経費精算における領収書を紛失した場合の処理方法は?電子化するメリットなどを解説!

経費精算における領収書を紛失した場合の処理方法は?電子化するメリットなどを解説!

精算を行う上で、経費であることを証明する書類として、領収書が必要となります。しかし、従業員が領収書を紛失してしまったり、電車やバス・新幹線といった交通機関では領収書が発行されなかったりする場合もあります。

その際に、どのように対応すべきか分からない担当者もいるはずです。
また、電子帳簿保存法が2022年1月に改正されたことで、2024年1月1日からは領収書をはじめとするさまざまな電子取引きによる書類は、データでの保存が義務化されました。しかし、その対応について曖昧に把握している担当者も多いはずです。

そこでこの記事では、経費精算に必要な領収書を紛失したり発行されなかったりした場合の対処法や、領収書をもらう際の注意点・領収書を電子化するメリットなどについて解説します。

※参考:国税庁「電子帳簿保存」

目次

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    経費精算で領収書が必要な理由

    経費精算で領収書が必要な理由は、経費の不正利用を防ぐことにあります。自己申請制にすると、実際の金額よりも高額に経費精算として計上することで、その差額分を自分の懐に入れようと考える従業員も出てくるからです。

    そのような経費の不正利用を防ぐためにも、商品やサービスに対してお金を支払ったことを証明する書類である領収書が必要となります。

    なお、領収書はレシートでも代用することが可能です。

    経費精算で領収書に記載されている必要のある項目

    領収書をもらう際には、以下の項目がしっかり記載されているかどうかを必ず確かめましょう。

    • 日付:領収書を発行してもらった日にち
    • 宛名:支払者の企業名や氏名(省略せずに正式名称を記載してもらう)
    • 金額:取引した金額(3桁ごとに「,」が入っているか、数字の頭に「金」もしくは「¥」が入っているかなども確認する)
    • 但し書き:実際に取引した内容(なるべく詳しく記載してもらう)
    • 発行者情報:領収書を発行した企業や店舗の住所・連絡先
    • 収入印紙の貼付:金額が5万円を超えた場合

    上記の項目に抜けや漏れがあると、税務調査があった際に不正を疑われるリスクがあるため、十分に注意しましょう。

    経費精算に必要な領収書を紛失した場合の対処法

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    経費精算に必要な領収書を紛失した場合の対処法として、以下の3つが挙げられます。

    • 対処法(1)レシートで代替する
    • 対処法(2)出金伝票に記載する
    • 対処法(3)領収書の再発行を依頼する

    順番に解説します。

    対処法(1)レシートで代替する

    たとえ領収書がなくても、レシートがあれば代替することが可能です。

    レシートで代替する際に、領収書同様に日付や宛名・但し書きなどがしっかり記載されているかを確認しましょう。

    対処法(2)出金伝票に記載する

    出金伝票に記載することで、経費精算することも可能です。その際にも、支払先の氏名や取引日・取引した内容などをしっかり記載しましょう。

    なるべく詳細に記載する必要があるため、紛失直後など記憶が新しいうちに記載するのがおすすめです。

    対処法(3)領収書の再発行を依頼する

    領収書の紛失に気づいたら、発行先に領収書の再発行を依頼してみましょう。場合によっては、再発行してくれることもあります。
    ただし、不正利用を防ぐため再発行には対応しない企業や店舗も少なくありません。

    そのような事情があるにもかかわらず、無理にお願いしてしまうと、関係性が悪化する恐れがあります。

    そのため、再発行を断られたら、素直に受け入れましょう。

    経費精算に必要な領収書が発行されない場合の対処法

    電車やバス・新幹線といった交通費や、ご祝儀や香典などの慶弔関連は基本的に領収書が発行されません。

    そのような場合には、出金伝票を利用しましょう。出金伝票に支払先の氏名や取引日・取引内容などをしっかり記載することで、領収書がなくても経費精算が行えます。

    税務署のチェックがあってもしっかり説明できるよう、慶弔関連の場合には招待状や挨拶状なども保管しておくことをおすすめします。

    経費精算に必要な領収書をもらう際の注意点

    経費精算に必要な領収書をもらう際の注意点は、以下の3つです。

    • 注意点(1)宛名は正式名称で記載してもらう
    • 注意点(2)収入印紙があるか確認する
    • 注意点(3)但し書きの内容は詳細に記載してもらう

    それぞれ解説します。

    注意点(1)宛名は正式名称で記載してもらう

    領収書をもらう際に「上様」と記載されることも珍しくありません。「上様」と記載されていても経費精算することは可能ですが、税務調査があったときに「私的利用しているのではないか」と疑われる恐れがあります。

