HDIの認定を得るにはどうすればいい?HDIの格付け調査や「五つ星」などを徹底解説

HDIの認定を得るにはどうすればいい?HDIの格付け調査や「五つ星」などを徹底解説

コールセンターを有している企業の皆様は、自社のコールセンターにどのような目標を立て、オペレーターの日々の業務をどのように評価しているでしょうか。

「自社コールセンターをどう評価し、どう成長させていくか」は、すなわち経営課題といえます。なぜなら、コールセンターは自社の顧客満足度の向上に貢献する部門だからです。

この記事では、そんな自社のコールセンターを継続的に成長させていくために必要な『現状認識・評価/格付け・目標設定』を、HDI-Japan(※)の仕組みを通じて行っていく方法について、詳しく解説させていただきます。

※HDI-Japan:ITサポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体

目次

    もっと見る▼

    HDIとは何なのか

    HDIは、1989年にアメリカで設立されましたが、ITサポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体であり、同業界において世界で初めて『国際認定資格制度』を築きあげたことが特徴といえます。

    HDIには世界で50,000を超えるメンバーと100の支部/地区会が存在し、米経済誌『フォーチュン』の世界上位に名を連ねる企業の多くも加盟しています。そんなHDIは、ビジョンとして「卓越したカスタマエクスペリエンスでビジネスを成功させる」と掲げています。

    「カスタマエクスペリエンス」とは何なのか

    HDIのビジョンにも出てくる『カスタマエクスペリエンス』とは、「顧客体験」「顧客体験価値」と訳されます。「ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験」をもとに、企業のマーケティングの方向性を設定していこうという考え方です。

    つまり、卓越した「顧客視点での体験」を実現させ、顧客企業のビジネスを成功へと導くために、カスタマサービス・テクニカルサポートを底上げするための活動をしているわけです。

    HDIの主な活動

    HDIの活動を改めて整理してみましょう。

    HDIは、カスタマサービス・テクニカルサポートのプロフェッショナル向けに『HDI国際年次カンファレンス』というカンファレンスイベントを開催しています。HDIはそのカンファレンスの運営者であり、どのベンダーからも中立となり「人的ネットワーク」や「情報共有」を活発化させる役割を担っています。

    HDI-Japanとは

    先ほど「世界で50,000を超えるメンバーと100の支部/地区会が存在する」と記しましたが、HDI-Japanは、日本のサポートサービス業界の要請に応えて、世界のHDIと同じコンセプトで2001年に設立された団体です。日本国内のサポートサービス業界に向けて、イベントやカンファレンス、トレーニングコースを実施しています。

    なお、HDI-Japanはシンクサービス株式会社(本社:神奈川県川崎市)により運営されています。

    HDI-Japanが日本国内のサポートサービス業界に提供している主なサービス

    シンクサービス株式会社が運営するHDI-Japanでは、どのようなサービスが提供されているのでしょうか。代表的なものとして、以下の7つのサービスがあります。

    1. サポートスタッフとサポートセンター向けの国際認定プログラム
    2. 国際認定プログラムに関連するトレーニングコース
    3. 出版及びメンバーシップサービス
    4. イベント及びカンファレンスの開催
    5. アセスメント及びコンサルテーション支援サービス
    6. 格付けベンチマーキング
    7. 海外視察ツアー及び国際企業連携サポート

    HDIが行う「格付け調査」とは

    /img/sample/dummy.jpg

    先ほど6つ目のサービスとして取りあげた「格付けベンチマーキング」ですが、HDIには『公開格付け調査』という仕組みがあります。

    「Webサポート」の有効性と「企業の問合せ窓口のサポート内容」について、HDI国際サポート標準の基準にもとづき、顧客視点で三つ星~星なしの4段階で格付けをしていくものです。

