営業の属人化を解消するためには?起きる原因と主な解消方法をご紹介

営業の属人化を解消するためには?起きる原因と主な解消方法をご紹介

限られた社員で業務を進めることで、他の社員が進捗や内容を把握できていない状態を属人化といいます。どのような業務においても起こり得る課題ですが、その中でも営業は自己流のノウハウで業務を進めたり、多忙により情報共有が不足したりすることも多く、属人化しやすい業務です。営業活動を通して企業全体の利益を上げるために、属人化は解消するべき課題といえます。

そこで今回は、営業で属人化が起こりやすい原因や属人化により生じる問題、解消する方法について解説します。

目次

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    営業の属人化とは?

    属人化とはある業務を特定の社員が担当し、他の社員が進捗状況や生じている課題を把握できない状態です。営業活動における属人化として、顧客情報を担当社員のみが把握していたり、商談の状況を共有しなかったりする状況が挙げられます。

    他にも一部の社員に売上が集中する中、当該社員が退職したことで企業全体の売上が低迷する状況も、営業の属人化が招く弊害の一つです。

    営業で属人化が起きやすい原因

    事業はさまざまな業務によって成り立ちますが、その中でも営業は属人化が起こりやすい業務です。その原因は組織によるものと社員自身によるものに分けられ、属人化を解消するにはそれぞれの原因を把握しておくことが大切です。主な属人化の原因として以下の5つを解説します。

    【組織の要因】業務を標準化する仕組みがない

    営業は社員ごとに担当顧客が決まっているケースが多く、各社員のスキルや経験に依存しがちです。そのため標準化の仕組みを整えていなければ、容易に属人化が進んでしまいます。

    属人化を防ぐ上で重要なポイントは業務の標準化です。標準化とは、全社員が業務に関する情報や進捗状況を把握した状態であり、担当が変わったとしても同じ成果が出るように整備することを意味します。

    【組織の要因】評価制度が整っていない

    従来の企業では、営業社員同士の成果を比較して優劣をつける相対評価が一般的でした。部署内で社員を比較するため、検証にかかる時間が少ない点や競争を活発化させるメリットがありますが、一方で適正な評価ができないといった留意点もあります。

    また、社員同士の競争が激化すると、周囲と協働する意識が薄れて属人化が進む点も、相対評価における問題の一つです。

    業務標準化については、こちらの記事でさらに詳しくご説明していますので、併せてご覧ください。
    >>業務標準化とは?メリットや実現するための進め方を分かりやすく解説

    【業務の要因】多忙により情報の共有・管理ができていない

    営業活動は、クライアント先に出向いて商談するだけではありません。商談に至るまでの資料作成や商談成立後の書類作成、既存顧客に対するサポートなどさまざまな業務を担っています。特に人材不足に悩む企業では、より一層多忙を極めるでしょう。

    社員間の情報共有が重要と分かっていても、忙しい毎日の中で思うように共有や管理ができないケースも少なくありません。その結果、属人化が進んでしまう企業も多く見られます。

    【社員自身の要因】自分の立場を守りたい

    営業は社員ごとの成績が明確になるため、周囲よりも成果を上げている社員は自分の立場を守ろうと、ノウハウを周知せずに抱え込むことがあります。特に結果至上主義を謳(うた)い相対的に評価している企業では、情報を共有しない傾向にあります。

    また、ミスや課題を抱えている社員の中には、他の社員に現状を知られたくないという思いから、情報共有を避けるケースもあるでしょう。このように、自分の立場だけを考えて行動する社員が増えると、企業全体が成長する上で必要なノウハウが蓄積されないだけでなく、ミスに対して速やかな対応ができないといった問題もあります。

    【社員自身の要因】自己流のやり方で営業活動を進めたい

    営業活動は商談の準備から商談成立後のサポートまで、担当社員のみで完結しやすい業務です。そのため、自己流で営業活動を進めた方がやりやすいと感じている社員も少なくありません。

    しかし、営業社員が自分のやりやすい方法で営業活動を進めると、顧客対応にばらつきが出ます。また、自分のやり方が必ずしも効率的とは限らず、全体の成果に影響を与えることも考えられるでしょう。

    営業は個々で対応しても実績があればよいと捉えられがちですが、組織としての営業力を上げるためには業務標準化が重要です。しかし、自己流で進める社員が増えれば組織的な営業にはつながらず、属人化が進んでしまうでしょう。

