試験運営アウトソーシングのメリットとは?実施課題や委託先の選定ポイント、事例を解説

試験運営アウトソーシングのメリットとは?実施課題や委託先の選定ポイント、事例を解説

「試験運営を社内で対応しているけれど、残業や休日出勤が続いて限界を感じている」

このような悩みを持つ担当者は、多くいらっしゃるでしょう。試験運営には準備から試験後の処理まで、幅広い業務が伴うため「受験者数が少ないうちは社内対応できたけれど、規模が大きくなるにつれ難しくなってしまった」というケースも数多く耳にします。

そこで必要となってくるのが、試験運営のアウトソーシング化です。試験運営をアウトソーシングすると、従業員はコア業務に時間を使いやすくなります。

本記事では、試験運営をアウトソーシングするメリット事業者の選定ポイント委託する流れを解説します。試験運営の業務に追われて「受験者を増加する施策や業務改善に取り組めない」とお困りの場合には、ぜひ参考にしてください。

目次

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    自社で試験運営する際に起こりうる課題

    まずは、自社で試験運営する際に起こりがちな課題について、3点を挙げて解説します。

    課題(1)コア業務に時間を割くことができない

    企業担当者には、運営業務に追われて「本来取り組むべき『コア業務』に時間を割くことができない」という課題があります。

    ここでいうコア業務とは、たとえば『受験者数を増やすための施策対応』です。試験運営には幅広い業務が発生し、年間を通して運営業務に追われてしまうと、“受験者数を増加させる”ための広報活動や募集活動が滞ってしまうのです。

    なお、試験運営の幅広い業務には、次のようなタスクが含まれます。

    試験業務管理

    全体の管理 ・試験概要や詳細の決定
    ・受験申込の開始に伴う事務処理
    ・スケジュール管理
    ・窓口対応
    ・試験後の採点や集計
    ・合否通知の発送
    会場 ・会場の仮予約
    ・下見
    ・座席配置
    ・受験者の導線設計
    スタッフ ・スタッフ配置の検討
    ・スタッフの手配や教育
    ・案内員や試験監督の決定
    ・マニュアルの作成
    資材 ・ポスター、案内誘導標識、座席表などの作成や手配
    ・梱包や発送
    ・事務用品類の手配
    ・感染症対策用品の手配

    どの業務もノウハウが社内に蓄積されていなければ運営が困難ですが、特に「試験会場の手配」は最もおさえておきたいタスクといえます。理由として、試験会場を確保できなければスタッフや資材などを準備できても試験を実施することができないからです。

    試験会場の手配では、受験者の居住地域に合わせて会場を選択し「駅から徒歩5分以内」など利便性の高い場所を試験会場として設定する必要があります。また、大規模会場を確保して1,000人もの受験者をひとつの場所に集めるか、複数の会場に分散させるかも検討する必要があります。

    そのほかにも、受験者の中には、おからだが不自由な方が含まれる可能性があるため、バリアフリー対応の会場を確保する必要もあるでしょう。会場のキャパシティや設備も考慮して全国から試験会場を探す必要があり、調整できなければ開催自体が困難になってしまう恐れもあります。

    以上のように、試験運営で手が回らなくなりコア業務の時間がなくなってしまう点が、課題のひとつです。

    課題(2)人的リソースが不足している

    人的リソースが不足してしまう点も、試験運営の課題として挙げられます。受験者数が多い場合、大勢のスタッフを手配する必要があります。しかし、試験運営の経験がある人員を十分に揃えるのは非常に困難なのです。

    未経験者を採用して教育しようとしても、マニュアル整備や研修の実施には時間やコストがかかってしまいます。

    試験運営に必要な人的リソースは、試験監督だけではありません。当日の案内員や事務スタッフ、現場運営の責任者なども必要です。このような多様な人材を揃えられず、自社の従業員が休日出勤をして試験運営に携わるケースは数多く見受けられます。

    従業員が運営業務にかかりきりになってしまうと、受験者数を増加させるための施策検討や改善業務に時間を使えなくなってしまいます。つまり、試験運営は慢性的な人材不足に陥りがちで、従業員の手が空かない点が大きな課題なのです。

    課題(3)高まるオンライン受験ニーズに応えられない

    2020年、新型コロナウイルス感染拡大にともなう外出自粛の動き、感染対策の一環として試験のオンライン化が進みました。スマホやタブレットで自宅からでも受験できる「オンライン試験」へのニーズは高まっていますが、スムーズに運営できない点は課題といえるでしょう。

    オンラインで受験申込を受け付けて、オンライン上で受験してもらい、採点や集計、合否通知まで実施するには、ある程度のノウハウが必要です。社内で対応しようとしても十分なシステムを用意できず、「受験者のニーズに応えられない」と悩む担当者は多くいらっしゃいます。

