コールセンターの応対マニュアルや応対テンプレートの種類、作り方について徹底解説

コールセンターの応対マニュアルや応対テンプレートの種類、作り方について徹底解説

コールセンターは多くの場合、複数人のオペレーターで応対するため、どうしても品質にばらつきが生まれやすくなってしまいます。
そういったばらつきを均一化するのに役立つのが、応対マニュアルや応対テンプレートです。

マニュアルやテンプレートは、顧客の問い合わせに対して「応対品質の維持」や、「迅速な対応をする」ために役立ちます。

しかし、作成する際に目的やポイントを押さえていないマニュアルでは、効果が半減してしまいます。

本記事では、コールセンターの応対マニュアルや応対テンプレートを作る際に必要な知識をまとめていきます。

ぜひ、コールセンターの品質向上にお役立てください。

目次

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    コールセンターにおけるマニュアルの重要性

    多くのコールセンターでは複数人のオペレーターが在籍していますので、マニュアルがなければオペレーターが案内する内容や応対品質にばらつきが生まれてしまいます。それでは顧客の信用や満足は得られません。

    応対品質のばらつきは、クレームの発生や競合他社への乗り換えなどの好ましくない事態につながってしまいかねません。それを避けるには、コールセンター内で応対や処理内容の基準を作り、オペレーターに周知していくことが重要です。そして、そのときに役立つのが、「マニュアル」なのです。

    マニュアルは、コールセンター全体の応対品質を均一化するために必要なものといえるでしょう。

    マニュアル通りの応対だけが正しいわけではない

    マニュアルはコールセンターの品質維持において重要な要素ではありますが、すべての対応をマニュアル通りにすればよいわけではありません。マニュアルの内容「そのまま」の対応は、顧客にとって好ましくない場合もあります。

    コールセンターのオペレーターは、顧客の会話にあわせて柔軟な対応をしなくてはなりません。そのためには、オペレーターがマニュアルの内容を正しく理解したうえで、マニュアルの範囲内で柔軟な対応ができるようになる必要があります。

    マニュアルに記載されている内容「そのまま」の対応では、状況によっては「融通が利かないコールセンターだ」と悪い印象を与えてしまうこともあるでしょう。顧客のニーズを満たすには、まずマニュアルを理解して自社やコールセンターのルールを守りながら対応することが大事な要素といえます。

    コールセンターのマニュアルは4つに分かれる

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    ひとくちに「コールセンターのマニュアル」といっても、以下のように大きく4つに分類できます。

    【コールセンターのマニュアルの種類】

    • 会社の基礎知識 ビジネスマナー
    • 実践テクニック
    • トークスクリプト

    マニュアルの形はさまざまですが、ほとんどのマニュアルがこの4つの内容によって構成されています。
    それぞれどのような内容なのか、詳しく解説していきましょう。

    会社の基礎知識

    コールセンターのマニュアルにおける「会社の基礎知識」とは、以下の内容をまとめたものです。

    【会社の基礎知識マニュアルの主な内容】

    • 会社概要
    • 商品やサービスに関する情報
    • 社内規程

    このように、コールセンタースタッフとして働くうえで知っておくべき基礎知識や会社のルールが該当します。
    そのため、オペレーターは必ず目を通しておく必要があるでしょう。

    ほかのマニュアルに比べ、毎日のように読みこむ必要はほとんどありませんが、会社のルールを確認したい場面では役立つはずです。

    ビジネスマナー

    ビジネスマナーのマニュアルは、電話対応をはじめとしたビジネスマナーやルールをまとめたマニュアルです。
    これは、社会人として押さえておくべき内容であり、顧客対応の基礎でもあります。
    コールセンターの業務をこなすうえで、必ず身につけておく必要がある内容といえるでしょう。

    ビジネスマナーがおろそかだと、このあと解説する実践テクニックなどが身についていたとしても顧客満足度は高まらないかも知れません。ビジネスマナーのマニュアルを徹底することは、顧客対応において重要な項目であるといえます。

    実践テクニック

    実践テクニックのマニュアルは、業務に使用するパソコンをはじめとした電子機器やシステムのマニュアルです。
    オペレーターとして業務にあたる際、必要な機械操作が記載されています。そのため、業務中に繰り返し確認するマニュアルのひとつといえるでしょう。

