しやすくなったり、広告や求人サイトに掲載しなくても求職者自らエントリーしてくれたりするようになります。
その結果、余計な費用をかけずに済むので、採用コストの削減が期待できます。
メリット(2)自社の認知度向上につながる
メリット(2)自社の認知度向上につながる
現在は、多くの企業が人材不足に悩まされています。そのため、広告や求人サイトに掲載してもほかの企業の情報に埋もれてしまい、なかなか人材を確保できずに困っている企業も多いはずです。
そうしたなかでも、採用ブランディングを実施することで、多くの求職者から注目してもらえるようになり、認知度の向上につながります。
その結果、エントリー数の増加に期待ができます。
メリット(3)従業員のモチベーション向上が期待できる
メリット(3)従業員のモチベーション向上が期待できる
採用ブランディングでは、自社の強みや魅力について定期的に情報発信するので、次第に周囲から「魅力的な企業」と思われるようになります。
その結果、従業員は自社で働いていることにプライドを持てるようになり、モチベーションの向上が期待できます。
メリット(4)競合他社と差別化できる
メリット(4)競合他社と差別化できる
競合他社と同じような採用活動を続けていても、求職者の記憶にはあまり残りません。同じことを繰り返すだけでは、予定していた採用人数を確保できないケースもあります。
採用ブランディングを実施すれば、求職者の興味関心を惹くようになり、競合他社との差別化につながります。
自社の魅力や強みについて継続的にアピールすることで、最終的には「この企業だからこそ入社したい」と思ってもらえるようになるはずです。
メリット(5)離職率を下げられる
メリット(5)離職率を下げられる
採用ブランディングでは、自社の魅力や強みだけでなく、企業理念やカルチャーなどについても情報発信します。その結果、発信内容に共感した求職者を集められるので、ミスマッチを未然に防げるでしょう。
最終的には、離職率を下げることが可能です。
採用ブランディングのデメリット
採用ブランディングのデメリット
採用ブランディングは、メリットだけでなくデメリットもあります。主なデメリットは以下の2つです。
デメリット(1)効果が表れるまで時間がかかる
デメリット(2)企業全体で取り組む必要がある
順番に解説します。
デメリット(1)効果が表れるまで時間がかかる
デメリット(1)効果が表れるまで時間がかかる
採用ブランディングは、即効性がある施策ではありません。むしろ、効果が表れるまで時間がかかります。
労力や手間もかかるので、実施する前に十分なリソースを確保しておきましょう。
デメリット(2)企業全体で取り組む必要がある
デメリット(2)企業全体で取り組む必要がある
採用ブランディングで発信している情報と実際の内容に相違がある場合には、実施する意味がありません。そのようなトラブルをなくすためにも、正確な情報を収集する必要があります。
ただし、担当者だけでは収集できる情報量に限度があります。採用ブランディングは企業全体で取り組まなければいけない施策といえます。
採用ブランディングを実施する5つの手順
採用ブランディングは、以下5つの手順で実施します。
ステップ(1)採用ブランディングの実施目的を明確にする
ステップ(2)自社の現状を把握する
ステップ(3)自社が求める人物像を設定する
ステップ(4)採用コンセプトを決める
ステップ(5)発信する内容や手法を決める
ステップ(1)採用ブランディングの実施目的を明確にする
ステップ(1)採用ブランディングの実施目的を明確にする
採用ブランディングを実施することで、採用コストの削減や認知度の向上など、さまざまな効果が期待できます。しかし、実施する目的が定まっていないと、途中で方針がブレてしまい、失敗につながるリスクがあります。
そのため、「なぜ自分たちが採用ブランディングを実施する必要があるのか」まずは目的を明確にしましょう。
ステップ(2)自社の現状を把握する
ステップ(2)自社の現状を把握する
目的を明確にしたら、自社の現状を把握します。具体的に把握しておきたい内容は以下の通りです。
- 業界における自社の立ち位置
- 自社の商品やサービスにおける強み
- 自社の魅力
- 採用活動の状況
自社の現状を把握するうえでおすすめなのが「3C分析」です。3C分析とは、以下の3つを用いて分析するフレームワークのことを指します。
- 顧客(Customer)
- 自社(Company)
- 競合他社(Competitor)