    さらに、オンライン受験ではカンニングなど不正行為が発生しやすく、厳格性を保つためには何らかの監視システムが必須です。不正行為を防止できるシステムを見つけられずにオンライン受験になかなか踏み出せないという点も課題といえるでしょう。

    試験運営をアウトソーシングするメリット

    前述した試験運営に関する課題は、運営業務の全てまたは一部をアウトソーシングすることで解決します。ここでは、アウトソーシングを活用するメリットを4つ挙げて解説します。

    メリット(1)専門知識やノウハウを持つリソースを確保できる

    試験運営に豊富な実績を持つプロに依頼できるため、必要なノウハウや知識のある人員を確保できる点が大きなメリットです。

    業務の一部分はもちろん、募集の事務処理から当日の運営、採点や合否通知まで、全ての業務を安心して任せることができるでしょう。経験豊富なアウトソーシング事業者は、細かな点や新しいニーズにも対応して試験運営ができるからです。

    たとえば、受験生が会場で迷わないよう、わかりやすい誘導標識や座席表を作成したり、マスクやアクリル板などの感染対策用品を事前に手配したりできます。このように、資材作成の改善や準備のノウハウがある点が、アウトソーシング事業者に依頼するメリットといえます。

    アウトソーシング事業者に依頼することで、必要な人材を確保でき、効率的な試験運営が実現するはずです。

    メリット(2)安心できる受験環境が整う

    大勢の受験者がいる場合、試験当日は様々なトラブルが起こる可能性もあります。ただ、実績のあるプロに運営を依頼することで、スムーズな対応ができ安心して受験できる環境が整うのです。

    たとえば、受験場所を間違えてしまう受験者もいるでしょう。そういったこともあらかじめ想定し、席や資材に余裕を持たせておくことで、イレギュラー対応をすることが可能です。会場を間違えてしまってパニック状態の受験者に対し、スムーズに誘導することができるので、受験者は落ち着いて試験を受けられるでしょう。

    試験運営が安定していれば受験者数も増加しますので、細かな配慮ができるアウトソーシング事業者に依頼するメリットは大きいはずです。

    メリット(3)従業員はコア業務に専念できる

    自社で試験運営をしている場合、従業員が運営スタッフまたは責任者として会場に行き、運営業務に携わります。その場合、休日出勤をして全国の会場へ出張し、対応しなければなりません。さらに、当日は受験者対応や進行の管理、アルバイトスタッフの統率なども必要になります。

    試験後も対応に追われ、合否通知が終わったと思ってもすぐに次の試験準備に取り掛からなければならないケースが多く見られます。

    アウトソーシング事業者に依頼すれば、事前準備や当日運営、試験後の処理まで任せられ、運営業務からは手が離れます。空いた時間で「受験者数を増やすための施策検討」といったコア業務に専念できる点が、アウトソーシングを活用するメリットといえます。

    メリット(4)オンライン受験に移行しやすい

    アウトソーシング事業者に依頼すると、現在ニーズが高まっている「オンライン受験」に移行しやすくなる点も、メリットのひとつといえます。

    委託先が保有するオンライン受験システムやノウハウを活用すれば、受験者をオンラインに誘導しやすくなります。さらに、オンライン受験では会場を確保する必要がなくなるため、受験者の利便性や満足度が高まります。主催者側も会場運営にかかるコストを削減できますので、大きなメリットといえるでしょう。

    試験運営アウトソーシング事業者の選定ポイント

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    アウトソーシングのメリットを説明してきましたが、それでは具体的にどのようなアウトソーシング事業者を選べば良いのでしょうか。ここでは、試験運営アウトソーシング事業者の選び方について、ポイントを4つ挙げて解説します。

    ポイント(1)規模や検定内容に応じて業務をカスタマイズできるか

    画一的な業務のみ対応しているサービスを利用するのではなく、自社の試験規模や検定内容に応じて業務をカスタマイズしてもらえる事業者を選定しましょう。

    共通した運営業務はもちろん、必要に応じてコールセンターを配置し問い合わせ対応をしてもらえるかどうかは事前にチェックが必要です。また、オンラインとオフラインの両方で試験を実施したい場合には、両方とも対応してもらえるかをあらかじめ相談してみましょう。

    カスタマイズしてもらえない場合、他の事業者に依頼したり自社で処理したりする必要がありますので、事前の確認は非常に重要になります。

    ポイント(2)全国対応ができるか

    「主要都市のどこか」だけでなく、全国の試験会場を把握していて「どの都道府県でも試験運営ができるかどうか」という点も重要な選定ポイントです。受験者数が増えて規模を拡大したい場合、会場がなければ試験を実施できないからです。