    顧客対応をしながらの機械操作は、非常に大変なものです。ただ、裏を返せば、機械操作に慣れることで顧客対応はスムーズにできるようになっていきます。ですから、“オペレーターにとって分かりやすいマニュアルを作る”ことが非常に重要なポイントになるのです。

     トークスクリプト

    「トークスクリプト」とは、問い合わせをはじめとした顧客対応の受け答えをまとめた“台本”です。
    実際に顧客応対をする際に、会話のテンプレートとして機能することになります。

    【トークスクリプトに記載されている内容例】

    • 問い合わせの例と回答の仕方
    • 問い合わせに対する案内の仕方
    • 商品やサービスの説明

    トークスクリプトは、以上のような内容が会話形式で記載されています。
    顧客の問い合わせ内容にあったセリフを読み進めることで、オペレーターとしてのスキルや経験が少なかったとしても正しい応対ができる仕組みです。オペレーターがその場で会話を組み立てたり迷うことがない分、負担が軽減されて業務効率が上がる効果があるといえるでしょう。
    また、後述する顧客対応の「ロールプレイング研修」においても、このトークスクリプトは活用することができます。

    応対のテンプレートである「トークスクリプト」の作り方

    コールセンターのマニュアルの中でも、「トークスクリプト」のマニュアルは作り方をイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。そこで、トークスクリプトの一般的な作り方をまとめてみました。順を追って説明します。

    顧客のペルソナを設定する

    まず、顧客の「ペルソナ」を設定します。
    「ペルソナ」とは、マーケティング用語としてよく使われますが、商品やサービスを利用する“ユーザー像”です。コールセンターの場合には、「問い合わせをしてきた顧客」を指すことになるでしょう。

    トークスクリプトは、顧客とオペレーターの会話例を掲載するマニュアルですから、そもそも顧客の基本情報がない状態では作成することができません。そのため、まずトークスクリプトに必要な顧客の基本情報を設定していくのです。

    顧客応対力が高いオペレーターからトーク内容を抽出する

    次に、スクリプトの元となる「トーク例」を集めていきます。具体的には、顧客応対力が高いオペレーターのよく使う言い回しや表現方法を集めていくのです。

    トークスクリプトは実際の会話を軸に作成するマニュアルですから、この作業によってどれだけ顧客対応の見本となる会話を集められるかで、トークスクリプトの完成度が決定してしまいます。大変な作業ではありますがも重要な工程ですので、しっかりと取り組みましょう。

     問い合わせごとにフローチャートを作成する

    顧客のペルソナ決定とトーク内容の抽出が終わったら、問い合わせごとのフローチャートを作成します。
    問い合わせごとのフローチャートは、着電してから問い合わせ対応が終了するまでの工程を図式化し、ひと目で問い合わせの流れがわかる表です。これはトークスクリプトの骨組みといえるでしょう。

    例えば、ある商品に関する問い合わせがきたとします。問い合わせ内容を把握するために、オペレーターは顧客に対してヒアリングを行い、その内容に沿って解決策を提示しなくてはなりません。ヒアリング内容は商品によって異なりますが、以下のような例が挙げられます。

    【ヒアリング内容の例】

    • いつ・どこで購入いただいた商品ですか?
    • 電源ランプはついていますか?
    • 商品の使用後にどのような症状が出ましたか?

    返ってきた回答をもとに、次の質問を投げかけて解決策へと導いていきます。その解決策までの流れをまとめたものが、フローチャートです。このフローチャートを、よくあるケースごとに作成していくわけです。

    情報をもとにスクリプトの書き出し

    フローチャートで流れをまとめ終えたら、それをもとにスクリプトの内容を作成していきましょう。
    フローチャートの流れに沿って、顧客の想定セリフやオペレーターのトークを書きこんでいきます。そうして問い合わせから解決までの一連の流れを書きこんでいけば、トークスクリプトが1つ完成することになります。

    この作業をすべてのフローチャートで繰り返し行っていき、スクリプトを完成させていきます。

    ロールプレイをして内容をチェックする

    トークスクリプトが完成したら、スクリプトに沿ってロールプレイを行っていきましょう。
    スクリプトの文章は、文字の段階では違和感がなくても、実際に会話してみると「なんかおかしいな」と感じる場合があります。ロールプレイは、その違和感を取り除くためにも行う必要があります。

