教員不足の解決策・取り組みを徹底解説!ポイントは環境整備と質の向上

教員不足の解決策・取り組みを徹底解説!ポイントは環境整備と質の向上

「教員の業務過多によって休職や離職が増加している」「教員不足を解決したい」「教育の質を落とさずに校務の効率化を図りたい」といった課題を抱える教育現場も多くあることでしょう。

昨今、ニュースなどでも取り上げられるほどに、教職員の不足が顕在化してきています。
教員不足を放置しておくと、残された教員の負担増加から教育の質の低下、さらなる離職者の増加といった悪循環に陥りかねません。

本記事では、文部科学省のデータを参照しながら教員不足の現状と原因を分析したうえで、DXやアウトソーシングを含む具体的な解決策をご紹介します。教育の質を維持しつつ校務の効率化を実現する方法について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

    もっと見る▼

    教員不足の現状

    日本では近年、慢性的な教員不足が問題となっており、文部科学省が実施した実態調査(令和4年1月)においても、この問題の深刻さが明らかになっています。調査対象は、67都道府県・指定都市の教育委員会および大阪府豊能地区教職員人事協議会(計68)です。

    同調査結果によれば、「学校に配当されている定数」に対し、「学校に配置されている教師の数」は、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校のすべてで不足しています。令和3年の始業日時点で、全国の教員不足数は、2,558人にも上りました。

    教員不足が生じている学校数も、合計で1,897校にまで達しています。とくに顕著なのは、特別支援学校(13.1%)と中学校(7.0%)での不足率です。

    県市別に見ても、小学校で794校、中学校で556校もの不足が発生していることがうかがえます。

    このように、教員不足は全国的に深刻な問題となっており、早急な対策が求められる状況です。教育の質を維持・向上させるためにも、この問題への取り組みが急務となっています。

    教員不足の原因

    shortage-of-teachers_body01

    教員不足は単一の原因だけでは説明できず、以下のような複合的な要因によって生じています。

    1. 見込数以上の必要な教員数の増加
    2. 産休・育休取得者の増加
    3. 臨時的任用教員の不足
    4. 地方公務員の定員削減
    5. 教員志望者の減少
    6. 大量採用世代の退職

    それぞれの要因について、詳しく見ていきましょう。

    原因(1)見込数以上の必要な教員数の増加

    教員不足の原因の1つとして、教育現場で必要とされる教員数が予想を大きく上回っていることが挙げられるでしょう。先述した文部科学省の「教師不足に関する実態調査」によると、各校に必要とされている教員数が見込数を上回って増加しています。

    この増加の最たる要因は、特別支援学級の拡大です。

    文部科学省の「特別支援教育の現状」によれば、義務教育段階の全児童生徒数が減少しているにもかかわらず、小中学校で特別支援学級に通う生徒数は著しく増加しています。これは、特別支援教育の社会的認知や需要の高まりなどによる変化と考えられるでしょう。

    結果として、平成21年度には約13万5千人だった特別支援学級の生徒数が、令和元年度には約27万8千人とほぼ2倍になりました。

    特別支援学級では、8~13人の生徒に対し教員1人が必要とされるため、特別支援学級に通う生徒数の増加に比例して必要な教員数も増加しているのです。この予期せぬ教員需要の増加が、現在の教員不足の一因となっています。

    原因(2)産休・育休取得者の増加

    教員不足の2つ目の要因として、産休・育休を取得する教員の増加が挙げられます。

    文部科学省の「教師不足に関する実態調査」によると、「産休・育休取得者数が見込みより増加」したと回答した自治体は、「よくあてはまる」「どちらかといえばあてはまる」を合わせて全体の80%以上に達しました。66の自治体のうち53の自治体が、産休・育休取得者の増加を認識している状態です。

    この状況は、産休・育休を取得した教員の代替を確保することが困難であることを示唆しています。教員が子育てに専念できる環境が整備されたことは社会的に望ましい進展ですが、教育現場の人手不足を引き起こす一因となっているのもまた事実です。

