【前提】アウトソーシングの定義
アウトソーシングとは、社内業務の一部を外部の専門業者へ委託することです。アウトソーシングを活用すると、自社の幅広い業務を外部の専門会社に任せられるため、従業員がコア業務に集中できる環境を整えられます。
代表的な例として、自社の利益へ直接つながらないノンコア業務を外部の会社にプロセスごと委託するBPOが挙げられます。なお、パーソルビジネスプロセスデザインで提供しているBPOの一部は以下のとおりです。
- 経理BPOサービス
- 総務BPOサービス
- 人事BPOサービス
アウトソーシングを活用して業務を専門家に任せることで、業務の効率化が期待できます。
関連記事: バックオフィス業務はアウトソーシングできる!メリットや会社の選び方・依頼できる業務を解説
【結論】アウトソーシングは正しく活用すれば危なくない
アウトソーシングは、適切に管理すれば危険ではありません。むしろ企業にとってアウトソーシングは、大きなメリットをもたらす有効な選択です。
アウトソーシングにより、ノンコア業務を外部に委託すると、社員は重要なコア業務に集中でき、業務効率を向上させられます。
経理や人事などの専門業務も外部の専門家に任せられるため、社内業務が円滑に進むでしょう。
一方で、情報漏えいのリスクや業務品質の低下といったデメリットも存在するため、業者を選ぶ際には注意が必要です。
業者選びや管理方法を適切に実施すると、アウトソーシングを最大限に有効活用できるでしょう。
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アウトソーシングが危ないといわれている5つの理由
アウトソーシングは、以下の理由から「危ない」と世間ではいわれています。
- 品質の担保が難しい
- 想定以上のコストにより社内負担が増える
- 情報漏えいが発生する可能性がある
- 業務の管理が難しくなりブラックボックス化する可能性がある
- 会社にノウハウが溜まりにくく社内での対応力低下につながる
前述した通り、アウトソーシングは正しく活用すれば問題ありません。場合によっては上記のリスクを負うおそれもあるため、活用前に確認しておきましょう。
品質の担保が難しい
アウトソーシングでは、品質の担保が難しいことから活用するのは危ないといわれています。
アウトソーシングで外部に業務を丸投げしてしまうと、双方で完成度の水準に認識の誤りが発生してしまい、品質の担保ができなくなってしまうためです。
品質を担保するために、以下の3点に気をつけましょう。
- 品質の基準を設け、両社が合意し、定期的な品質チェックの場を設ける
- 納期に関しても基準を設けて合意し、定期的な報告会などで、進捗を確認する
- 場合によってはSLA※(Service Level Agreement)を設ける
これらの対策をしていない状態で委託してしまうと、納品された成果物の品質の担保が難しくなります。
※サービス提供者と利用者の間で交わされる、サービス品質の基準や範囲などを明確に定めた合意書のこと
想定以上のコストにより社内負担が増える
アウトソーシングに対して「外部委託すればすぐにコスト削減できる」と考えている場合、想定以上の初期費用により社内負担が増えると感じるおそれがあります。
アウトソーシング・BPOには、人件費に加えて以下の費用が発生します。
イニシャルコスト(初期コスト) |
|
---|---|
ランニングコスト(継続コスト) |
|
長期で見ればコスト削減効果を期待できますが、短期的に見ると、逆に負担が大きくなる可能性もあります。
イニシャル・ランニングコストを把握したうえで、アウトソーシングを活用すると、上記のようなギャップを未然に防げるでしょう。
情報漏えいが発生する可能性がある
アウトソーシングは、情報漏えいが発生する可能性もあり危ないといわれています。
外部委託する業務によっては、外部の業者が企業の機密情報を含んだデータに触れる可能性があります。
自社、またはアウトソーシング先のセキュリティ対策が不十分な場合、機密情報や顧客データが社外に流出するおそれがあるでしょう。
また、アウトソーシングを活用すると業務フローがこれまでの形式と変わる可能性があります。業務フローが変わると、セキュリティの不備により、情報漏えいにつながるかもしれません。
企業の信用に傷をつけないためにも、アウトソーシングを活用する際は、BPO事業者が実施しているセキュリティ対策を事前に確認しましょう。
業務の管理が難しくなりブラックボックス化する可能性がある
アウトソーシングでは業務の管理が曖昧な場合、ブラックボックス化する可能性があります。
アウトソーシングに業務委託したまま放置すると、プロセスや進捗状況が見えなくなり、状況の把握・管理がしにくくなるためです。
アウトソーシングがブラックボックス化しやすくなる原因は、主に2つあります。
原因 | 概要 |
---|---|
物理的な距離 | 社外で業務を遂行する場合は、日々の状況を確認しづらい |
コミュニケーションの障壁 | 外部の会社と連携を取るために毎回調整が必要となり、タイムラグや認識のズレが生じやすい |
対策として、定例会議の頻度や報告の頻度など、明確なコミュニケーションルールを事前に決めておきましょう。
会社にノウハウが溜まりにくく社内での対応力低下につながる
アウトソーシングを長期間活用するリスクとして、社内にノウハウが溜まりにくいことが挙げられます。
外部に業務を委託すると業務効率は良くなりますが、社内で直接作業しなくなると、手順や改善などの理解が浅くなるためです。
将来的に内製化を進める場合や不測の事態が発生した際、自社で対応できるノウハウがないため、対処が難しくなります。
対策として、進捗管理の中でPDCAを一緒に回したり、契約内容にマニュアル制作の委託も含めたりしましょう。
アウトソーシングのリスクを避ける4つの方法
アウトソーシングのリスクを避けるにはいくつかの方法があります。
- セキュリティが高い業者を活用する
