代表電話代行サービスとは、外部オペレーターが自社社員と同じように対応するサービス
企業もしくは部門の窓口として設けられている電話を、代表電話と言います。ホームページの会社概要やパンフレット、名刺などに記載される電話番号であり、各部門の電話番号を知らない方は代表電話にかけるのが一般的です。
大企業であれば自動音声の他、代表電話専門の社員を配置する傾向にあり、中小企業では総務が代表電話の対応も兼務することが多いでしょう。しかし昼休みや外出中などオフィスを不在にしている場合、電話に出られないことも少なくありません。また電話に時間を取られると、本来の業務に支障が出ることも考えられます。
こうした課題を解決する上で役立つのが、代表電話代行サービスです。アウトソーシングである代表電話代行サービスとは、外部のオペレーターが自社社員の代わりに電話対応をしてくれるサービスで、お問い合わせだけでなく担当者への取り次ぎや、業務に関連性のない営業電話の対応も依頼することが可能です。
>>代表電話は誰が出る?代表電話の廃止が進む背景と対応策をご紹介
代表電話代行で依頼できる業務
代表電話代行に依頼できる業務は、以下の3つに分類されます。
- 受電の一次対応
- 受注・お問い合わせへの対応
- 営業電話への対応
それぞれの業務内容について解説します。
受電への一次対応
一次対応とは、受電した内容を記録して担当者へ取り次継いだり、折り返し電話をすることを約束したりする業務です。アウトソーシング先によって対応できる範囲は異なりますが、基本的に相手の会社名や担当者名、連絡先などを記録します。対応範囲が広い場合、お問い合わせ内容に対してマニュアルに沿ったご案内や説明を任せられるケースもあります。
受注・お問い合わせへの対応
代表電話代行サービスでは、取り扱っているサービスや商品の受注、具体的なお問い合わせに対応することも可能です。特にECサイトを運営している企業で、電話対応に手が回らなくなった場合に役立つでしょう。マニュアルがあれば、知見が求められるお問い合わせの対応も可能です。
営業電話への対応
代表電話には、業務とは関係のない営業電話や勧誘電話がかかってくることがあります。代表電話代行サービスでは、こうした不必要な電話への対応も可能です。オペレーターが取り次ぎの要否を判断してくれるため、自社社員は電話対応に時間を割くことなく、注力したい業務に集中できます。
代表電話代行が注目されるようになった背景
代表電話代行が注目されるようになった背景として、以下の3つが挙げられます。
在宅勤務が増えている
近年、厚生労働省による働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症をきっかけに、在宅勤務を採用する企業が増加しました。在宅勤務の影響でビジネスチャットの普及が進み、電話よりもチャットをメインに活用するケースが多くなっています。以前は部門ごとに直通電話を設けるケースもありましたが、在宅勤務によりオフィスに滞在する時間が少なくなったため、電話自体を廃止する企業も増えているようです。
しかし、代表電話が不要になったわけではありません。在宅勤務が増えてオフィスに常駐する社員が減る中、電話対応が企業の大きな課題となっています。
営業電話や迷惑電話がかかってくる
代表電話代行が注目される背景の一つとして、営業電話や迷惑電話の対応が挙げられます。人材不足により代表電話専門の社員がいない場合、各社員が本来の業務をこなしながら対応しなければなりません。営業電話や迷惑電話の対応に時間を費やしたことで、注力したい業務がおろそかになれば生産性も下がってしまいます。
電話対応が社員のプレッシャーになる
近年、SNSやメールなどを活用したコミュニケーションが主流となっており、電話自体に苦手意識を持ち、適切な対応ができるか不安に思う社員も少なくありません。こうした社員のプレッシャーを減らすために、代行サービスを依頼する企業も増えているようです。代表電話専門の社員がいない場合、手の空いた社員が適宜対応することになります。企業によっては、コミュニケーションスキル向上を目的として、新入社員に任せるケースも多いでしょう。