    営業の属人化により生じる弊害

    営業の属人化が進むとさまざまな弊害が生じます。主な問題として挙げられるのが以下の3点です。それぞれの弊害について解説します。

    営業ノウハウがチームに共有・蓄積されない

    営業の属人化が進んだ企業では各営業社員が自分のノウハウを抱えている状態にあり、チーム内に共有されにくくなります。

    営業は商談の状況に応じて、柔軟な対応が求められる業務です。成功事例以外にミスが起きた際の対処法も状況によってさまざまであり、チーム内に共有されていれば次に同じような状況に陥った場合の参考になります。

    このように、長い年月をかけて蓄積された営業ノウハウは、企業にとって重要な情報資産です。社員教育や営業活動を分析して改善策を打ち出す際にも役立ちます。しかし、属人化によりノウハウが共有・蓄積されていない状態では、企業全体の成長にも悪影響を及ぼすことが想像できるでしょう。

    営業社員の成績にばらつきが生じる

    営業は個々で顧客に対応するケースが多いため、属人化が進むとスキルや経験によって成績にばらつきが生じやすくなります。

    特に相対評価が取り入れられている場合、成績のよい社員は自分の立場を守るためにノウハウを共有しない傾向にあるでしょう。全社員が効果的なノウハウを把握した上で営業活動を行えば、企業全体の成果も上がりますが、属人化によって一部の社員のみが成績を上げている状態では、将来的な企業の成長は望めません。

    また、顧客対応にもばらつきが生じれば、お客さまから不満が出ることも考えられます。その結果、企業の評価やイメージが下がる可能性もあるでしょう。

    引継ぎが難しくなる

    営業が属人化してしまうと顧客情報や進捗状況の共有がなされないため、担当を引継ぐ際に問題が生じます。例えば、怪我や病気によって担当社員が急遽休むことになった場合、他の社員が状況を把握していなければ、スムーズな対応ができません。

    十分な引継ぎが行われないと、お客さまに再度同じ内容をヒアリングする必要があり、信用度の低下にもつながる可能性が高いです。その結果、契約解除や商談不成立となるケースも考えられます。

    営業の属人化を解消する6つの方法

    営業活動が効率的に進まない場合、営業の属人化を解消することが大切です。主な解消方法として、以下の6点を解説します。

    営業プロセスを可視化する

    営業の属人化を解消するには、現状の営業プロセスを可視化する必要があります。見込み顧客へのアプローチから商談、契約に至るまで営業活動に関する一連の流れを明確にすると、営業担当者だけでなく他の社員も進捗状況を把握することが可能です。

    例えば、営業活動中にトラブルが発生した場合でも、営業プロセスが可視化されていれば速やかにサポートができます。また、ノウハウを共有しやすくなるため、経験が少ない社員が営業活動する際の参考にできるでしょう。

    このように、営業プロセスを可視化して属人化を解消すると、組織全体の営業力向上にもつながります。

    営業プロセスについては、こちらの記事で詳しくご説明していますのでぜひご覧ください。
    >>営業プロセスの基本を押さえる。可視化で自社の営業課題を解決

    営業社員の業務量を軽減する

    営業社員の多くは、利益に直結する商談だけでなく営業事務も兼務しています。営業事務は営業活動をスムーズに進めるための重要な業務ですが煩雑になりがちなため、営業社員が兼務せざるを得ない状況下では情報を共有する余力が生まれません。

    属人化を防ぐためには、営業社員の業務量を軽減させることが重要です。営業事務に特化した社員を配置できれば、営業社員は顧客対応に注力できるようになります。

    しかし人材不足が懸念される中、営業事務に割くリソースがない企業も多いでしょう。そこで活用できるのがアウトソーシングです。パーソルビジネスプロセスデザインでは、営業事務アウトソーシングを行っています。営業活動に関する定型業務だけでなく、非定型な業務においても最適なリソースをご提案することが可能です。営業の属人化にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

    ▼営業事務のアウトソーシング

    共有・管理するデータを決める

    営業活動において、社員間の情報共有は非常に重要です。属人化を解消する上でも欠かせない工程ですが、共有・管理する内容が曖昧だと有益な情報を蓄積できません。

    効率的に情報共有するためには目的を明確にすることが大切です。例えば、ミスや問題が発生した際のスムーズな対応が目的の場合、成功事例だけでなく失敗事例も共有するとよいでしょう。なお、顧客情報や進捗状況、やり取りした内容なども細かく管理できていれば、担当社員が変更になっても質を落とさずに対応できます。