    今後は、代替教員の確保や柔軟な人員配置など、この課題に対応する新たな施策が求められるでしょう。

    原因(3)臨時的任用教員の不足

    教員不足を悪化させている重要な要因の1つには、臨時的任用教員の成り手不足もあります。文部科学省の「教師不足に関する実態調査」でも、この問題が指摘されています。

    臨時的任用教員とは、教員免許を持ち、期間限定で講師として任用される教員のことです。これらの教員は、正規教員の病気休職や産休・育休などによる欠員を埋める、重要な役割を果たしています。

    しかし近年、講師名簿登録者数の減少が顕著です。その背景には、臨時的任用教員が正規教員として採用されるケースの増加や、教員免許の更新をしないケースなどがあります。

    東京都教育委員会のホームページでは、常に公立学校の臨時的任用教員の募集がおこなわれており、そのことからも需要の高さがうかがえるでしょう。

    先述したように産休・育休が増えている昨今において、臨時的任用教員の不足が解消されなければ、教員不足も当然解消には至りません。臨時的任用教員の待遇改善や、より柔軟な採用システムの構築が必要とされています。

    原因(4)地方公務員の定員削減

    教員不足の背景には、地方財政の改善対策の1つとして、地方公務員の人員削減と共に、非正規化の割合を増加させ、人件費を削減する計画が打ち出し・実行されたこともあります。

    それまで地方公務員の約30%を教員が占めていたため、この削減政策を通じて教員の絶対数が減少してしまいました。全国的な少子高齢化を背景に、正規教職員の削減が進められ、これが教員不足を加速させる要因となっているのです。

    一方で、正規教員の減少に反比例して、非正規雇用の教員は増加しています。今後も、正規教員を減らし非正規教員への依存を強める動きは加速すると予想されており、現場にさらなる負担を強いるようになることも考えられるでしょう。

    原因(5)教員志望者の減少

    教員不足の主要な原因の1つには、教員志望者自体の減少も挙げられます。この傾向は、近年の教員採用倍率の著しい低下からも明確です。

    具体的には、2000年に12.5倍だった小学校教員の採用倍率は、2023年には2.3倍まで低下しています。同様に、中学校教員の採用倍率も、2000年の17.9倍から2023年には4.3倍へと大幅に減少しました。これらの数値は、教員志望者の減少が深刻な問題であることを如実に示しています。

    この現象の背景には、教員試験の時期も関係していると考えられます。近年の就職活動は前倒し傾向にあり、大学4年生の5~6月頃には内定を獲得する学生も少なくありません。一方、教員試験の合格発表は10月までにおこなわれるため比較的遅く、一般企業の採用スケジュールとの差が顕著です。

    さらに、教員職に対するマイナスイメージも、志望者減少の一因といえるでしょう。長時間労働やモンスターペアレンツの問題など、教育現場の課題が取り沙汰されることで、多くの人材が民間企業へ流出していると推測されます。

    これらの要因が複合的に作用し、教員志望者の減少という深刻な問題を引き起こしているのです。

    原因(6)大量採用世代の退職

    教員不足以外の原因として、大量採用世代の退職も挙げられます。文部科学省の資料によると、現在の教育現場では、大量採用期世代の教員が多数を占める一方で、中堅層以下の世代の教員が少ない…という偏った年齢構成が続いています。

    ここでいう「大量採用世代」とは、1970年代前半の第二次ベビーブームに対応するため、大量に採用された教員たちです。この世代が現在、次々と退職期を迎えており、その結果として教員の不足が顕著となっています。

    教育現場では、若手の採用を通じて教員の確保と若返りを図る努力がなされていますが、大量退職のペースに追いつけていません。このギャップが、現在の深刻な教員不足の状況を引き起こしているのです。

    教員不足の解決策・取り組み

    教員不足の解決には、さまざまなアプローチが必要です。
    主な解決策・取り組みとして、以下が挙げられます。

    1. 教育のDX化
    2. 教員の働き方改革
    3. 教員の正規採用数増加
    4. 教員採用試験の緩和・免許更新の廃止
    5. 多様な講師人材の活用
    6. 教育ソリューションの活用
    7. 大学等との連携

    これらの取り組みを通じて、教員の負担軽減や人材確保、教育の質向上などに期待できます。
    各取り組みを詳しく見ていきましょう。

    取り組み(1)教育のDX化

    教員不足の解決策の1つとして、教育のDX化が積極的に推進されています。

    この取り組みの中心となるのが、数年前から実施されているGIGAスクール構想です。GIGAスクール構想により、教育現場におけるICT環境の整備と活用が急速に進展しています。

