キッティングサービスとは?具体的な作業やメリット、選び方をわかりやすく解説

キッティングサービスとは?具体的な作業やメリット、選び方をわかりやすく解説

『キッティング』とは、PCやスマートフォンなどのIT機器導入時に行う“セットアップ”を含む準備作業のことです。PCなどの機器は購入後、使用するために必要な各種設定、ソフトウェアのインストールなど、利用する環境に合わせてセットアップを行う必要があります。これらの作業全般を請け負うのが「キッティングサービス」です。

キッティングサービスを利用することで、作業負担や設定ミスの軽減、セキュリティの向上などが期待できます。そのような理由から、外部のキッティングサービスを利用する企業が増えています。そこで本記事では、キッティングサービスを活用するメリットや、サービスの選び方について詳しく解説していきます。

目次

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    キッティングサービスとは何か

    キッティングサービスとは、キッティング作業全般を代行してくれるサービスです。専門業者に作業を委託することで、作業負荷の軽減だけでなく、設定漏れなどのミスを防ぐことにもつながります。まずは、言葉の定義から確認してみましょう。

    1-1. そもそもキッティングとは

    「キッティング」はIT用語であり、PCやスマートフォンの他、業務で利用する各種デバイスを“すぐに利用できる状態”にすることを指します。キッティングされた状態の機器があれば、すぐに業務を始められるというわけです。

    1-2. キッティングが必要な理由

    購入したばかりのPCは、業務に必要なソフトやツールは入っていませんし、ネットワーク設定などは行われていません。PCを利用するためにも、キッティングが必要なのです。新入社員の入社時、IT機器の買い替え、オフィスの開設、移転時などには、大量のキッティング作業が必要となります。

    1-3. キッティングとセットアップの違い

    キッティングに類似するのが「セットアップ」という言葉です。それぞれの意味は以下の通りです。

    • セットアップ……PCにソフトウェアを導入し、使用できる状態にすることです。
    • キッティング……IT機器を使える状態にするまでの作業全般を指します。開梱作業やPCの各種設定、ラベルの貼り付けなどの作業も含まれます。

    「キッティング作業の中に、ソフトウェアやツールのセットアップ作業も含まれる」とイメージしていただけると分かりやすいと思います。

    キッティングの方法

    キッティングの方法は主に2種類に分けられます。それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。

    方法(1)手作業で1台ずつ実施する

    設定する台数が少ない場合に向いています。
    メリットは、事前準備が必要ないため、すぐに始められることです。デメリットとしては、属人的な作業になるため、専門担当がいないと始められないことや、人為的ミスが起きる可能性があることが挙げられます。

    方法(2)クローニングで複数台まとめて実施する

    『クローニング』とは、複製元となるマスターPCを作成し、マスターPCの中身を丸ごと他のPCに反映させる方法です。設定する台数が多い場合に向いています。

    まずメリットは、下記の通りです。

    • 一度に大量のキッティングが可能なため、作業効率が高い
    • 同じ設定を丸ごと他のPCに反映させるため、品質を均一化できる

    一方のデメリットは、下記の通りです。

    • マスターPCに設定を組み込む際に、時間がかかる
    • 専門知識が必要になる 機種ごとにマスターイメージが異なるため、毎回手間がかかる

    キッティングサービスで行われる具体的な作業

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    キッティングサービスでは、具体的にどのような作業を行うのでしょうか。ここでは、PCのキッティングを例に、キッティングサービスで行われる具体的な作業を紹介します。

    3-1. キッティングサービスの主な作業

    キッティングサービスでは、主に以下のような作業を実施します。

    • 開梱作業
    • 周辺機器の接続(モニター、マウス、キーボード、ペンタブレットなど)
    • 初期動作の確認
    • BIOSのセットアップ
    • OSやソフトウェアのインストール
    • PCの各種設定(プリンター設定、ネットワーク設定など)
    • セキュリティパッチの適用
    • ドメイン参加
    • 不要なデータの消去
    • ラベルの貼り付け
    • 拠点への納品

    また、PCには以下のようなソフトウェアをインストールします。

    ・業務用ソフトウェア

    業務で使用するソフトウェアは、職種によって異なります。同じ企業内でも部署によって必要なソフトウェアが異なることもあるため、複数のソフトウェアを、対応するPCにインストールする必要があります。

    ・アンチウイルスソフトウェア

    セキュリティ対策は企業によって異なります。指定されたアンチウイルスソフトのインストールも重要な作業です。

    ・暗号化ソフトウェア

    企業の情報漏洩を防ぐ対策として、ハードディスクやSSDなどのデータを暗号化するソフトウェアもインストールする必要があります。

    PCに標準搭載されているソフトウェアや、ソフトウェアインストールの際に書き込まれる補助ファイルなど不要なデータをそのままにしておくと、ストレージ容量を圧迫する原因になります。インストールや各種設定が完了したら、それら不要なデータファイルは全て消去します。

    3-2. その他の作業

    その他、以下のような作業も含めてトータルでサービスを提供する事業者もあります。

    • 機器の調達
    • ソフトウェアの選定、調達
    • 機器の設置、配線

    PCやスマートフォンだけでなく、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器のキッティングを請け負っている事業者もあります。

    キッティングサービスを活用するメリット

    年度替わりの時期や新入社員が入社する時期には、機器の導入および買い替えを一斉に行う企業も多く、大量のキッティング作業が発生しやすくなります。そういった場合、作業の負担を軽減するためには外部のキッティングサービスを活用するのもひとつの方法です。