    その他、共有範囲の明確化も重要です。特に機密性が問われる顧客情報は、必要以上に共有範囲を広げると流出するリスクが高まります。情報漏えいを回避し、効率的かつ安全に情報共有が行えるように、事前に共有・管理するデータの内容と共有範囲を決めておく必要があります。

    情報共有の仕組みを構築する

    営業の属人化を解消するにあたって情報共有は欠かせません。しかし、複数人に共有する場合、口頭や手書きの資料では正確な情報が伝わりづらいでしょう。また、手間のかかる手段を取っていると、日々の業務に追われておろそかになる可能性があります。

    スムーズに情報を共有するためには、共有・管理できる仕組みづくりが重要です。例えばナレッジ共有ツールを活用することで、時間や場所を問わずリアルタイムで進捗状況を共有できます。また、機密性の高い顧客情報や社内文書を紙媒体で管理すると、紛失や情報漏えいにつながるリスクがありますが、セキュリティの高いツールを取り入れることで安全で円滑な管理が可能です。その他、アウトソーシングを通して専門家のサポートを受けると、業務内容に沿った効率的な情報共有だけでなく自社社員の負担軽減も期待できます。

    評価制度を見直す

    評価制度の見直しも、営業の属人化を解消する上で重要なポイントです。個々の成績を比較してボーナスや給与を査定する相対評価を用いている場合、社内競争が高まり過ぎることにより属人化が進みます。また、プロセスが評価されにくいため、社員のモチベーション低下にもつながるでしょう。

    属人化の解消を目指すのであれば、数字だけを評価するのではなく、各社員が持つスキルや業務に対する姿勢を評価することが大切です。自分の頑張りが正しく評価されれば、社員の意欲が上がって組織全体の生産性向上も期待できます。

    社内に属人化脱却の風土を広める

    情報を共有しやすい環境を整えて評価制度を見直したとしても、属人化を脱却する意識が芽生えなければ状況の改善は望めません。事業を進める中で定着した風土を変えるためには、日々のはたらきかけが重要です。

    まずは全社員に対して、属人化を解消する必要性や情報を共有するメリット、評価制度を見直した理由などを丁寧に説明する必要があります。その他、業務標準化に関する会議や勉強会を定期的に開催することで、より属人化脱却の風土が浸透しやすくなるでしょう。

    また、これまで従来売上や契約数を重視していた企業では、社員のスキルや姿勢に対する評価を徹底し、考え方を根本的に変えていくことが大切です。企業側が積極的に属人化脱却に向けた行動を取れば、おのずと社内全体の風土も変わり、より効率的な営業活動が期待できるでしょう。

    営業部門の属人化解消ならパーソルビジネスプロセスデザインへご相談ください

    営業業務は各社員で完結しやすいため、どうしても属人化が起こりがちです。属人化が進むと社員間の情報共有が進まず、トラブルが発生した際に適切な対応が取れません。また、一部社員の売上に依存する状態に陥りやすく、社員の退職によって全体の利益が下がることも考えられます。

    属人化による問題を解消するには業務標準化が必要です。しかし、営業部門の業務は見込み顧客に対するアプローチや商談成立後のフォローなど多岐にわたり、自社だけでは属人化解消に取り組めないケースも少なくありません。効率的に営業部門の属人化を解消するなら、アウトソーシングがおすすめです。

    パーソルビジネスプロセスデザインでは、営業事務アウトソーシングの一環として業務標準化サービスを提供しており、多数の導入実績があります。営業事務や受発注業務などの営業アシスタント業務を受け持つことで、お客さまが営業活動に注力いただける他、属人化解消のためのリソースを確保いただくことが可能です。

    また、お客さまのもとへ訪問して業務内容を調査した上で、システムの活用や業務の標準化・自動化などをご提案するため、担当者さまが変わっても業務品質を担保できます。営業の属人化解消をご検討の方は、ぜひパーソルビジネスプロセスデザインへご相談ください。

    ▼営業事務BPOサービス

    営業事務アウトソーシングの活用により、属人化が解消した事例もございます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

    ▼アウトソーシング・BPOサービスの導入事例

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