3C分析によって、自社の強みや弱みを客観的に把握できます。また、競合他社の状況や顧客のニーズを汲み取ることも可能です。
その結果、自社の差別化できるポイントや改善すべき内容の明確化につながります。
ステップ(3)自社が求める人物像を設定する
ステップ(3)自社が求める人物像を設定する
自社の現状を把握したら、次に「どのような人物を自社が求めているのか」ペルソナを設定していきます。ペルソナを設定する際に必要な項目は以下の通りです。
- 年齢
- 性別
- 学歴・職歴
- 家族構成
- 趣味
- 性格
- 身につけているスキル
- 企業に求める条件
上記の項目はあくまでも一例のため、さらに項目を増やしても問題ありません。しかし、ペルソナを詳細に設定しすぎてしまうと、対象となる求職者の母数が大幅に減少してしまうので、注意しましょう。
実際のペルソナ例を紹介します。
採用コンセプト:「即戦力となるような人材の確保」
- 年齢:22歳
- 性別:男性
- 学歴・職歴:〇〇大学〇〇学部卒
- 家族構成:両親と姉の4人家族
- 趣味:小学生の頃から継続している野球
- 性格:目標に対して貪欲に努力できる
- 身につけているスキル:ITスキル・コミュニケーションスキル
- 企業に求める条件:キャリアアップが目指せる職場環境
ステップ(4)採用コンセプトを決める
ステップ(4)採用コンセプトを決める
人物像の設定が完了したら、採用コンセプトを決めていきます。採用コンセプトとは、採用活動における軸のことです。
採用コンセプトが曖昧な状態で採用ブランディングを実施してしまうと、ターゲットがブレてしまい、情報を発信しても誰の心にも刺さりません。
その結果、失敗につながる恐れがあるため、自社の商品やサービス・社内制度・企業理念などを踏まえたうえで、慎重に決めましょう。
ステップ(5)発信する内容や手法を決める
ステップ(5)発信する内容や手法を決める
採用コンセプトが定まったら、設定した人物像などを参考にしながら採用ブランディングで発信する内容や手法を決めていきます。
主な手法としては、自社ブログのほかに、YouTubeやX(旧Twitter)・InstagramといったSNSも挙げられるでしょう。
種類が豊富にあるため、一つずつ効果を確かめながら、自社に合った最適な手法を見つけてみましょう。
採用ブランディングを成功させるために意識すべきポイント
採用ブランディングを成功させたいのであれば、以下2つのポイントを意識してみましょう。
ポイント(1)定期的にPDCAを回す
ポイント(2)長期的な目線で取り組む
ポイント(1)定期的にPDCAを回す
ポイント(1)定期的にPDCAを回す
採用ブランディングは、自社の情報を発信して終わりではありません。情報を発信した後に、どのような効果が表れているのかをしっかりチェックする必要があります。
採用市場のトレンドや求職者のニーズは常に変化しているため、「自社が求めている人物像の設定に問題がないか」「採用コンセプトは明確になっているか」「発信する内容や手法は自社に適しているか」などを確かめましょう。
効果を確かめるための具体的な方法として、新入社員へのヒアリングや社内アンケートの実施などが挙げられます。
定期的にPDCAを回すことで、次第に効果が表れるはずです。
ポイント(2)長期的な目線で取り組む
ポイント(2)長期的な目線で取り組む
デメリットでも説明したように、採用ブランディングは即効性のある施策ではありません。そのため、短期的な目標で取り組んでしまうと、効果が表れないことに焦ってしまい、途中で挫折するリスクが高くなります。
効果が表れるまで時間がかかるため、長期的な目線で取り組むことが大切です。
採用力を強化したいならパーソルビジネスプロセスデザイン
この記事では、採用ブランディングのメリットやデメリット・実施手順などについて解説しました。
「人手不足の深刻化」「誰でも簡単に情報を取得できる環境の確立」といった要因により、採用ブランディングは注目されてきています。
採用ブランディングを実施することで、採用コストの削減や認知度の向上・離職率の低下などの効果に期待ができます。
しかし、「効果が表れるまで時間がかかる」「企業全体で取り組む必要がある」などのデメリットもあるので、注意が必要です。
採用ブランディングを成功させたいのであれば、定期的にPDCAを回して長期的な目線で取り組むことを意識しましょう。
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