    GIGAスクール構想の主な取り組みは、児童生徒への1人1台端末の配布、校内ネットワーク環境の整備、そしてクラウドの活用です。これらの施策により、教育現場のデジタル化を図っています。

    この教育のDX化がもたらす重要な利点は、教員一人ひとりの負担軽減です。ICTツールの活用により従来は手作業でおこなっていた業務の多くを効率化できるようになり、クラウドの活用によって情報共有や協働作業がよりスムーズになります。

    このようなデジタル環境の整備は、教員不足によって生じるさまざまな問題への対応力を高めています。この取り組みの詳細と具体的な効果については、後ほど詳しく解説するので、そちらをご確認ください。

    取り組み(2)教員の働き方改革 

    教員不足の解決策として、教員の働き方改革も有効です。

    日本教職員組合の2022年の調査結果は、教育現場の深刻な労働環境を浮き彫りにしています。教員の週あたりの平均時間外労働時間は23時間53分であり、月に換算すると95時間32分です。これは、過労死ラインとされる80時間を大きく上回っています。

    とくに中学校の教員の状況は深刻で、月あたりの時間外労働時間は118時間20分にもおよびます。さらに、休憩時間に関しても平均わずか12分であり、全体の40%以上の教員が休憩時間をまったく取れていないと回答しました。

    このような過酷な労働環境を改善するため、教育現場ではさまざまな働き方改革が進められています。その中でもとくに注目されているのが、長時間労働の大きな要因の1つである部活動指導の地域移行です。文部科学省の資料によると、まずは公立中学校での休日の部活動から段階的に地域へ移行し、将来的には平日の部活動も地域が担う方向で検討が進められています。

    これらの働き方改革を通じて教員の負担を軽減することは、教員志望者の増加や現職教員の離職防止につながり、結果として教員不足の解消に貢献すると期待されています。教員の労働環境改善は、教育の質向上だけでなく、教育現場の持続可能性を確保するうえでも極めて重要な取り組みといえるでしょう。

    取り組み(3)教員の正規採用数増加

    教員不足の解決策として、正規採用教員の増加も必要不可欠です。安定的な学校運営を確立するためには、この取り組みも重要なファクターとなります。

    先述したように、現状は、少子高齢化に伴い、全国的に正規雇用教員を減らし、非正規雇用教員を拡充させる傾向が見られます。とくに地方においては、この傾向が顕著です。しかし、教育の質を向上させるためには、正規採用教員を増やすことが急務となっています。

    この取り組みを実現するためには、国の十分な予算配分が不可欠です。安定した財源を確保し、正規採用教員を増やすことで、教育の質を向上させ、結果として教員不足の解消につながることが期待されます。

    また、教育の質向上という観点から、小学校における35人学級の整備や、小学校高学年からの教科担任制の推進も進められています。これらの施策により、教員1人あたりが受け持つ児童数と教科を減らすことで、よりきめ細やかな指導が可能となり、教育の質向上に貢献することが見込まれているのです。

    取り組み(4)教員採用試験の緩和・免許更新の廃止

    教員不足の解消に向けて、教員採用試験の緩和と教員免許更新制度の廃止という2つの取り組みが推進されており、この取り組みも不足解消に有効です。 

    まず、教員採用試験に関しては、年齢制限の緩和・撤廃が進んでいます。2023年度には53県市にまで受験年齢の撤廃が拡大し、そのほかの自治体でも受験年齢の大幅な引き上げがおこなわれています。これにより、より幅広い年齢層からの人材確保が可能です。

    さらに、2024年からは、公立学校の教員採用試験が1か月前倒しで実施されることになりました。この変更は、民間企業への人材流出を防ぐことが目的であり、教職を志望する学生がより教員の道を選びやすくなることが期待されています。

    また、教員免許に関しても、2022年7月の教育職員免許法の改正により大きな変化がありました。この改正により、施行日時点で有効な教員免許状は有効期限なしとみなされることになったのです。これは、それまで10年に一度30時間以上の講習を受けて更新する必要のあった免許更新制が、実質的に廃止されたことを意味します。

    加えて、施行日以前に有効期限を超過した教員免許状についても、休暇扱いとなって復活が可能になりました。これにより、一度教職を離れた人材が再び教育現場に戻りやすくなっています。