    そうした事態を防ぐためにも、正式名称での記載をお願いしましょう。

    注意点(2)収入印紙があるか確認する

    領収書の金額が5万円を超えた場合には、収入印紙を貼り付けてもらう必要があります。そのため、領収書をもらう際に収入印紙の貼り忘れがないかを必ず確認しましょう。

    注意点(3)但し書きの内容は詳細に記載してもらう

    但し書きも宛名同様に「お品代」といった総称で記載されることがあります。その結果、税務調査の際に疑われるリスクがあるため、なるべく詳細に記載してもらいましょう。

    商品が複数ある場合には、最も高額な商品もしくは代表的な商品を記載し、その後に「他◯点」と記載してもらいます。

    電子取引による領収書は電子データでの保存が義務

    以前、経費精算の際に活用していた領収書は、紙のまま保存する必要があり、そのスペースを確保するための保菅コストがかかりました。

    それらの問題を解決するために、電子帳簿保存法が2022年1月に改正され、領収書をはじめとする電子取引による書類は、電子データでの保存が義務となったのです。

    領収書を電子化するメリットについては、次項で詳しく解説します。

    経費精算で必要な領収書を電子化するメリット

    経費精算で必要な領収書を電子化するメリットは、以下の3つです。

    • メリット(1)紛失リスクを抑えられる
    • メリット(2)保管コストを削減できる
    • メリット(3)業務の効率化につながる

    順番に解説します。

    メリット(1)紛失リスクを抑えられる

    領収書を紙として保管する場合、従業員が紛失してしまったり、なにかしらの災害によって消失したりするリスクがあります。

    しかし、電子化することによってデータとして管理すれば、紛失リスクを抑えられます。


    たとえデータが消えたとしても、バックアップを取っておくことで、すぐに復元可能なのです。

    メリット(2)保管コストを削減できる

    企業では、領収書を原則7年間保管しなければならず、決算が赤字だった場合には、最長10年まで保管する必要があります。

    以前は、保管スペースの確保が一つの課題でしたが領収書を電子化することで、データで管理できるようになり、保管スペースを確保する必要がなくなりました。

    紙管理からデータ管理に移行することで、保管コストの削減が実現したのです。なお、電子化した場合には、原本となる紙の領収書は破棄することが可能です。

    メリット(3)業務の効率化につながる

    以前は領収書が必要となったときに、ファイルから探さなければいけなかったので、時間がかかっていたはずです。

    しかし、領収書を電子化することによって、パソコン上ですぐに検索して見つけられるようになったので、業務の効率化につながっているでしょう。

    領収書を電子化する2つの方法

    領収書を電子化する方法は、以下の2つです。

    • (1)スキャナ保存
    • (2)電子取引データ

    それぞれの特徴について解説します。

    (1)スキャナ保存

    スキャナ保存とは、紙の領収書をスキャナで読み取ったり、スマートフォンで撮影したりして、データで保存する方法です。

    2022年1月に電子帳簿保存法が改正されたことによって、以下の内容が大きく変更されています。


    • 以前まではタイムスタンプの付与期限が3営業日以内だったが、改正後は付与期間が最長2カ月+7営業日以内となった
    • 以前までは不正を防止するために、相互けん制や定期的なチェックなど、さまざまな適正事務処理要件を満たす必要があったが、改正後は撤廃された
    • 以前までは検索項目が数種類あり複雑だったが、改正後は日付・取引金額・取引先名の3つのみとなった

    スキャナ保存の条件が大きく緩和されたことで、以前よりも導入するハードルが下がっています。

    (2)電子取引データ

    電子取引データとは、取引先から電子データで領収書が送られてきたり、インターネット上で商品を購入したりする際に保存する方法です。

    既に電子データとなっているので、スキャナ保存のように変換する必要はなく、そのまま保存できます。

    ただし、データを保存する場合にはデータの改ざんを防いだり、保存されたデータを検索・表示したりするために、「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つの要件を満たす必要があります。

    真実性の確保 ・タイムスタンプが付与された後に取引情報を受領する
    ・取引情報を受領した後に、タイムスタンプを付与して、保存する人もしくは、監視する人に関する情報を確認できる環境を整える
    ・訂正や削除を確認できるシステムもしくは、訂正や削除ができないシステムで取引情報の受領や保存を行う
    ・訂正や削除の防止に関する事務処理規定を定めて、それに沿った運用を行う
    可視性の確保 ・システムの概要を記載した関連書類を備え付ける
    ・保存した場所に、電子計算機やプログラム・ディスプレイ・プリンタと操作説明書をそれぞれ備え付ける
    ・電磁的記録をディスプレイの画面や書面にすぐ出力できるようにしておく
    ・取引年⽉日・取引金額・取引先について検索できたり、日付もしくは金額の範囲指定によって検索できたりするなど、検索機能を確保する



    真実性の確保は、上記のうちのいずれか1点を満たしていれば問題ありません。しかし、可視性の確保はすべての要件を満たす必要があるので、注意が必要です。

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    この記事では、経費精算に必要な領収書を紛失したり発行されなかったりした場合の対処法や、領収書をもらう際の注意点・領収書を電子化するメリットなどについて解説しました。

    領収書は、経費精算するうえで欠かせない書類です。ただし、領収書が紛失した場合でもレシートで代替したり、出金伝票に記載したりすることで対処できます。

    領収書をもらう際には、宛名が正式名称で記載されているか、収入印紙があるかなども必ず確認しましょう。
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