働き方改革の背景・課題とは
過重労働(長時間労働)に関する問題は、ずっと以前から問題視されていましたが、ほとんどの日本企業は、その改善に本腰を入れてきませんでした。しかし、いたずらに長い時間働いても、肉体的・精神的に大きな負担を与えてしまいます。疲労が溜まっている状態では、生産性の向上は望めません。
また、2060年に日本の労働人口はピーク時の半分にまで落ち込むと予測されていて、現在以上に労働力の確保が困難になることが懸念されます。進行しつつある「労働力の減少」に備えるためにも、まずは企業の生産性を向上させていかなくてはなりません。そこで政府が本格的に乗り出したのが「働き方改革」です。
「働き方改革」の名のもと、企業にはさまざまな取り組みが求められます。新たな働き方の採用や、勤務時間の規制に取り組む企業も増えてきました。中には、システム導入などコストをかけて業務効率化を進めたり、業務によってはBPO(外部リソースの利用)も検討したりと、多少の痛手も必要となるでしょう。
痛みを伴う「働き方改革」ですが、無視は得策ではありません。過剰労働に関する問題を放置していると、すぐに情報が出回り「ブラック企業」というレッテルを貼られてしまうことも…。採用希望者が減少するだけではなく、メディアで大きく取り上げられて、業績悪化というリスクが生じる恐れもあります。
働き方改革で取り組むべき主な改善策
労働環境の問題を改善し、より優秀な人材が集まる企業を目指すには、業務を効率化させることが重要です。近年は、AIやロボットを活用した業務効率化の事例も増えています。特にルール通りに何度も繰り返す作業や、人為的なミスが起こりやすい作業などは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)との相性が良く、うまく活用していくべきでしょう。
また、RPAの浸透に伴って脚光を浴びるようになってきたのが、OCR(光学文字認識)にAIの技術を取り入れた「AI-OCR」です。文字の認識率についてはまだ発展途中という意見も少なくありませんが、広範な用途での適用が期待されています。
しかし、AIやロボットを導入して効果を出すまでには、多少の時間がかかります。また、そのつど思考することが必要な業務は、まだまだ人間のほうが向いています。そうした業務に従事する労働力が不足している場合には、派遣やBPOといった外部リソースを活用するのも一つの手段です。
しかし、派遣の場合は、「同一業務への派遣活用は3年まで」という期間制限があり、3年を超える場合は、スタッフの入れ替えや直雇用化などが必要になります。
働き方改革を推進するために必要なこと
AIやロボットの活用によって業務効率化を図ることは、働き方改革に準拠する意味でも極めて効果的です。しかし、ただAIやロボットを導入するだけでは、効率化は進みません。AIやロボットを活用すべき業務、属人化すべき業務をしっかりと分別し、適切な業務にAIやロボットを導入しなければ、生産性の向上は望めません。
一方で、業務をアウトソースする場合は、委託先の選定が重要です。まず、各社が提供するBPOサービスを比較し、自社が求める品質とコストのバランスが取れているかを見る必要があります。また、品質を担保するための工程管理がどのように設計されているかなども、重要なチェックポイントです。情報セキュリティ体制についても、ハード・ソフト・ネットワークの観点でチェックする必要があります。
また、費用対効果を検証する際は、内製化した場合の見えないコストにも注目すべきです。人件費の中の法定福利費やスタッフの採用・教育・研修に関わる費用、そのマネジメント費用もあります。人件費以外では、作業スペースにかかる家賃、ITインフラ費などを考慮した上で比較すると良いでしょう。
パーソルビジネスプロセスデザインの「BPOサービス」
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BPOサービスは派遣サービスとは異なり、現在の運用状況や必要なスキルなどを整理した上で業務委託化を行っていきますので、「業務の継続性」が担保されます。
働き方改革が叫ばれる現代では、生産性の向上が必要不可欠です。パーソルビジネスプロセスデザインは、パーソルグループが蓄積してきたノウハウを活かして、お客様の業務効率化をサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。