コールセンターの人手不足を解決したい!離職率を低下させる社内改革と効果的なサービスや仕組みを解説

コールセンターの人手不足を解決したい!離職率を低下させる社内改革と効果的なサービスや仕組みを解説

コールセンターの人手不足をどうしよう。改善する方法が知りたい……

このような悩みを持つ担当者は少なくないでしょう。コールセンターの離職率は比較的高く、ほかの業界と比べて1年以内に離職するケースも多いといわれています。

採用や教育コストをかけて人材を育てたにもかかわらず、すぐに辞められるケースが続いてしまうと、企業にとって大きな損失となるので早急な改善が必要です。

本記事では、コールセンターが人材不足に陥りがちな理由、さらには人材不足を解消する方法について解説します。企業が取り組める社内改革や、効果的なサービス・ツールもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

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    コールセンター業界における採用課題

    株式会社リックテレコムが提供する『コールセンター白書2019』によると、オペレーターの採用状況(応募数の確保)について、企業向けのアンケート結果として以下のような回答が得られたようです。

    • 全拠点で十分な応募数を確保できている……19.5%
    • 拠点によってはかなり厳しい……41.4%
    • 全拠点でかなり厳しい……34.1%

    つまり、「応募数の確保は厳しい」と回答した企業は75.5%にも至ることになり、採用課題がないコールセンターは2割以下に留まったのです。また、翌年の「コールセンター白書2020」では、「離職率が3割以上」と回答したコールセンターは、約3割に上ると報告されています。

    このことから、採用難だけでなく高い離職率がコールセンター業界における大きな課題だと考えられるわけです。

    コールセンターが人材不足に陥りがちな理由

    コールセンターは人材の定着率が悪く、人材不足となる傾向にあります。では、オペレーターはなぜ離職に踏み切ってしまうのでしょうか?ここでは4つの理由を解説します。

    理由(1)業務に強いストレスを感じてしまう

    お客様からの入電のなかには、単なる問い合わせ以外にも「クレーム」が含まれることがあります。

    クレーム対応が続いてしまうと、精神的なストレスが強くなり離職につながる恐れがあります。オペレーター自身が起こした問題ではなくとも、お客様からの叱責を受け止めて謝罪する必要があるからです。

    通常の問い合わせの場合でも、なかなかつながらず待たされる時間が長ければ、不満をぶつけられてしまうケースもあるでしょう。また、オペレーターが架電する場合には、ガチャ切りされたり怒鳴られたりすると、大きなストレスを感じてしまいます。

    このように、コールセンター業務ではつらい状況にさらされやすいため、ストレスに耐えきれずに辞めてしまうオペレーターが続出し、人手不足に陥ってしまうのです。

    理由(2)商品やサービスが複雑化していて覚えるのが大変

    コールセンターでお客様対応をするためには、取り扱っている商品やサービスの知識を身につけなければなりません。商品やサービスを把握せずに電話対応をすると、質問に正しく回答することができず信頼を失ってしまう恐れがあるからです。

    しかし、複雑化している料金体系やキャンペーンの特典、解約条件、トラブル対応など、対応範囲は多岐にわたり、すべてを把握することは容易ではありません。お客様ごとに問い合わせ内容が異なるケースもあり、オペレーターは継続してインプットを続けていく必要があります

    扱っている商材によっては研修に半年近くかかる場合もあり、覚えることが多過ぎて辞めてしまうケースも珍しくありません。マニュアルを整備していてもお客様との実際のやり取りでは対応しきれず、日々勉強に追われるのが嫌になって辞めてしまい、人手不足に陥ってしまうこともあるのです。

    理由(3)急な休みを取るのが難しい

    ほとんどのコールセンターはシフト制で、前月までに出勤日が確定されます。あらかじめ休みの希望を申請していれば問題ありませんが、それ以外で急に休みを取ることは難しい職種といえます。

    シフトを決める際は、コール数を予測して最適な人員配置とコスト管理が徹底されています。そのため、欠勤の多いオペレーターはシフトに組み込みにくくなってしまうでしょう。

    柔軟な勤務体制を希望するオペレーターを受け入れるのは難しく、「働き方が合わない」と辞める人も少なくありません。その結果として、人手不足に陥ってしまうのです。

    理由(4)非正規雇用が多く離職率が高い

    コールセンターで働くオペレーターに“非正規雇用”が多い点も、離職率が高い要因のひとつです。

    正社員はSVや数名のオペレーターのみで、他のオペレーターは派遣やアルバイトで構成して運営されているコールセンターが多く見られます。

    その場合、「正社員になかなか採用されない」「長時間勤務でつらいのに、賃金が安い」と不満が生まれ、途中であきらめて転職してしまうオペレーターもいます。正社員と同じくらい努力しても待遇に差が生まれ、不公平さを感じて辞職にいたってしまうのです。

