代表電話とは
代表電話は、企業全体もしくは部門の窓口の電話のことです。パンフレットやホームページの会社概要、あるいはタウンページのような情報誌に「(代表)」と記載されていることから、見たことがある人も多いでしょう。
直接の部門につながる電話は「直通」または「内線」であり、代表電話にかかった通話は自動的な音声案内または専門のオペレーターや社員によって転送されます。
なぜ代表電話があるかといえば、目的の1つとして「売り込みや不審な電話を代表電話で判断して、企業内の各部門につながないようにするため」というのもあります。
面識のある人であれば名刺交換などのときに部門の電話番号を知ることができますが、部門の電話番号を知らない場合には、代表電話にまず連絡するでしょう。このように、代表電話によって社内に対する通話をフィルタリングできる効果があるのです。
代表電話の電話番号を「代表番号」と呼びます。ただし、この代表番号につながらない場合、電話をかけた相手はイライラを募らせることになりかねません。大手企業では複数の回線をまとめて代表電話の親番号としており、いくつかの回線のうち空いている回線につながるような仕組みになっていますので、つながりにくいことも少ないはずです。
代表電話は誰が出るべきなのか
大手企業の本社に設置した代表電話には、多くの場合、窓口専門のオペレーターが電話を取ります。中小企業では、総務部門が受付を兼ねて取ることになっている会社もあるでしょう。
一方で、部門の代表電話は、電話対応を専門とする社員がいない場合「気づいた人や手のあいている人が出る」と定められていることが少なくありません。さらに、多くの場合には「新入社員が対応する」というのが一般的だといえるでしょう。
新入社員のOJTにもなっていた「代表電話」対応
なぜ新入社員に電話を取らせるかといえば、電話は入社後すぐに任せられる仕事のひとつであり、社会人の基本的なコミュニケーションを身につける訓練になるからだといわれます。
代表電話を受けることは「会社の顔」として取引先などと応対することでもあります。丁寧な対応はもちろん、相手の企業名や担当者名を覚える、メモをとる、適切な担当者に電話を回すなどの対応が必要になるため、OJT(On the Job Training)になるともいえるでしょう。
ところが、新入社員にとって「新しい職場環境で見知らぬ相手の電話をとる」ことは、大きなプレッシャーにもなってしまいます。
これからの時代は全員でフォローすべき
携帯電話が普及して固定電話がなくなりつつある現在、電話は相手に直接つながることが一般的であり、液晶画面で誰からかかってきた電話なのか分かります。ところが代表電話には不特定多数の取引先から電話がかかってくるため、どのように対応してよいのか悩み、苦手とする若手社員が非常に増えてきました。
電話が取れない人もいることを踏まえて考えると、これからの時代は全員が代表電話を取るフォローが大切だといえるのではないでしょうか。営業部門であれば、一本の電話から大きな取引が始まることもあります。鳴っているコールを放置することは機会損失にもつながりますので、おろそかにはできないのです。
代表電話への対応のツボ
代表電話への対応は「会社を代表して応答すること」であり、ビジネスマナーを守って品位を保つことが大切です。ここからは、代表電話の対応のツボをまとめていきます。
代表電話対応の準備
まず準備すべきことは下記の3点です。
- 電話の機能を理解しておく
- 転送する際の担当者や内線表を調べておく
- 必ず筆記用具とメモを用意する
他の社員に対してかかってきた電話は、保留にして転送する必要があります。このときに、電話の保留ボタンや転送の仕方が分からないと誤って電話を切ってしまうミスが生じます。
さらに、担当者が電話中や不在だった場合には、必ずメモを残すようにしましょう。このときには、相手の企業名・部署名・名前、要件と伝言の内容、コールバック(折り返しの電話)が必要かどうか、さらに電話を受けた日時や自分の名前を明記することが大切です。
電話対応のツボ
次に、電話での会話全体を通した対応のツボを下記にご紹介します。
- 少なくとも3コールまでの間に電話を取る
- 明るく元気よく対応する
- 適切な敬語や敬称を使う
- 最後は相手が電話を切ってから静かに受話器を置く
