パソコンのキッティングとは?作業手順や注意点・外部委託するポイントも解説!

パソコンのキッティングとは?作業手順や注意点・外部委託するポイントも解説!

パソコンのキッティングとは、本体の初期設定を行ったり、必要なソフトをインストールしたりして、すぐに業務利用できる状態にすることです。

従業員数が多い企業の場合、一度に数十台以上のパソコンをキッティングするケースも少なくありません。手間と時間がかかることから、効率化したいと考える担当者もいるのではないでしょうか。そこでおすすめなのがキッティングの外部委託です。

この記事では、パソコンのキッティングを行う際の手順や外部委託するメリット、外部委託を導入する際に気をつけるべきポイントなどについて解説します。

目次

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    パソコンのキッティングとは?

    パソコンのキッティングとは、本体のセットアップを行ったり必要な各種アプリケーションをインストールしたりして、すぐに業務で使用できるような状態にすることです。

    その他にも、モニターやマウスといった周辺機器を接続したり、ライセンスの認証チェックを行ったりもします。

    パソコンのキッティングは、新入社員の入社時や、部署異動で新たな社員が配属された際に行われることが多い業務です。時には全社的にソフトの入れ替えを行うこともあり、そうなると膨大な工数が想定されます。場合によっては残業や休日出勤となることも珍しくありません。

    また、キッティングの不備は業務ストップに繋がるため、「絶対にミスが許されない」というプレッシャーが伴います。これらのことから、情報システム部門にとってキッティングは、かなり負担がかかる業務となっているのです。

    さらに、キッティングを行う際には、社内にある程度の作業場所や保管場所も必要となるので、それが確保できずに困っている企業も少なくありません。

    パソコンのキッティングを行う方法は2通り

    パソコンのキッティングを行う方法は、2通りあります。

    • 方法(1)手作業
    • 方法(2)クローニング 

    それぞれの特徴について紹介します。

    方法(1)手作業

    手作業の場合、一台ずつキッティングを行います。事前準備する必要がなく、パソコンがあればすぐに着手できるため、台数が少ない場合には、短時間で終わらせることが可能です。

    ただし、パソコンの数が多いと、非常に時間がかかります。また、ヒューマンエラーが発生するリスクもあるので、注意が必要です。

    方法(2)クローニング

    クローニングとは、多数のPCをキッティングする際に元となる環境を決め、その環境をクライアントPCに一斉にコピーする方法のことです。

    クローニングの場合、大量のパソコンをまとめてキッティングすることが可能であるため、業務の効率化だけでなく、品質の均一化を図ることができます。

    当然ながら、最初に元となるマスターPCの作成が必要です。マスターPCを作成するためには、専門的な知識やスキルが求められます。また、マスターPCが完成するまでに1カ月ほど時間がかかる場合があるので、注意しましょう。

    パソコンのキッティングを行う際の手順

    パソコンのキッティングを行う際の手順を、手作業とクローニングに分けてそれぞれ紹介します。

    手順(1)手作業の場合

    パソコンのキッティングを手作業で行う場合の手順は、以下の6ステップです。

    1. キッティングするパソコンの電源をつける
    2. ログインユーザーを作成する
    3. ホスト名やIPアドレス・Wi-Fiなどを設定する
    4. 業務に必要なソフトをインストールしたり、ライセンス認証を行ったりする
    5. セキュリティや省エネ・ブラウザの明るさなどを設定する
    6. ソフトの脆弱性や問題点を修正するためのセキュリティパッチを適用する 

    手作業でのキッティングが完了したら、管理番号を付けたラベルをパソコンに貼り付けて、忘れずに台帳に記載し、一覧で管理しましょう。

    手順(2)クローニングの場合

    パソコンのキッティングをクローニングで行う場合の手順は、以下の5ステップです。

    1. マスターPCを作成する
    2. SYSPREPコマンドによって、パソコン上にある固有情報を削除する
    3. マスターとなるイメージを抽出する
    4. それぞれのパソコンのブートオーダーを変更する
    5. クローニングを実施する

    クローニングでのキッティングが完了したら、最後に動作確認を行って、問題なく使えるかをチェックしましょう。

    キッティングを自社で行う場合の注意点

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    キッティングを自社で行う場合の注意点は、以下の5つです。

    • 注意点(1)万全なセキュリティ対策を施す
    • 注意点(2)スケジュールに余裕をもって行う
    • 注意点(3)事前準備をしっかり行う
    • 注意点(4)ボリュームライセンスを購入する
    • 注意点(5)ライセンス認証回数の上限値を上げておく 