    その結果、優秀なオペレーターまでもが流出してしまい、コールセンターが人材不足に陥るのです。

    コールセンターの人材不足が引き起こす問題

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    では、人材不足に陥ると、具体的にどのような問題が起きるのでしょうか。続いては、コールセンターの人材不足により引き起こされる問題について、2点を挙げて解説します。

    問題(1)採用・教育コストが高くなる

    人材不足に陥ると、採用や教育にかかるコストが高くなります。オペレーターの採用には、求人掲載や派遣会社、採用管理ツールの利用費用、採用担当者への費用など、さまざまなコストが含まれるからです。

    コストがかかるのは、採用だけではありません。新しく雇用したオペレーターに研修を実施する費用もかかります。長期間の研修が必要な商材を扱っている場合には、それだけコストもかさんでしまうでしょう。

    特に離職率が高いコールセンターでは、新しい人材の採用や教育に多くの費用がかかってしまいます。採用・教育コストが高くなるとコールセンター全体の予算を圧迫し、さらに厳しいコストダウンが求められてしまう恐れがあります。

    問題(2)応対品質が落ち顧客満足度が低下する

    離職率が高いコールセンターでは、業務経験の浅い新人オペレーターの割合が高く、応対品質が落ちてしまうリスクがあります。業務に慣れていないオペレーターはスムーズな対応が難しく、お客様が不満を抱いてしまう可能性があるからです。

    お客様の質問に対する回答に時間がかかり、さらにシステム操作にも手が取られていては、1件あたりにかかる処理時間が長くなります。すると、稼働時間内で対応できる件数が少なくなり、電話がなかなかつながらない事態に陥ってしまうのです。

    ようやく電話がつながったとしても、新人オペレーターの対応が不十分であれば、お客様に大きなストレスを与えてしまいます。これは顧客満足度が低下する要因となりますので、早急な改善が必要でしょう。

    コールセンターの人材不足を解消するために企業ができる社内改革

    それでは、コールセンターの人材不足を解消するために、企業ができることは何でしょうか。続いては、企業ができる社内改革について5点を挙げて解説します。

    4-1. 採用時にしっかりと実情を伝える

    採用面接では、ポジティブな面だけでなくネガティブな面も伝えることが重要といえます。よい側面だけをアピールしてしまうと、勤務開始後に「聞いていた話と違う」と裏切られたような気持ちになり、早期退職につながってしまうからです。

    このような採用のミスマッチを防止するために、「仕事の大変さ」を面接時に説明しておきましょう。長時間勤務やクレーム対応の大変さ、覚える知識量の多さ、研修期間などリアルな情報を伝え、対応できそうか確認する必要があります。

    ネガティブな情報を伝えると「内定を辞退されてしまうのではないか」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

    正直に伝えることで、「真摯に向き合ってもらえた」「誠実に対応してくれた」と相手に好印象を与えられます。さらに、実情を説明しておけば、入社後のギャップにショックを受けることもありません。

    採用のミスマッチが少なくなり自社に合うオペレーターを採用しやすくなりますので、丁寧な採用コミュニケーションを心がけましょう。

    4-2. 労働環境を整える

    オペレーターが働きやすい労働環境の整備も、人手不足の解消につながる効果的な手段です。たとえ業務が忙しく覚える量が多くても、働きやすければ「長く続けたい」と思ってくれるオペレーターは増えるからです。

    具体的には、次のような点を改善するとよいでしょう。

    • 短時間勤務や在宅勤務など、柔軟な勤務体制を準備
    • 休憩所の充実や座り心地のよい椅子を用意
    • 託児所を設けて子育て中のオペレーターも働きやすくする

    オペレーターに職場環境に関するアンケート調査を実施し、どのような要望があるか意見を集め、できることから取り組んでいきましょう。

    4-3. 社員教育を実施する

    適切な社員教育は、オペレーターのスキルだけでなく意欲向上にもつながり、離職防止に役立ちます。十分な研修がないまま仕事に着手させられると、オペレーターにとって大きなストレスになりやすいからです。

    コールセンターにおける主な研修内容としては、次の5点が挙げられます。

    コールセンターの研修例

    コールセンターの研修例
    座学 講師による講義形式
    ※オペレーターの役割、商品の説明、言葉遣い、業務フローなどを学ぶ
    端末操作 受発信する端末機や管理システムの使用方法を、実際に操作しながら学ぶ
    ロールプレイング 本番のような電話対応を想定して練習する
    ※実際の業務が始まる直前に実施され、講師からフィードバックをもらう
    クレーム対応 クレームの種類や謝罪の仕方、対応方法について学ぶ
    OJT トレーナーについてもらいながら、実際に電話を取りお客様対応を始める
    ※必要に応じて、フィードバックをもらう