    「格付け調査」の調査業界と、審査員の選出

    「格付け調査」では、1年間で12業界の調査が行われています。そして、調査業界の選出は「格付け実行委員会」により毎年設定され、それと同時に毎年見直されていきます。

    また、公開格付けの審査員は、一般消費者のボランティアによる一般審査員と、HDIの国際認定資格を有する専門審査員で構成されます。一般審査員は適正審査を行ったうえで、HDIのWebページより誰でも申込むことができます。

    審査にあたっては、コール数の制限や調査スクリプトなどはなく、『顧客視点』のサポート品質を評価する仕様になっています。各審査員が自ら感じた質問をぶつけて、調べたいだけ調べるという形態になっているのです。

    格付けベンチマークレポート(調査結果)

    格付け調査の結果は、毎月の調査が終了すると順次公開されていきます。
    顧客視点に基づいて、各企業の問合せ窓口の「パフォーマンス」「クオリティ」「Webサポート」が評価され、格付けされています。

    評価基準のベースには『HDI国際スタンダード』を使用しており、スタンダードをよく理解しているHDI国際認定オーディタ/HDI認定インストラクタが同じ指標を用いて評価しています。そこに、一般顧客の評価を含めて専門家の視点から分析コメントが加えられています。

    三つ星をとる効果とは

    それでは、「格付け調査」によって『三つ星』を獲得すると、企業にはどのような効果があるのでしょうか。大きく3つの効果について解説してみましょう。

    三つ星獲得効果(1)優位性

    「格付け調査」によって『三つ星』を獲得すると、自社のコールセンター・カスタマサービスの優位性を社内外に広くアピールすることが可能になります。

    これにより、自社のコールセンター・カスタマサービスの価値を『相対的な強み』として認識してもらえる効果が高まります。

    三つ星獲得効果(2)モチベーション

    自社のコールセンター・カスタマサービスが、『三つ星獲得』というゴールに向かって活動することによって、内部的に一致団結することになります。それにより、全体のモチベーションが向上する、という効果も期待できます。

    時に単調になってしまうこともある日常業務の中で、社外機関が開催する客観調査を目標として持つことは、社内の活性化にも有効なのです。

    三つ星獲得効果(3)顧客満足度

    「格付け調査」によって『三つ星』を獲得するということは、顧客視点で評価・改善するポイントを見つけることでもあります。

    その顧客視点での評価・改善する方法を定着させるための活動によって、個々のオペレーターのスキルアップ・レベルアップが可能になります。その結果、対応する顧客の満足度が向上していくことになります。

    「HDIサポートセンター国際認定スタンダード」とは

    続いて、サポートセンターを認定する制度について説明します。
    HDIでは、「HDIサポートセンター国際認定スタンダード」というプログラムがあります。これは、サポート業界で唯一の「サポートセンターに特化した国際スタンダードに基づくセンター認定プログラム」です。

    HDI国際認定オーディタ(監査官)が、資料の確認や現地の観察、インタビューなどを通して監査(オーディト)を行います。その監査によって一定の基準をクリアすることが確認できると認定されることになります。

    このプログラムにより、自社のコールセンター・カスタマサービスのあるべき姿を追求することができ、認定を取得することで『国際的に非常に優れたサポートセンターである』ということが証明されるのです。

    HDIサポートセンター国際認定スタンダード

    もう少し詳しくこのプログラムを見てみましょう。

    HDIサポートセンター国際認定スタンダードは、EFQM(欧州品質管理財団)をベースにさまざまな国際品質標準を参考に設計されています。具体的には、サポートセンターに必要な『8つの要素』から構成されており、全部で80のスタンダードと各スタンダードに対して4段階の成熟度/完成度が示されています。『8つの要素』とは、次のとおり『効果的要因の5要素』と『結果の3要素』から構成されています。