    以下では、キッティングサービスを活用するメリットについて具体的に説明します。

    メリット(1)作業負荷が軽減できる

    キッティング作業には、多くの工程があるため、機器の台数が多ければ、それだけ作業者の負担が発生することになります。
    ですから、外部のキッティングサービスを活用することで、自社の作業負担を大幅に軽減できるようになるでしょう。自社でキッティングする場合にかかるリソースを、社内の重要な業務に割り当てることもできるわけです。

    メリット(2)短期間でセットアップが完了する

    自社でキッティングをする場合、実際にかかる工数が把握しにくく、機器を使用できるようになるまでにはどうしても時間がかかります。

    キッティングを専門とするプロに作業全般を任せることで、自社で対応するよりも、短期間でセットアップが完了します。また、キッティングサービスを利用すると、機器が届いた時点ですぐに稼働させられることになります。

    メリット(3)作業品質が均一化される

    キッティングサービスでは、クローニングによって複数台をまとめてキッティングしたり、自動化ツールを使って作業を実施したりするため、作業漏れやミスが発生しにくく、機器の品質が一定以上に保たれます。

    機器の初期不良やトラブルが発生した場合でも、ノウハウを持つ専門業者によって臨機応変に対応してもらえるため、影響を最小限に抑えられます。

    メリット(4)適切なセキュリティ設定が可能

    自社でキッティングする場合、担当者の知識や経験に左右されることが多く、作業漏れやミスの可能性が高まります。もしセキュリティ設定に漏れがあると、ウイルス感染情報漏洩など、企業にとって重大な問題につながる可能性もあります。

    キッティングサービスでは、キッティングのプロが細かい箇所までセキュリティ対策を実施しますので、ミスや設定漏れの危険が軽減できます。

    メリット(5)作業場所の確保が不要

    キッティング作業では、機器を箱から出して、設定やセットアップを実施し、終わったらまた箱に戻して保管するといった一連の作業が発生します。機器が複数台になる場合、作業には多くのスペースが必要となりますが、キッティングサービスを利用することで、自社内に作業場所を確保する必要がありません。

    キッティングサービスを選ぶ時に確認すべきポイント

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    キッティングサービスを利用する際には、自社に適したサービスを選ぶことが重要です。
    確認すべきポイントとして以下の6つが挙げられます。

    • 料金
    • 対応可能台数と期間
    • 対応エリア
    • セキュリティ対策
    • サポート内容
    • キッティング作業の実績

    以下で、それぞれ詳しく解説していきましょう。

    ポイント(1)料金

    キッティングサービスの料金体系は、サービス提供事業者によって異なります。ほとんどの場合、機器の台数が多いほど1台あたりにかかる費用は安くなります。大量の機器をまとめて依頼したい場合は、費用が抑えられる可能性があるでしょう。

    一方で、台数が少ない場合は価格に見合ったメリットが得られない可能性があります。自社でキッティングする場合の労力や人件費と、キッティングサービスを利用した場合の料金を比較した上で、サービスの利用を検討するようにしましょう。

    ポイント(2)対応可能な台数と期間

    サービス提供事業者によって、対応可能な台数や期間が異なります。特に大量の機器をまとめてキッティング依頼する場合には、導入予定日までに全てのキッティングが完了するかを事前に確認しておきましょう。

    納品希望日が決まっている場合には、納期の早いサービス提供事業者を選ぶなど、ある程度スケジュールに余裕を持って依頼することも重要です。また、サービス提供事業者によっては「〇台以上」など、依頼する機器台数の規模感を指定されており、少ない台数では対応してもらえないサービスもありますので、注意しておきましょう。

    ポイント(3)対応エリア

    キッティングサービスを依頼する機器は、サービス提供事業者へ発送する必要があります。納品時も事業者からの返送作業が必要になります。キッティング作業場所が遠い場合には、その分、郵送の時間がかかってしまうため、事前に確認しておくようにしましょう。

    なかには、特定の地域のみを対象としてサービスを提供している事業者もあります。対応エリアについても事前の確認が必要です。

    ポイント(4)セキュリティ対策

    サービス提供事業者のセキュリティ対策も重要です。キッティング時の初期設定の中には、社外に流出してはならない情報も含まれます。機器を扱うサービス提供事業者側のセキュリティ対策が甘いと、情報漏洩につながってしまう可能性もあります。

    キッティング作業場所に、監視カメラや認証システムなどを導入しているサービス提供事業者もあります。サービス選定の際は、キッティング作業場所の監視体制やセキュリティ対策をチェックしましょう。

    ポイント(5)サポート内容

    キッティングサービスでは、機器の各種設定、動作確認などあらゆる作業を依頼できますが、サービス提供事業者によって依頼できる範囲が異なるため、どこまでの作業を依頼したいのか明確にしておく必要があります。

    また、機器の使用中にトラブルや不具合が生じる場合もあります。想定外の状況に対し、アフターフォローが保証されていれば安心です。キッティング作業だけでなく、その後のサポート体制が用意されているサービス提供事業者もありますので確認しておきましょう。

    ポイント(6)キッティング作業の実績

    キッティングサービスを選ぶ際は、実績がある事業者かどうか確認するのもポイントです。

    実績の少ない事業者に依頼すると、予期せぬトラブルが発生することもあります。特に依頼したいキッティング作業の実績があるかは確認しておきましょう。

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