代表電話の代行サービスと自動応答システムを徹底比較|最適解の選び方とは

代表電話の代行サービスと自動応答システムを徹底比較|最適解の選び方とは

代表電話を設置する企業にとって、人手不足や応対品質の維持などの課題を一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

このような代表電話業務における課題の解決策として「代表電話代行サービス」や「IVR(自動応答システム)」、「AIチャットボット」などが挙げられます。

 

自社の課題や目的を明確にし、最適な方法を導入することで代表電話の根本的な課題解決が期待できるでしょう。本記事では、代表電話の現状とよくある課題を整理したうえで、目的に応じた最適解とその選び方を解説します。

目次

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    代表電話の現状と4つの課題

    代表電話は外部からの電話を最初に受ける総合窓口として機能しています。

    IT技術の進展やコミュニケーション手段が多様化したことで、代表電話自体を廃止にする企業が増えてきているとも言われていますが、文面では伝えづらい内容や緊急性・即時性の高い依頼がある場合には、電話による問い合わせも少なくありません。そのため、代表電話を廃止するのではなく効率的な運用を模索している方も多いのではないでしょうか。

    代表電話業務は単純な作業に思われがちですが、一定の応対品質を維持し適切な部署へ取り次ぎを行う高い応対スキルが求められます。実際に、代表電話業務における課題として次の4つが挙げられます。

    • リソース不足による応対者の負担増

    • 繁忙期や時間外などに生じる機会損失の懸念

    • 属人化や応対品質のバラつきによる顧客満足度の低下

    • 事業継続性(BCP対策)と多様な“はたらき方”への対応が困難

    代表電話への対応による作業の中断、社内教育・応対品質向上に費やすリソースの確保など、関連する課題は多岐にわたります。

    一見、外部からの電話を適切な部署へ転送する簡単な業務に思えますが、機会損失や顧客満足度の低下など企業成長に影響を及ぼしかねない課題が隠れている場合もあるため対策が必要です。

    代表電話の課題を解決する3つの方法

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    代表電話業務では、応対者の負担増加による生産性の低下、応対品質のバラつきによる機会損失など企業成長や業績に影響を与える課題があります。このような課題の解決策として主に3つの方法があります。

    • 内部体制の改善と強化

    • 自動応答システムやAIチャットボットの導入

    • 代表電話代行サービスを活用

    いずれも代表電話の課題を解決するために有効ですが、それぞれ特長やメリット・デメリットが異なるため、改善の目的や自社の状況に適した解決策を選択する必要があるでしょう。以下、一つずつ解説していきます。

    解決策(1)内部体制の改善と強化

    1つ目は、社内のリソースを活用する方法です。

    代表電話の課題解決への取り組みの基本となり、人的リソースの見直しやマニュアル整備など内製で比較的簡単に始めることができるため既に何らかの形で取り組んでいる企業も多いでしょう。具体的なアプローチとして以下が挙げられます。

    ●アプローチの一例


    • 人員体制の見直し:代表電話業務の専任者を配置、チーム制による運用

    • 業務標準化:応対マニュアルやスクリプトによる応対品質の管理/維持

    • 応対品質の向上:電話応対研修の実施やナレッジ・ノウハウの共有による応対品質の向上

    • 転送の仕組み化:エスカレーションフロー・取り次ぎ先を明確にし転送設定を仕組み化

    また、内製対応を強化していくことのメリット・デメリットは以下です。

    ●メリット


    • 複雑な依頼にも柔軟に対応が可能
    • スムーズな取り次ぎで待機時間を低減
    • 社内に応対スキルのノウハウ・ナレッジを蓄積できる
    • 外部委託・ツール導入コストを抑制できる

    ●デメリット


    • 応対者の育成にコストがかかる
    • 根本的な人手不足の解決は難しい
    • 属人化や、応対品質にムラが出る
    • 時間外の対応が難しく、機会損失を避けられない場合もある

    このように内製での体制が確立できれば、限られた予算内で一定の応対品質を実現することができる一方、根本的な人手不足の解決や機会損失を避けることが困難なケースも想定されます。

    そのため、中小規模の組織や解決したい課題・目的が限定的、可能な限り低予算に抑えたいなどの場合には有効な解決策となるでしょう。

    解決策(2)自動応答システムやAIボイスボットの導入

    2つ目は、自動応答システム(IVR)やAIボイスボットの導入による自動化の促進です。

    コールセンター業務に欠かせないシステムとしてIVRと注目度が高いAIボイスボットですが、代表電話にも応用が可能です。

    IVRシステムは「自動音声応答装置」とも呼ばれ、着信があると自動音声のガイダンスを流して、選択肢の中から目的に合ったプッシュ番号を操作させるシステムです。サポートセンターの窓口のほか、宅配便の再配送、災害情報の発信など、さまざまな業界で使われていますので操作をしたことがある人も多いでしょう。

    一方のAIボイスボットは、AIが顧客の音声を解析しアクションを起こしていくシステムを指します。「発話内容を瞬時にテキスト化し、AIの自然言語処理による解析のうえで問い合わせ内容への回答を抽出し、顧客に返答をする」といった流れです。