    <効果的要因の5要素>

    1. リーダーシップ
    2. 方針と戦略
    3. 従業員管理
    4. サポート資源
    5. プロセスと手順 

    <結果の3要素>

    1. 従業員満足
    2. 顧客満足
    3. 実行結果 

    『国際認定センター』になるメリット

    /img/sample/dummy.jpg

    HDIサポートセンター国際認定スタンダードに基づいて『国際認定センター』となるメリットについては、大きく4つあります。1つずつ見てみましょう。

    メリット(1)優秀なセンターである証明ができる

    『国際認定センター』になるということは、自社のコールセンター・カスタマサービスが国際レベルにおいて優秀なセンターであることの証明ができることになります。また、顧客やクライアントに、国際レベルのコールセンター・カスタマサービスであると証明できます。

    それと同時に、競合他社に対する優位性の証明にもなりますので、競合他社との差別化を明確にすることができるでしょう。

    メリット(2)改善が容易にできる

    『国際認定センター』になる過程において、国際スタンダードに基づいて自社のコールセンター・カスタマサービスの改善をすることができます。なぜなら、第三者からの詳細な現状分析によって改善ポイントが明確になるからです。

    メリット(3)従業員のモチベーション向上

    『国際認定センター』になる過程において、従業員のモラルや定着率の向上も期待できます。
    認定取得へ向かうプロセスそのものが、従業員の気持ちを一つにさせ「一致団結」を可能にしてくれます。

    メリット(4)ブランド力の向上になる

    『国際認定センター』になることで、HDI認定センターマークを使用することができるようになります。

    これは、「マーケティングツール」として、パッケージ・名刺・プレゼンテーションなどに活用できます。顧客やクライアントに対してアピールすることもできますので、ブランド力の向上にもつながるでしょう。

    格付け調査で「五つ星」を獲得するには

    HDIの格付けには三つ星だけでなく「五つ星」があります。五つ星規格は、三つ星の顧客視点で満足度の高いサービス提供ができていること、サポートセンター内の「ピープル」「プロセス」「テクノロジー」が国際的なベストプラクティス(SCC)の観点で一定評価を得ていること、などが達成された企業にのみ付与される認証です。

    つまり、五つ星を獲得するセンターは、顧客満足度の高いサービスを行ない、社内外ともに認められた最高のサポートセンターと言えます。

    HDI格付け三つ星センターは、顧客視点で卓越したサービスを提供していることが証明されていますが、五つ星はビジネス上でさらに付加価値の高い「社内外ともに誇れるコールセンター・カスタマサービス」と言ってよいものです。

    「五つ星」はどのように監査されるのか

    五つ星は、HDIサポートセンター国際認定スタンダードを用いて監査されます。
    HDI認定オーディタが、HDIサポートセンター国際認定(SCC)スタンダードに基づく現地監査(オーディト)を行います。

    スタンダードは8つの要素から構成されていますが、五つ星認証では5つの効果的要因の要素(55スタンダード)を監査し、一定の基準をクリアすると認証取得となります。

    HDI三つ星、五つ星獲得認定を得るならパーソルビジネスプロセスデザインへ

    HDIのサービスおよび、三つ星・五つ星について説明してきました。

    HDI三つ星・五つ星の獲得に向けて具体的に動きだしたいという場合には、三つ星・五つ星の『獲得支援サービス』がありますのでご活用を検討してみてください。

    三つ星・五つ星の『獲得支援サービス』は、HDI-Japanが認定する唯一のストラテジックパートナーであるパーソルビジネスプロセスデザインが提供しているサービスです。皆様のセンターが三つ星・五つ星を獲得できるように支援するサービスをご提案しています。

    具体的なご提案については、お客さまのニーズに合わせて個別にカスタマイズさせていただいております。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

    pwdbanner-service-hdi-evaluation (3516)

    関連サービス

    コンサルティング支援

    コンサルティング支援

    コールセンター・ヘルプデスクの応対品質改善や生産性向上などを支援するコンサルティーションを提供しています。

    このページをシェアする

    • Xシェアボタン
    • Facebookシェアボタン
    • Linkedinシェアボタン