    これらの取り組みは、教員志望者や現役教員の負担を軽減し、教職への門戸を広げることで、教員不足の解消を目指すものです。教員採用試験の緩和と免許更新制度の廃止は、より多様な人材が教育現場に参入し、また継続して勤務できる環境を整えることに貢献しています。

    取り組み(5)多様な講師人材の活用

    教員不足の解決策として、多様なバックグラウンドを持つ講師人材の活用も、積極的に推進されています。この取り組みは、教育現場に新たな視点と専門性をもたらすとともに、慢性的な人材不足の緩和への貢献が期待できるでしょう。

    自治体ごとに異なる取り組みが展開されていますが、その中でも注目すべき施策がいくつか挙げられます。たとえば、独自の人材バンクを設置し、学校と潜在的な講師をマッチングするサービスを提供している自治体がよい例です。これにより、教育現場のニーズと適切な人材を効率的に結びつけることが可能となっています。

    また、特別免許状の交付条件を拡大する動きも見られます。これは、教員免許を持たないものの、特定の分野で高い専門性や豊富な経験を有する人材を教育現場に迎え入れやすくする取り組みです。

    このような多様な人材の活用は、単に教員不足を補うだけでなく、教育内容の多様化にも大きく貢献するでしょう。民間企業での経験を持つ人材や特定の専門知識を有する人材が教壇に立つことで、子どもの心身の成長にも良い影響を与えると考えられます。

    取り組み(6)教育ソリューションの活用

    教育ソリューションの活用も、教員不足問題に対する効果的な解決策の1つとして注目されています。

    教育ソリューションは、教育に関するさまざまな業務をサポートするサービスです。たとえば、先述した教育DX化の推進支援、入試や検定試験の運営サポート、学校管理業務の効率化、資格試験の会場運営、さらには採点業務の代行など、アウトソーシング会社が幅広い業務を代行してくれます。

    教育ソリューションを適切に活用することで、教員の負担軽減が図られ、教員不足によって対応が困難な領域をカバーできるようになります。教員は、本来の教育活動により多くの時間と労力を割けるようにもなるでしょう。結果として、教育の質向上につながるだけでなく、教員の労働環境改善にも期待できるのです。

    さらに、こうした取り組みによって教員の負担が軽減されることは、長期的には教員志望者の増加にもつながる可能性があります。教育現場の労働環境が改善されれば、教職の魅力が高まり、より多くの人材が教育界を志すことが期待できます。アウトソーシング会社も賢く活用する必要があるでしょう。

    取り組み(7)大学等との連携

    教員不足の解消に向けて、大学等との連携強化も、効果的な取り組みの1つです。

    具体的な取り組みとしては、インターンシップの実施や、教師養成塾の開講が挙げられます。これらのプログラムを通じて、学生たちは早い段階から教育現場の実態に触れ、教職への理解を深められるでしょう。

    さらに、一部の自治体では「大学推薦特別選考」を設けています。大学推薦特別選考とは、次年度からその自治体の教員として従事することを条件に、大学からの推薦を受けた学生を特別に選考する制度です。この制度により、地域に根ざした教員の確保が期待されています。

    文部科学省も、教員人材の裾野を広げるための新たな施策を打ち出しています。2025年からは、従来、短大や専門学校のみに設けられていた小学校教員の「二種免許」の教育課程を、4年制大学にも新設する方針を固めました。

    現在の教職課程では、4年制大学卒業で一種免許、短大卒業で二種免許の取得が可能です。一種免許と二種免許の主な違いは、必要な単位数と教育実習の期間にあります。一種免許の方が、より多くの単位と長期の実習を求められます。

    4年制大学にも二種免許の教職課程が拡大されることで、学生の負担が軽減され、ほかの勉強や活動との両立が図りやすくなるでしょう。これにより、より多くの学生が教職課程に挑戦することが期待されています。文部科学省では、希望する大学からの申請を受け付ける予定です。

    このような大学等との連携強化を通じ、教員確保につなげていく動きが活発化しています。これらの取り組みは、単に教員数を増やすだけでなく、多様な背景を持つ質の高い教員を育成し、教育現場に送り出すことを目指しています。