    問い合わせ内容への回答を出すまでのロジックは異なりますが、代表電話業務を効率化させるという点ではどちらも有効な手段であり、導入する企業も増えています。

    以下に主なメリット・デメリットをまとめます。

    ●メリット


    • 電話応対を自動化し、効率化促進
    • 24時間365日対応できるサービスでは、機会損失を抑制
    • AIの機械学習により回答の精度向上が期待
    • 担当者へスムーズな連携ができ顧客満足度(CS)の改善/向上

    ●デメリット


    • 複雑な問い合わせに対する柔軟性に欠ける
    • 導入コストがかかる(イニシャル/ランニングコスト)
    • 機械学習の検証やシナリオの追加などシステムへの理解が必要
    • 自動で回答ができない場合、従業員の対応が必要に

    AIの精度は次第に高まりつつありますが、それでも難易度が高く複雑な問い合わせには正確な回答を用意できない場合もあります。そのためIVRやAIボイスボットではカバーできない範囲については担当者による対応が必要になります。

    例えば、問い合わせ内容が定型化している、顧客の声をデータ化し活用したい、営業時間外の問い合わせにも対応し機会損失を防ぎたい、などの場合に有効な解決策となるでしょう。

    解決策(3)代表電話代行サービスを活用

    3つ目の解決策は、代表電話業務を外部の専門企業にアウトソーシングすることです。

    外部オペレーターが自社の従業員に代わり電話応対を行うサービスであり、お問い合わせだけでなく関連部署への転送や、営業電話への対応などが可能です。

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    代表電話代行サービスで対応できる業務内容は以下が一般的です。

    • 会社概要や取扱いサービスに対する基本的な受け答え
    • 時間外や繫忙期などの一次対応と担当者への取り次ぎ
    • 業務と関係のない営業電話への対応

    自社のリソースをかけることなく代表電話への対応が可能になるため、コア業務に集中でき生産性向上が期待できることから利用を検討する企業も少なくありません。

    主なメリット・デメリットは以下が挙げられます。

    ●メリット


    • 従業員の負担が減りコア業務に集中できる
    • 機会損失を防ぎ顧客満足度を高められる
    • 応対品質向上にかけるコスト・工数を削減できる
    • BCP対策にもつながる

    ●デメリット


    • 外部委託の費用がかかる
    • 自社の従業員と比較すると柔軟性が劣る場合がある
    • 委託先との連携に伴う情報共有やコミュニケーションが必要
    • 運用開始までのリードタイムが長い

    内製での対応にかけるリソースを最低限に抑え、プロによる高品質な電話応対を利用できるため、顧客満足度や生産性の向上が期待されます。一方で、運用開始までの体制構築に時間がかかる場合もあるため、導入を検討の際は余裕を持ったスケジュール確保が必要でしょう。

    慢性的な人手不足を解消したい、プロによる高品質な一次対応で顧客満足度の向上を図りたい場合や、十分な費用対効果が見込める場合には最も有効な解決策となります。

    【比較表】自社に適した解決策の選び方

    代表電話における課題の解決策として、3つご紹介しました。いずれも有効な方法ではあるものの、自社の状況や解決すべき課題の優先度に応じて最適な方法を選択することが重要です。

    前述の代表電話に関する課題に対し、どの解決策がより有効なのかを以下の表に整理しました。併せて理由を記載していますので、解決策を検討する際にご参考にしてみてください。。

    【比較表】解決策ごとの特徴


    比較項目
    比較項目 内部体制の強化(内製化) ツール導入(IVR/AI) 代表電話代行サービス
    人手不足の解消 評価:△
    理由:応対者負担の軽減は可能だが、根本的な人手不足解消は難しい。
    評価:〇
    理由:ツールによる自動化で人の対応件数を削減可能だが、複雑な問い合わせには、人の対応が必要に。
    評価:◎
    理由:採用や育成の手間をかけずに高品質な応対業務を委託可能。
    機会損失の抑制 評価:△
    理由:人材育成を行うことで対応時間を削減できるが、時間外の対応ができないなどのリスクは残る。
    評価:◎
    理由:自動化することで、取りこぼしの低減が可能。営業時間外などにも対応でき、機会損失リスクを最小化できる。
    評価:◎
    理由:高い応答率を実現。委託先しだいで24時間365日対応が可能。
    応対品質の向上 評価:〇
    理由:教育やマニュアル整備で向上。一方で標準化や高品質を維持するためには内部リソースのみでは難しい場合も。
    評価:△
    理由:事前に設定した定型応答や簡易の問い合わせは完璧だが、人ならではの共感や柔軟な対応は適さない。
    評価:◎
    理由:研修や表彰を受けたプロによる対応が期待でき、均質化された応対品質を実現できる。
    コスト 評価:〇
    理由:人材育成コストは発生するが、外部リソースよりは安価な場合が多い。機会損失など見えないコストには考慮が必要。
    評価:〇
    理由:導入コストがかかるものの、人件費削減や業務効率化で高い費用対効果が期待できる。
    評価:△
    理由:委託費用が高額になる場合もあるため、中長期の視点で採用・人材育成、機会損失削減効果などのシミュレーションが必要。
    業務の柔軟性 評価:◎
    理由:社内の状況に合わせたルール変更や対応範囲、スクリプトの調整などが自由に可能。
    評価:△
    理由:導入するツールの機能面で制約を受ける場合がある。対応可能範囲の事前確認が必要。
    評価:〇
    理由:委託先によるが、柔軟性は高い。土日・夜間のみや繁忙期のみなどカスタマイズが可能。
    導入までのリードタイム 評価:◎
    理由:専任者の選定やシフト制への意向など自社で判断でき即時運用可能。マニュアルやスクリプトの改修は常時必要になる。
    評価:〇
    理由:ツールの選定から契約、設定、テストなどに一定の期間を要する。社内のセキュリティの確認も必要になる場合も。
    評価:△
    理由:委託先の選定、要件整理から運用体制の構築に時間がかかることが多い。最短でも1~2カ月以上は見ておく必要も。