    顧客役とオペレーター役でロールプレイをするなかで、違和感のある表現や実際の作業よりも非効率な部分を発見したら、すぐに改善していきましょう。ロールプレイでは改善する点がなくなるまで繰り返し行うべきです。
    流れの確認と改善が終わったら、ようやくトークスクリプトの「完成」といえるでしょう。

    マニュアル活用におけるポイント

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    以上、マニュアルの種類と内容について説明してきましたが、続いてマニュアルの作成と活用についてです。
    マニュアルの作成と活用には、いくつか重要なポイントがあります。それらを押さえておかなければ、せっかく作ったマニュアルも効果を発揮することができなくなってしまいます。
    ここでは、マニュアルの効果を引き出すポイントについて解説していきます。

    定期的な見直しと改善を行う

    コールセンターでの業務は、サポートしている商品が新しくなったり、サポートしているサービスの仕様が変更されたりするなど、“変わっていく要素”が数多くあります。コールセンターに所属するオペレーターは、これらの変化に対応していかなくてはなりません。

    これはマニュアルも同様です。商品やサービスに変更が発生した場合には、すぐにマニュアルに記載していきましょう。
    また、マニュアルが思ったよりも効果を発揮していないと感じる場合や、オペレーターからマニュアルの内容に関する指摘があった場合も、もちろん見直しや改善が必要になります。

    マニュアルは、一度作って終わりではなく、定期的に見直しと改善が必要なものであると捉えておきましょう。

    見やすさや使いやすさに注意する

    マニュアルは、どんなに優れた内容でも使ってもらわなくては意味がありません。
    使ってもらうためにも、作成する段階で「見やすさ」「使いやすさ」に十分配慮しておくようにしましょう。

    レイアウトや見出しの工夫はもちろん、オペレーターにとって使いやすい機能が必要です。
    例えば、「索引をつけて見やすくする」とか、デジタルデータの場合には「検索機能を搭載する」など、すぐ情報にたどりつくことができるマニュアルはオペレーターの応対品質や処理能力向上にも役立ちます。マニュアルを作成する際は、内容だけでなく機能面にも意識を向けるようにしましょう。

    マニュアルやテンプレート作成は外注も可能

    以上、ご覧いただいて分かるように、マニュアルやトークスクリプトの作成は非常に大変なものです。
    自社で作成することももちろん可能ですが、ノウハウやリソースに余裕がない場合には「外注」も視野に入れてみましょう。

    コールセンター専門企業が提供する「マニュアル作成サービス」であれば、コールセンター業務におけるプロが作るため完成度は当然ながら高いものになるはずです。

    また、マニュアル作成サービスを請け負っている企業の中には、「研修代行」や「FAQ作成」などを行っている企業もあります。
    マニュアル作成を依頼するだけでなく、そのマニュアルをもとにした研修や、顧客対応後のナレッジ管理も代行することが可能になりますので、コールセンターにおける作業の手間やコストを大きく削減できるでしょう。

    私たちパーソルビジネスプロセスデザインでも、マニュアル作成や研修代行、FAQ作成などの様々なサービスをご用意しています
    ご興味がありましたら、下記から詳細をご確認いただき、お気軽にご相談ください。

    まとめ

    マニュアルは、コールセンターの顧客対応品質を均一にするために必要なものです。しかし、書いてある内容をそのまま活用すればよいわけではありません。顧客対応の際には、マニュアルの内容を十分に理解したうえで柔軟な対応をすることが求められます。

    マニュアルには4つの種類があり、それぞれの特徴やポイントもお伝えしました。マニュアル作成は大変ではありますが、質の高い顧客対応を実現するには必要なものといえます。作成後も見直しを繰り返し、よりよいマニュアルになるよう改善していきましょう

    ただし、マニュアル作成は外注することも可能です。コストは掛かりますが、外注だからこそ得られるメリットも多いですから、マニュアルの作成を検討する際には『外注する』ということも視野に入れてみてください

    パーソルビジネスプロセスデザインでは、コールセンターのマニュアル作成やそれに付随する研修・FAQ作成などのご相談も受けつけています。何かありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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