- 委託する会社の実績を確認する
- ノンコア業務だけ活用する
- 契約内容に漏れがないようにする
リスク回避の方法を理解すると、品質低下や情報漏洩を未然に防いでアウトソーシングを活用できるでしょう。
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セキュリティが高い業者を活用する
アウトソーシングの活用で情報漏えいを防ぐには、セキュリティ対策が万全な業者を選ぶのがおすすめです。アウトソーシングを選ぶ際には、企業が施しているセキュリティ対策や、過去の実績を確認して選びましょう。
たとえば、パーソルビジネスプロセスデザインでは、アウトソーシングで企業の機密情報を守るため、重要書類を扱う業務ではセキュリティエリア内で作業するルールを設けました。
厳格なセキュリティ対策の導入により、顧客が保有している重要情報の保護体制を強化してきた実績があります。
委託する業務に関わる機密情報を漏えいさせないために、セキュリティが高い業者を選択しましょう。
委託する会社の実績を確認する
アウトソーシングを活用する時には、会社の実績も確認しましょう。とくに、委託したい業務と近しい実績を持つ業者であれば、必要なノウハウが蓄積されているからです。
実績を確認する際は、以下の点を確認しましょう。
業務をどれくらいの期間実施しているか どんな課題を解決してきたか業者が公開している事例だけでなく、口コミサイトや業界団体での評判・知人からの紹介など、第三者の声を参考にすると、より客観的に業者を判断できます。
ノンコア業務だけ活用する
アウトソーシングを成功させるコツは、「ノンコア業務」に活用することです。ノンコア業務とは、企業の競争力に直接影響しない業務を指します。
具体的には、以下の業務内容がノンコア業務の例です。
- 経理処理
- 給与計算
- データ入力
- コールセンター業務
委託する業務内容をノンコア業務に絞ることで、管理や品質チェックも容易になり、問題が発生した場合の対応もスムーズに進められます。
さらに、社内のリソースをコア業務に集中させることで業務効率が向上し、企業の成長にもつながるでしょう。
契約内容に漏れがないようにする
アウトソーシングでのトラブルを未然に防ぎ、安定した品質を確保するためには、契約内容を細かく設定しておくことが重要です。
細かく確認したい契約内容の具体例は、以下のとおりです。
業務の範囲 | 業務委託する内容を詳細に定義する |
---|---|
期間 | 双方が納得する期間を話し合いで決める |
品質基準 | 成果物に対する品質基準や仕様を詳細まで決める |
料金 | 委託金額や振込方法、振込時期などを明確にする |
SLA(Service Level Agreement) | 具体的な数値での基準を設ける(月間エラー率を何%以下にする等) |
契約内容を詳細に定めておくことで、管理の負担を軽減できるだけでなく、必要以上の費用が発生するリスクも防げます。
アウトソーシングを活用する3つのメリット
アウトソーシングを活用するメリットはいくつかあります。
- コア業務に集中できる
- 人材不足が解消できる
- 社外のノウハウを活用できる
アウトソーシングのメリットを理解すると、自社で活用する際の検討材料となるでしょう。
コア業務に集中できる
アウトソーシングでノンコア業務を委託すると、従業員がコア業務に注力できるため人材資源の最適化が図れます。
経理部の場合、請求書の発行や経費精算などノンコア業務をアウトソーシングすると、経営戦略に関わる財務分析や予算管理などの業務に集中できます。
従業員がコア業務に注力するとスキルアップにもつながるため、企業として成長が期待できるでしょう。
ノンコア業務をアウトソーシングすると、限られた社内の人的リソースをコア業務に注力できるため、生産性の向上が図れます。
人材不足が解消できる
人材不足に悩んでいる企業は、アウトソーシングを活用すると問題を解消できます。
もし、人材不足を解消させる際に社員を一から採用して教育するプロセスを考えると、面接の人件費、研修費用など相当な時間とコストがかかります。
アウトソーシングでは、すでにノウハウを持つ専門家が、すぐに業務を開始できるため、迅速な問題解決が可能です。
また、繁忙期には委託を増やし、閑散期には減らすなど業務量に合わせて柔軟に対応できるため、人件費を調節できます。
社外のノウハウを活用できる
アウトソーシングを利用すると、社内に蓄積されていない専門的なノウハウをすぐに活用できます。アウトソーシングの専門業者は多くの企業との取引経験から得たノウハウを保有しているためです。
ITシステムの保守管理をアウトソーシングする場合、最新のセキュリティ対策や効率の良い運用方法など専門知識を自社に取り入れられます。
また、今までの経験をもとに、社内とは異なる視点で業務改善を提案してもらえます。
アウトソーシングをただのコスト削減策としてではなく、社外の知見を自社で活用すると、より費用対効果の高い投資となるでしょう。
アウトソーシングを活用するならパーソルビジネスプロセスデザインへ
アウトソーシングは自社の業務を他社に委託するため「危ない」と考える方は多くいます。しかし、アウトソーシングのリスクを理解して、適切に対策すると安全に、活用できます。
とくに、アウトソーシングの活用が向いている以下の企業はぜひ検討しましょう。
- 自社の従業員がコア業務へ集中できる環境をつくりたい企業
- 人材不足を解消したい企業
- 自社とは異なるノウハウを取り入れたい企業
アウトソーシングの活用を検討している場合、パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社のBPOサービスがおすすめです。豊富な実績とノウハウをもとに、お客様の要望に合わせて幅広く対応いたします。
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