    全国各地の試験会場にネットワークがあり、さまざまな試験規模に対応できるかどうか、確認しておきましょう。

    ポイント(3)実績豊富な専門スタッフを配置できるか

    アウトソーシング事業者にどれだけ実績のある専門スタッフを配置できるのかも確認ポイントです。

    前述したように、アウトソーシング事業者を利用するメリットのひとつが、専門スタッフを確保できる点です。受験会場に落ち着いて対応できるスタッフがいれば、受験生からの信頼感も高まります。安心して受験できる環境を整備することができるわけですから、スタッフの経歴もあわせて確認しておくようにしましょう。

    ポイント(4)セキュリティ体制が完備されている

    試験運営では個人情報を取り扱うため、セキュリティ体制が完備されているかという点も、確認が必要です。個人情報が流出してしまっては、試験の評判は落ちてしまい受験者を確保できなくなってしまいます。

    依頼する前に、個人情報を適切に管理しているか確認しましょう。具体的には、アウトソーシング事業者の情報セキュリティ体制や、法令を遵守しているかを直接ヒアリングすると良いかも知れません。

    試験運営を委託する際の流れ

    では続いて、アウトソーシング事業者を選定した後に「試験運営を委託する」際の流れについて解説していきます。

    STEP(1)ご担当者様からアウトソーシング事業者へ情報を提供していただく

    まずはご担当者様からアウトソーシング事業者へ、試験概要や規模、受験者の特徴などの情報を提供していただきます。

    その後、アウトソーシング事業者は試験実施に向けて準備を開始します。試験会場を選定し仮予約または契約をして、現地調査を実施します。さらに、スタッフ手配や資材やマニュアルを作成するなど、ご要望に応じた運営体制の構築に取り掛かっていきます。

    STEP(2)受験の受付開始

    受験会場を確保し日付や詳細が決定したら、受験申込を開始します。受験者数が多い場合、コールセンターを設置してサポート対応をすることも必要になります。また、団体受付があれば対応し、スケジュール管理も実施します。

    STEP(3)入金情報や受験者情報の管理

    受付後、入金情報や受験者情報の管理が必要になります。入金額などに問題がなければ帳票類を作成し、受験者に受験票を発送します。また、受付が終了して受験人数が明確になったら、試験会場へ資料を送付します。

    STEP(4)試験当日の運営

    試験当日は、運営本部を会場内に設置し、運営スタッフに指示を出します。また、会場にやってくる受験者を誘導し、試験開始時刻までに着席してもらいます。試験中は、試験監督が見回り、不正行為やトラブルがないか確認することが重要です。試験後、テストの回収や試験会場の資材撤去、清掃などを行います。

    STEP(5)結果通知・分析レポート作成

    採点が完了したら、受験者へ合否を通知します。合格者には、名入りの合格通知書を発送する場合もあります。採点結果に基づいた分析レポートを作成すると、受験者の傾向を把握しやすくなるでしょう。

    試験運営アウトソーシングの活用事例

    具体的なアウトソーシング導入のステップをご紹介しましたが、続いては実際に試験運営アウトソーシングを活用した事例をご紹介します。

    事例:一般社団法人FLAネットワーク協会

    一般社団法人FLAネットワーク協会は、「食生活アドバイザー®」など「食」や「生活」に関する資格事業を展開しています。食への関心が高まるなか受験者数は急増しており、同協会では運営担当者の業務負担が増大していました。

    しかし、大規模の試験運営に関するノウハウがなく、受験者数が5,000人を超えたタイミングで「社内対応に限界を感じた」といいます。そこでアウトソーシング事業者であるパーソルビジネスプロセスデザインに依頼し、現在はほぼ全ての運営を任せています。

    実績のある会社に依頼することで担当者の負担は軽減され、試験の評判も高まり、受験者数はさらに増加していったのです。

    ※参考:一般社団法人 FLAネットワーク協会様の事例のご紹介

    試験運営アウトソーシングならパーソルビジネスプロセスデザインへ

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    試験運営は社内にノウハウがなければ、担当者の負担が重くなります。受験者数が多く、複数の会場で実施する場合、社内リソースだけでは対応が難しくなるでしょう。

    そこで、専門知識やノウハウのあるアウトソーシング事業者へ依頼すると、満足度の高い試験運営ができるようになります。先ほどの事例でもご紹介しましたが、パーソルビジネスプロセスデザインでは試験運用の代行サービス「資格検定アウトソーシング」をご提供しています。試験会場の手配や当日運営、試験後の処理までワンストップサービスでお任せいただくことが可能です。

    紙ベースの試験だけでなく、インターネットを使ったオンライン試験にも対応しており、システム開発から試験後の処理までお任せいただけます。

    資格検定アウトソーシングをご検討の場合には、ぜひパーソルビジネスプロセスデザインにご相談くださいませ。

    ※参考:資格検定アウトソーシング(IBT/PBT)

    pwdbanner-service-testadministration (3537)
    pwdbanner-wp-test-operation (3505)

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    システム開発から試験の運営、試験後の処理まで、資格検定試験に関わるさまざまな業務を代行します。

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