    オペレーターを対象とした研修だけでなく、SVへの教育も重要です。SVにはコールセンターの運営や管理方法、品質チェック、リーダー研修などを受講してもらいます。

    オペレーターだけでなく、SVの人手不足に悩むコールセンターも少なくありません。上層部がSVの研修も実施し、継続して育てる体制を構築することが重要です。

    4-4. モチベーションを高める制度を取り入れる

    モチベーションを高める社内制度を取り入れると、仕事にやりがいを感じやすくなり離職防止につながります。

    たとえば、セールスが必要な業務の場合には成績を公表し、上位3名を表彰するといった制度の構築が効果的です。そこにインセンティブ制度も取り入れれば、オペレーターのやる気を後押しできるでしょう。

    また、希望するオペレーターに対しては正社員への道を用意したり、スキルアップ支援制度を強化したりして、キャリアパスを整備するのもよいでしょう。

    学ぶ機会や昇進する道があればオペレーターの働く意欲も高まり、離職率の低下が期待できます。

    4-5. コミュニケーションを取る

    オペレーターとコミュニケーションを取り、状態を把握することも重要です。コミュニケーション不足になると「上司から関心を持たれていない」と思われ、職場への愛着や働く意欲が削がれてしまう恐れがあるのです。

    そのため、「1on1ミーティング」を定期的に実施し、目標の達成状況や業務上の改善点を確認するとよいでしょう。上司に期待され、評価されていることが認識できれば、モチベーションは高まっていくはずです。

    また、日々の業務でも声がけをするとか、話を聞くときにしっかりと目を見たりするだけでも、信頼関係が生まれやすくなります。丁寧なコミュニケーションは従業員満足度の向上につながりますので、オペレーターへの配慮を忘れないようにしましょう。

    コールセンターの人材不足解消が期待できるサービスや仕組み

    次に、コールセンターの人材不足解消につながるサービスや仕組みを3点ほど解説していきます。

    5-1. マルチチャネル化

    問い合わせ方法が電話のみの場合、メール、問い合わせフォーム、チャットボットの導入など、マルチチャネル化を検討しましょう。複数の問い合わせ方法があれば、電話への問い合わせを別のチャネルに分散することができます

    特にAI搭載型のチャットボットは、これまで蓄積した膨大なデータから適切な回答を導き出せます。さらに、自然な日本語で回答できますので、ストレスの少ない会話が実現可能です。

    チャットボットでお客様が疑問を自己解決できれば、問い合わせ数が減少します。そうすることでオペレーターの業務負荷が軽減し、勤務が継続されやすくなるでしょう。

    5-2. FAQ

    過去のよくある問い合わせを「FAQ」としてまとめて公開しておくと、お客様の自己解決を促すことができます。そうすることでコールセンターへの問い合わせ数を減らせますので、オペレーターの負担軽減につながるでしょう。

    問い合わせがあった場合でも、検索性の高い内部FAQを用意しておけば新人オペレーターでもすぐに回答できるようになります。品質向上や業務効率化が実現しやすくなり、人手不足の解消にも効果的です。

    5-3. コールセンター業務代行サービス

    コールセンターの代行サービスを利用すると、専門知識を持ったプロに業務を委託することができます。人材不足を解消できるのはもちろん、応対品質が向上し顧客満足度のアップも期待できるでしょう。

    煩雑な問い合わせ対応を外部委託すると、人材不足でこれまで手がつけられなかった改善業務や教育など、コア業務に専念できるのが大きなメリットです。

    コールセンター業界は人材確保が難しく、十分な応募数が集まらないケースが多く見られます。人手不足を放置していては、顧客満足度や信頼性の低下につながりかねません。

    コールセンターの代行サービスを導入することで経験豊富な人材確保が可能になりますので、検討してみても良いでしょう。

    コールセンターの代行サービスならパーソルビジネスプロセスデザインへ

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    コールセンターは離職率が高く、人材不足に陥りやすい業界です。人材不足が慢性化すると個々のオペレーターへの負担が重くなり、離職されてしまうという悪循環が生まれやすいので、早急な対策が必要です。

    パーソルビジネスプロセスデザインは、カスタマーセンター・サポートセンター」の代行サービスをご提供しています。充実した研修をオペレーターに実施していますので、高い応対品質の実現が可能です。

    また、災害が少ない地域にセンターを開設しているため、不測の事態でもサポート業務を安定して継続しやすいのも特徴といえます。

    コールセンターの人手不足でお困りの場合には、ぜパーソルビジネスプロセスデザインまでご相談ください。

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