多くの会社では、「3コールまでに電話を取る」などと決められています。場合によっては1コールで取るようにしている会社もあるほどですから、早く出ることに越したことはありません。
また、タメ口で話してしまう新入社員もいるかもしれませんが、しっかりとした敬語や敬称で対応するようにしましょう。さらに、電話を切る際にも「ガチャン」と電話機を置くのではなく、相手が電話を切ったことを確認してから切るようにしましょう。
トークの流れとテンプレート
最後に、一般的なトークの流れとテンプレートを紹介します。
ここで例として挙げるのは、「取引先の中村さんから営業の佐藤さんに対して電話があったときに、総務部の新人である山田さんが行うべき対応」です。
1)お電話ありがとうございます。◯◯株式会社でございます。山田が承ります。
→相手が名前を名乗る。
2)いつもお世話になっております。中村様でいらっしゃいますね。本日はどのようなご要件でしょうか。
→営業部の佐藤さんに代わってほしいという内容。
3)佐藤でございますね。少々お待ちいただけますでしょうか。
→保留にして佐藤さんに内線をかけるが不在。
4)お待たせいたしました。大変申し訳ございません。佐藤は、ただいま席を外しております。折り返し佐藤からお電話いたしますので、恐れ入りますが電話番号と部署名とお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。
→中村さんが電話番号を告げる。
5)確認いたします。XX-XXXX-XXXX、株式会社△△、生産管理部の✕✕様でよろしいでしょうか。
→「間違いありません」という答え。
6)ありがとうございます。山田が承りました。
7)お電話ありがとうございました。失礼いたします。
電話の応答を専門に行っているコールセンターでは、このような応答の流れをまとめたものを「スクリプト」と呼んでいます。
当然のことながら相手によってはイレギュラーな質問をしてくることがあり、臨機応変な対応が必要になります。ですから、実際の問い合わせをもとにスクリプトをアップデートしていくようにすると良いでしょう。
代表電話を廃止する企業が増えている
ここまで代表電話について説明してきましたが、実は代表電話を廃止する企業が増えているのをご存じでしょうか。理由はさまざまですが、以下のようなものが挙げられます。
- 迷惑電話や営業電話がかかってくるから
- 電話の対応が精神的なプレッシャーになるから
- 通常業務の妨げになるから
- 人件費を含めたコスト削減のため
- コロナ禍の影響
コロナ禍の影響で代表電話を廃止する企業が増えた
前述した理由に関して、特に最後の「コロナ禍の影響」は大きいでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大により在宅勤務やテレワークが浸透した結果、オフィスの代表電話を一時的に利用しないようにしたり、あるいはわざわざ交代で出社して代表電話に出たり、代表電話の対応に苦慮する企業も数多くありました。
このような対応の負荷から、固定電話の代表番号を廃止する企業も増えつつあるのです。
代表電話は置きながらも生産性を上げる対策を
廃止する企業も増える代表電話ですが、法人として固定電話による代表電話があることは企業の信用にもつながるため、簡単にやめることはできない現状もあります。特に年配の経営者のなかには、いまだに代表電話を信用の証としてとらえている人が少なくありません。
技術的には従来のクラウドPBXなどのほか携帯電話と固定電話を融合したFMC(Fixed and Mobile Convergence)サービスも登場し、家庭の電話回線と同じように固定電話を設置しない傾向もみられます。
一方、従来から代表電話に出ることにより業務が中断してしまうことは「生産性向上を阻む問題」でした。取引先からの案件であれば優先すべきですが、必要のない商材を売り込む営業電話にいちいち対応していると時間のロスになってしまいます。社員は自分たちのコア業務に専念すべきなのです。
代表電話に応答する煩わしさや負荷を軽減する解決策として、電話代行会社やコールセンターに代表電話の応答をアウトソーシングするのもひとつの方法かもしれません。
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