    それぞれ解説します。

    注意点(1)万全なセキュリティ対策を施す

    有害なサイトの閲覧や不要なソフトのダウンロードによって、ウイルスに感染してしまうケースも十分に考えられます。

    万一顧客情報の流出などが発生した場合、信用を一気に失うリスクがあるので、キッティングを自社で行う場合には、セキュリティ対策を万全に施しましょう。

    注意点(2)スケジュールに余裕をもって行う

    キッティングを自社で行うにあたって、イレギュラーな事態が発生してしまい、スケジュール通りに進まないケースもあります。

    「期日までに作業が完了しない」といったことを防ぐためにも、スケジュールには余裕をもちましょう。また、キッティングにおける人材を必ず確保するため、要員計画にも余裕をもたせることが重要です。

    注意点(3)事前準備をしっかり行う

    キッティングは単純作業ではありますが、ミスは許されないため、事前準備をしっかり行う必要があります。

    具体的には、作業手順書を作成し、検証作業のチェックシートを用いて作業漏れを防ぎます。資産管理台帳の記入し、アカウントやツールも管理することも忘れずに行いましょう。

    なお、クローニングの場合は、キッティングを行う前にマスターPCの作成が必要です。

    注意点(4)ボリュームライセンスを購入する

    クローニングの場合、マスターPCを作成するにあたって、ボリュームライセンスに付随する「再イメージング権」が必要となります。

    そのため、ボリュームライセンスを必ず購入しましょう。もし、購入しない状態でクローニングしてしまうと、ライセンス違反となるので、注意が必要です。

    注意点(5)ライセンス認証回数の上限値を上げておく

    クローニングの場合、パソコン一台ごとにライセンス認証を行う必要があります。そのため、ライセンス認証回数の上限値を上げておきましょう。

    ライセンス認証回数の上限値を上げないと、認証されずクローニングできないので、注意してください。

    構築技術と周辺機器の選定について

    パソコンのキッティングには、構築技術と周辺機器の選定が重要です。キッティングの際に、適切な技術と機器を選ぶことで、より効率的な作業や高いパフォーマンスを実現できます。効果的にキッティングを行う上でのポイントを4つ挙げて解説しましょう。

    • 周辺機器の選定と効果
    • 適切な設備とネットワーク環境
    • ワンストップサポートの重要性
    • 保守と運用の重要性

    周辺機器の選定と効果

    まず、キッティングの作業内容は、OSのインストールや必要なアプリケーションのセットアップなど、基本的な作業が含まれますが、それに加えて周辺機器のセッティングも行うことが重要です。

    周辺機器とは、モニターやキーボード、マウス、プリンターなどのパソコンに接続するデバイスのことです。これらの機器を正しく設置することで、ワーキングエリアの使いやすさや作業効率の向上に繋がります。

    適切な設備とネットワーク環境

    キッティングにおいては、適切な設備やネットワーク環境も重要です。キッティング作業を行うためには、十分な帯域幅をもった高速なネットワーク環境が必要です。
    さらに、データの展開や移行の際には、クラウド上のデータやバックアップからの復元作業も必要となることがあります。

    ワンストップサポートの重要性

    キッティング作業においては、ワンストップのサポートを提供することも重要です。ワンストップサポートとは、キッティングにおけるすべての業務を一括でサポートすることを意味します。
    これにより、拠点ごとの作業の差異を解消し、一貫性のあるキッティング作業を実現できます。

    また、キッティングに関連する技術やノウハウも重要です。たとえば、タブレットやスマートフォンのキッティングも行う場合、操作や設定方法が異なる場合があります。これらの技術をもったスタッフが在籍していると、幅広い端末への対応が可能となります。

    保守と運用の重要性

    さらに、キッティング作業が終了した後に重要なのは、保守や運用です。IT環境の整備は、業務効率化に繋がりますので、パソコンの定期的なメンテナンスやセキュリティ対策が求められます。
    運用を進めるにあたり、違う拠点など遠隔地とのやり取りも想定されるので、ICTの専門知識があれば、コミュニケーションもスムーズに進めて行くことができるでしょう。

    データ消去の重要性

    パソコンのキッティングにおいて、データの消去は非常に重要です。新たなユーザーが利用する前に、旧ユーザーのデータを完全に削除する必要があります。
    なぜなら、個人情報や機密データが含まれている可能性があり、情報漏洩のリスクが生じるからです。
    キッティングする場合のデータ消去について、それぞれ確認しておきましょう。