代表電話を受ける人物は「企業の顔」となるため、高いスキルが求められます。丁寧な対応だけでなく、適切な案内や取り次ぎも重要です。新入社員や電話対応に慣れていない社員にとって、外部からのお問い合わせは大きなプレッシャーでありストレスとなります。これらの精神的な負担を軽減する上でも、代行サービスは役立ちます。
代表電話の代行を依頼する4つのメリット
代用電話の代行を依頼すると、以下の4つのメリットがあります。それぞれのメリットについて解説します。
強化したい部門や業務に集中できる
代表電話の代行サービスを活用すると代表電話の一次対応を任せられるため、電話対応にかかる時間の削減が可能です。自社の社員で業務を担う場合、本来の業務を止めて電話に出る必要があり、業務効率の低下につながります。
代表電話の代行では専門のオペレーターが要件を聞いてくれる他、不要な電話であればその場で完結することが可能なため、社員は強化したい部門や業務に集中できます。
重要な電話を取り逃さない
代表電話専門の社員がいない場合、他の業務も対応しながらとなり、時間帯によっては電話に出られないことも多いでしょう。
代表電話には新規顧客からの受注や、お問い合わせなどが入ることもあります。電話に出られなければ、ビジネスチャンスを逃しかねません。代表電話の代行の中には24時間対応しているケースもあるため、重要な電話を逃さずカバーできます。
お客さまへの応対品質が向上し信頼度が向上する
代表電話代行に依頼すると、高いスキルを持った経験豊富なオペレーターに業務を任せられます。代表電話は企業の顔であり、対応次第で印象を左右する重要な業務です。適切な対応ができなければ、相手に不快感を与える可能性があるでしょう。加えて、電話をかけてもなかなかつながらない状況が続けば、信頼を損ねてしまいます。
代表電話代行であればプロのオペレーターに任せられるため、品質を担保できます。24時間電話対応が可能なサービスを選べば、顧客の利便性アップにもつながるでしょう。
人材不足の解消につながる
人材不足の中、少人数体制で業務を進める企業も多いでしょう。休憩中や営業終了後、休日の電話に対応するのは困難です。また、代表電話専門の社員を雇用したくても、採用リソースやコストがかかると諦めていらっしゃる企業も少なくありません。
代表電話代行サービスの活用によって、人材不足による課題を解決できます。サービス内容によってはリーズナブルな価格で依頼できるケースもあり、コスト削減を目指す企業にもメリットのある手段です。
代表電話の代行を活用する際の4つの注意点
代表電話の代行を活用する際は、以下の4つの注意点を押さえておくことが大切です。それぞれの注意点について解説します。
社員の電話対応に比べて柔軟性に欠けることがある
アウトソーシング先のオペレーターは、自社社員に代わって電話対応をしてくれます。しかし、あくまでも窓口業務であり、代表電話の一次対応や受注受付、不要な電話への対応などがメインです。
自社社員ではないため、社員に比べて案内できる内容や範囲が限定的になる可能性があります。例えば、知見が求められる質問や技術的なお問い合わせが入った場合、社員のように柔軟に対応することは難しい場合があるでしょう。
電話代行サービスとの連携に注意を払う必要がある
代表電話代行サービスによって、対応に関する報告方法が異なります。メールや電話のみの報告では、タイムリーに受け取れません。電話対応の品質がよくても報告が遅くなれば、お客さまに迷惑をかける可能性があるでしょう。アウトソーシングを活用する際は連携方法にも着目し、ビジネスチャットでスムーズに情報共有できるサービスを選ぶのがよいでしょう。
イレギュラーにスムーズに対応できないことがある
電話対応専門のオペレーターは顧客対応スキルが高く、安心して業務を任せられますが、あくまでも外部のスタッフであることを忘れてはいけません。イレギュラーなお問い合わせやトラブルが発生した場合、スムーズに対応できないこともあるでしょう。
アウトソーシングであっても、お客さまから見れば自社社員と変わりません。望んでいた対応が得られなかったと思われた場合、顧客満足度の低下につながる可能性があります。
また、すべての業務委託会社がクレーム対応を請け負っているとは限らないため、依頼前に対応可否を確認しておくとよいでしょう。クレームを含めたイレギュラーに対応するためのマニュアルの作成可否についても、委託先と相談しておくと安心です。
情報漏えいのリスクがある