    自社の状況に応じて「IVR/AIボイスボットを導入し内製化を促進する」「内製での対応をベースに時間外や繁忙期に代表電話代行サービスを活用する」など、複数の方法を組み合わせることでより効率的な運用を行うことができるでしょう。

    また、システム導入やアウトソーシングの活用は特に費用がかかる方法になるため、人材育成・採用にかかる費用や機会損失削減効果などを比較しながら、中長期的な目線で費用対効果を判断することが重要です。

    代表電話の課題を解決する5つのステップ

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    比較表から解決策ごとの得意領域と不得意領域を洗い出すことができました。内製での対応が難しい場合にはシステム導入やアウトソーシングの利用が選択肢となるため、以下の5つのステップを参考にしてみてください。

    ステップ(1)現状分析と課題の明確化

    まずは、代表電話業務の状況を整理し客観的な意見を収集しましょう。実際に電話応対をしている従業員へのヒアリングを行うなど、できるだけ課題を具体化することが重要です。

    • 一日当たりの着電数や問い合わせの傾向把握(定型の質問が多い、専門性の高い内容、等)
    • 対応状況の整理(電話応対時間や応答率、一次解決率、接続率)
    • お客様の声(VOC)の分析
    • 代表電話業務にかかるコスト

    上記の要素を洗い出すことで、本質的な課題の特定ができます。

    ステップ(2)目的設定

    課題の特定ができたら、改善に取り組む目的を定めます。

    例えば「応答率を80%から90%に改善する」、「代表電話の応対時間を月間10時間削減する」のように具体的な目標設定を行います。事業インパクトの大きさや緊急性の高い課題から優先して改善に取り組みましょう。

    ステップ(3)導入サービスの比較検討

    優先して取り組むべき目的が定まったら導入するサービスを比較検討していきます。IVRシステムやAIボイスボットを入れ内製化していくのか、代行サービスを活用するのか、などを費用対効果の観点から絞り込んでいきます。

    電話応対時間を削減したい場合はシステム導入が有効な選択肢となり、高品質な電話応対で顧客満足度を高めたい場合は、代表電話代行サービスが適している傾向にあります。なお、検討時のポイントとして導入までのリードタイムや拡張性、柔軟性なども考慮する必要があるため注意が必要です。

    ステップ(4)まずはスモールスタートで効果を図る

    特に代表電話代行サービスについてはコストが高い傾向にあるため、スモールスタートで費用対効果を見極める必要があるでしょう。またシステム導入に関しても、一度導入をした後に切り替えを行う場合にはコストや手間も余分にかかるため、自社への適正度を検証することが重要です。

    例えば、「まずは繁忙期だけ代表電話を外部委託する」「定型的な問い合わせのみIVRで自動化する」などです。特にシステムやAIボイスボットなどはトライアルを実施しているベンダーも多いため、試運転してみるのもよいでしょう。

    ステップ(5)効果測定と改善

    サービス導入後の効果と目的の達成状況を測定します。代表電話の効率化が図れているのか、応答率や一次解決率、電話応対時間に改善が見られるか、などの観点から分析し費用対効果の最大化に努めましょう。

    改善と効果測定のサイクルを回すことで企業成長や業績面への影響も大きくなるため、単にサービス導入が目的とならないよう心掛けることが重要です。

    代表電話代行サービスならパーソルビジネスプロセスデザインへ

    ここまで、代表電話業務の課題の解決策として、「内部体制の強化と改善」「自動応答システムやAIボイスボットの導入」「代表電話代行サービスの活用」について解説してきました。

    一見、簡単に思える代表電話ですが、複雑な問い合わせや最適な取り次ぎ先の見極めなど難易度も高い業務です。また、人手不足や機会損失、応対品質のバラつきによる顧客満足度の低下などさまざまな課題が潜んでいます。

    これらの解決策も一つではないため、前述の比較表を参考に自社の状況に合わせて適切な方法を検討してみてください。

    「代表電話代行サービス」をご検討の際は、パーソルビジネスプロセスデザインにぜひお任せください。当社のアウトソーシングセンターがお客様に代わり代表電話の窓口となり、外部からのお問い合わせの一次受付を一手に承ります。

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