    • データ消去の方法
    • OSやアプリケーションの設定初期化
    • 法的な要求事項への対応

    データ消去の方法

    データの消去には、通常のフォーマットではなく、データを完全に上書きするツールを使用する必要があります。キッティングツールには、データを消去するための機能も備わっており、この機能を活用することで安全なデータ消去が可能となります。

    OSやアプリケーションの設定初期化

    データの消去だけでなく、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションの設定も初期化する必要があります。これにより、新たなユーザーが利用する際にスムーズな操作が行えるようになるでしょう。

    法的な要求事項への対応

    データの消去は、セキュリティ面だけでなく法的な要求事項にも関連しています。企業は、個人情報保護法や関連法令に基づき、適切なデータの消去手続きを踏む責任があるのです。外部委託する場合にも、委託先が適切なデータ消去手続きを実施できることを確認する必要があります。

    パソコンのキッティングにおいて、データの消去はユーザーの個人情報保護やセキュリティ確保において非常に重要な要素であるため、慎重な対応が求められます。適切なツールや手順を用いて、データの確実な削除を行うことで、安全性を確保しましょう。

    パソコンのキッティングを外部委託するメリット

    パソコンのキッティングを自社で行うのが難しいのであれば、外部にアウトソーシングするのがおすすめです。具体的なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

    • メリット(1)担当者の負担を軽減できる
    • メリット(2)ミスやトラブルを防げる
    • メリット(3)コストの削減につながる

    順番に解説します。

    メリット(1)担当者の負担を軽減できる

    キッティングは手間や処理時間がかかるだけでなく、ミスが許されないので負担が大きいと感じる担当者がほとんどです。

    外部委託すれば、自分たちの代わりにキッティングをすべて行ってくれます。また、デバイスの初期不良やトラブルが発生した場合も対応も任せられる以外に、デバイスごとに設定内容やソフトウェア・付属品の管理などもリスト化し、納品してもらえるサービスもあります。その結果、担当者の負担を大幅に軽減できるでしょう。

    メリット(2)ミスやトラブルを防げる

    キッティングを外部委託することで、知識や経験豊富なプロがキッティングを行ってくれます。自社で行うよりも確実にミスやトラブルを防げるので、セキュリティ面でも安心です。

    メリット(3)コストの削減につながる

    自社でキッティングを行う場合には、手作業もしくはクローニングのどちらを選んだとしても手間や時間がかかり、人件費も発生します。

    外部委託することで当然費用が発生しますが、トータルで考えるとコストの削減につながるはずです。

    パソコンのキッティングを外部委託するポイント

    パソコンのキッティングを外部委託する際には、以下に挙げる3つのポイントに気をつけましょう。

    • ポイント(1)実績が豊富にあるか
    • ポイント(2)何台まで対応してくれるか
    • ポイント(3)料金プランは適切か

    それぞれ解説します。

    ポイント(1)実績が豊富にあるか

    実績が乏しい業者にパソコンのキッティングを依頼してしまうと、セキュリティ対策が甘かったり、作業漏れがあったりといったリスクが生じる恐れがあります。

    満足のいく結果が得られないケースもあるため、実績が豊富にある業者に依頼しましょう。実績は公式サイトに掲載されていることがほとんどなので、実際に確認してみるのがおすすめです。

    ポイント(2)何台まで対応してくれるか

    小規模な業者だと、パソコンのキッティングを依頼できる上限が決まっている場合もあります。

    そのため、何台まで対応してくれるのかを事前に確認しましょう。このとき、納期についても忘れずに確認することが必要です。

    ポイント(3)料金プランは適切か

    業者によって、料金はさまざまです。決して安いからいいというわけではないので、プラン内容をしっかりと確認したうえで、比較検討することが大切になります。

    これまでの実績や対応してくれる台数を踏まえたうえで、料金プランが適切かどうかを判断しましょう。

    キッティングの外部委託ならパーソルビジネスプロセスデザイン

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    この記事では、パソコンのキッティングを行う際の手順や外部委託するメリット、気をつけるべきポイントなどについて解説しました。

    キッティングを社内で行う場合には、万全なセキュリティ対策を施したり、スケジュールに余裕をもたせたりすることを意識しましょう。

    外部委託することで担当者の負担を軽減できたり、ミスやトラブルを防げたりするので、自社でリソースを確保するのが難しい場合には、検討してみるのがおすすめです。

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    パーソルビジネスプロセスデザインでは、「ヘルプデスク」サービスを提供しており、経験豊富なサポートチームが、お客様のオフィスに常駐してキッティングを行います。

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