代表電話は社員の名前や取引先情報、お客さまの個人情報を扱う業務です。委託先のセキュリティ管理がずさんだと、大切な情報が漏えいしてしまう危険性があります。情報漏えいが起きてしまった場合は、当然ながら委託元にも多大なブランド棄損や責任問題が発生してしまいます。
情報漏えいのリスクを防止するためにも、代表電話の代行を活用する場合は、セキュリティ体制について事前に確認する必要があります。
代表電話代行会社を選ぶ際のポイント
代表電話の代行会社を選ぶ際は、以下の5つのポイントを押さえることが大切です。
- 対応時間
- オペレーターの質
- 料金
- 対応の柔軟性
- セキュリティ対策
それぞれのポイントについて解説します。
対応時間
アウトソーシング先によって、サービスの対応時間が異なります。自社の事業によっては、24時間365日電話対応に追われるケースもあるでしょう。業務内容を踏まえた上で、希望する時間帯のサポートが可能な委託先を選ぶことが重要です。また電話が多い時間帯や時期が限られている場合は、繁閑差に合わせた対応が可能か確認しておきましょう。
オペレーターのスキル
代表電話は企業における窓口であり、オペレーターのスキルが印象を左右します。アウトソーシング先を選ぶ際は、オペレーターの対応スキルや経験、ビジネスマナーなどを確認することが重要です。
アウトソーシング先によっては、オペレーターの詳細情報を提示しているケースもあります。また実際に活用している方からの評判や実績も判断材料となるでしょう。
料金
料金形態もアウトソーシング先によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。対応本数に比例した月額固定制が採用されているケースもあれば、対応件数ごとの従量課金制が採用されていることもあります。自社の入電数を踏まえた上で、費用対効果が大きい委託先を選ぶことが大切です。
対応の柔軟性
代表電話の代行サービスは一次対応や受注、不要な電話への対応などがメインです。アウトソーシング先によっては、オプションで資料請求への対応や自社までの道案内など、対応範囲の幅が広いケースがあります。
代表電話に関する課題は企業の状況によって変化するため、要望に対して柔軟な対応ができるアウトソーシング先を選ぶことが重要です。基本的なサービス以外の業務も依頼できれば、さらなる業務の効率化が期待できるでしょう。
セキュリティ対策
代表電話ではお客さまや取引先、商品の情報などを扱います。アウトソーシング先に業務を依頼する場合、これらの重要な情報を共有する必要があるため、セキュリティ対策の徹底が求められます。万が一、情報漏えいが発生すれば、企業としての信頼を失いかねません。
こうしたリスクを回避するためにも、セキュリティ対策が整った委託先を選ぶことが肝要です。
代表電話対応をアウトソーシングすることで自社課題の解決につなげる
代表電話にはお問い合わせや業務に関することだけでなく、不要な営業電話や迷惑電話もかかってきます。代表電話専門の社員がいればスムーズに対応できますが、他の業務と兼務する場合、注力したい作業に影響が出てしまうでしょう。また人材不足に悩む企業では、社員が不在の間にかかってきた重要な電話を逃すリスクも考えられます。
代表電話代行サービスを活用するとこうした課題の解決につながり、業務効率化や生産性向上が可能です。ただし、アウトソーシング先によって対応できる業務や時間帯、オペレーターのスキルなどが異なるため、事前に確認した上で依頼する必要があります。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、受付のアウトソーシングにおいて企業受付とセットで代表電話をお引き受けしており、多くのお客さまにご選択いただいております。その理由として高いホスピタリティを有するスタッフと、マネジメントノウハウによる高品質のサービスを提供している点が挙げられます。
また応接室案内や来客数管理など幅広い業務に対応しており、お客さまのご要望に合わせて柔軟に対応範囲を決めることが可能です。代表電話の代行についてお困りのことやご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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