    教育現場のDX化も教員不足解決の一助となる

    shortage-of-teachers_body02

    教育現場のDX化は、教員不足問題の解決に向けた有効な施策です。

    先述のとおり、教員の負担軽減は教員不足の解消に非常に有効であり、その観点からDX化の進展は大きな役割を果たします。

    コロナ禍を契機に、教育現場のDX化は急速に進展しました。従来のアナログな手法でおこなわれていた授業や業務が、タブレット端末の積極的な導入を皮切りに大きく変化しつつあり、教員の業務負担軽減にもつながっています。

    具体的な例としては、出欠席や遅刻・早退管理がアプリを通じておこなわれるようになり、多くの学校で導入が進んでいます。また、保護者との連絡やアンケートの集計なども、タブレットを活用することで大幅に効率化されてきました。

    さらに、学校現場へのICT技術サポート、テスト問題の搭載、成績集計サポート、採点代行など、各種試験(宿題・小テスト・定期試験・自治体実力テスト)のデジタル化も進んでいます。これにより、資材作成の手間や採点業務にかかわる負担が大きく軽減されているのです。

    これらDX化の取り組みは、単に業務の効率化だけでなく、教育の質向上にも貢献しています。たとえば、デジタル教材の活用により、個々の生徒の理解度に合わせた学習支援が可能となるなど、教育のパーソナライゼーションが進んでいます。

    今後、AIやビッグデータの活用など、DX化はさらなる進展を遂げるでしょう。これにより、教員の負担がさらに軽減され、本来の教育活動により多くの時間を割くことも可能となるはずです。結果として、教員不足の解消につながることが期待されています。

    教員不足解決のポイントは「環境整備」と「質の向上」

    ここまでさまざまな解決策をご紹介してきましたが、教員不足の解決には「環境整備」と「質の向上」がポイントです。

    「環境整備」の観点からは、正規採用者数の増加、部活動の地域移行、ICTの利活用などが重要です。正規採用者数を増やすことで安定した雇用環境を提供し、優秀な人材を確保できます。これは長期的な教育の質向上にもつながるでしょう。

    また、部活動を地域に移行することで、教員の過重労働の一因を取り除き、負担軽減が図れます。ICTの利活用は業務効率化だけでなく、誰が授業をおこなっても一定の質を保つことを可能にします。こうした「環境整備」は「質の向上」にも直結するでしょう。

    「質の向上」の施策としては、多様な外部人材の積極的導入、小学校の教科担任制導入、教員採用試験の緩和と免許更新制の廃止などが挙げられます。異なる背景や専門性を持つ人材が教育に携わることで、教育内容の多様化と充実が図れます。

    小学校に教科担任制を導入すれば、各教科の専門性を高め、より深い学びを提供することもできるでしょう。また、教員採用試験の緩和と免許更新制の廃止により、多様な経験を持つ優秀な人材の確保が可能となります。

    このように、「環境整備」によって働きやすい職場をつくり、同時に「質の向上」によって教職の専門性と社会的価値を高めることで、教員不足の解決に向けた好循環を生み出せるのです。

    まとめ

    日本の教育現場では、深刻な教員不足が問題となっています。その原因として挙げられるのは、教員志望者の減少や大量採用世代の退職などです。

    この状況を改善するため、現在、さまざまな解決策や取り組みが進められています。

    教員不足の解決には、「環境整備」と「質の向上」が最も重要なポイントです。

    働き方改革やICT活用による環境整備は、教員の負担軽減と職種としての魅力向上に直結します。
    同時に、多様な人材の導入や専門性の強化を通じた質の向上は、教育の価値を高めるでしょう。これら2つの要素を両立させることで、教職の魅力を大きく高め、教員不足問題の根本的な解決につながるのです。

    多様な講師人材の活用や教育ソリューションの導入も、教員不足解消の有効な手段となり得るため、積極的に活用していきましょう。

    pwdbanner-wp-bpo-example (3490)

    関連サービス

    入試・学校業務アウトソーシング

    入試・学校業務アウトソーシング

    入学試験の願書受付から結果通知までの一連の運営管理業務に対応。履修登録や学内アンケートなど、学内業務を幅広く支援します。

    このページをシェアする

    • Xシェアボタン
    • Facebookシェアボタン
    • Linkedinシェアボタン