受注代行サービスとは
受注代行サービスとは、電話やメールなどを使用した商品の受注に関する事務処理をアウトソーシングできるサービスです。
急な退職などで人手不足が生じたり、事業規模の拡大でリソースが足りなくなったりした場合に、受注代行サービスで人手不足を補うことができます。また、受注業務は煩雑でイレギュラー対応が多く、繁忙期は業務に追われて疲弊してしまうケースも少なくありません。
そうしたときに「受注代行サービス」を利用することで、受注業務の専門知識や高いコミュニケーション能力を持つプロに依頼できますので、品質を向上できるのがメリットです。
1-1. 委託できる業務内容
1-1. 委託できる業務内容
それでは具体的に、委託できる業務内容を見ていきましょう。受注代行サービスで委託できる業務内容は、次のとおりです。
外部委託できる業務例 | |
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受発注業務 | 商品受注後の、購入者への受付連絡や発送手続き、倉庫への出荷指示、購入者への発送通知などを含む |
在庫管理 | 商品の入庫や出庫を把握し、在庫の個数を管理・調整する業務 |
入金管理 | 商品が振込で支払われた後の消し込み作業 |
商品管理 | ECサイトの商品情報を更新したり、新商品を登録したりする作業 |
返品・交換対応 | お客様からの購入品の返品・交換の要望に応じる作業 |
受注代行サービスには、電話やメールを使った基本的な受発注業務だけでなく、在庫や入金、商品管理なども依頼できることがあります。自社のニーズに応じて、どの業務をアウトソーシングするか依頼範囲を決めておきましょう。
受注代行サービスを利用するメリット
次に、受注代行サービスを利用するメリットについて、4点を挙げて解説します。
メリット(1)品質向上による顧客満足度アップが期待できる
メリット(1)品質向上による顧客満足度アップが期待できる
受発注の専門スタッフに外部委託できるため、業務の品質向上が実現します。ミスや遅延などのトラブルなく受発注業務を遂行することができれば、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
通常、受発注に関する業務は煩雑で、運用フローも複雑です。お客様からの個々の要望に応えながらも、正確に対応しなければなりません。エクセルで在庫数や工程を管理している場合には、時間もかかりミスが発生しやすくなりますので改善が必要でしょう。
また、少ない人員体制で運営していると、業務に追われて共有する習慣がつかず、属人化しやすいのもデメリットといえます。受注業務が属人化してしまうと、責任者は改善施策を立てにくくなり、品質低下が生じてしまうでしょう。
煩雑な受発注業務をまとめて外部委託することで属人化を解消でき、プロによる対応で品質を高めることができるのです。
メリット(2)業務を効率化でき、担当者の業務負担が減る
メリット(2)業務を効率化でき、担当者の業務負担が減る
業務負荷が重い受発注業務を代行サービスに依頼できれば、担当者の業務負担が大幅に軽減される点もメリットです。
担当者は、通常の受発注業務やお客様対応に加え、複数の大手ショッピングモールや自社サイトへの商品登録もしなければなりません。それぞれ登録方法が異なることも多く、指定された形式に合わせて同じ商品を何度も登録して管理する必要もあるでしょう。
そんな時でも受注代行サービス業者に商品登録作業も含めて依頼することで、業務効率化につながるでしょう。
また、受注窓口が全国の支社に分散している場合、受注代行サービスを利用して窓口を一元化することもできます。窓口が分散していると、処理効率が悪化してお客様を待たせてしまうだけでなく、人件費等のコストもかかってしまいます。
アウトソーシングを活用して窓口を一箇所に絞ることで、リードタイムの短縮や人件費の削減などを進めることができます。その結果として、迅速な対応が可能になり顧客ニーズを的確に掴みやすくなるのです。
以上のように、自社の課題に応じて受注代行サービスを利用することで、業務フローの無駄がなくなり、担当者の負担を大幅に減らすことができるようになります。
メリット(3)コア業務に専念できる環境が整う
メリット(3)コア業務に専念できる環境が整う
受注代行サービスの活用で煩雑な業務が手から離れると、担当者はコア業務に専念できるようになります。
ECサイトを運営している場合、コア業務とは「フロント業務」のことです。一方、受発注業務は「バックエンド業務」と呼ばれています。
フロント業務には、商品企画やプロモーション、広告運用など「新規顧客獲得」や「リピート化」に必要な施策立案が含まれます。集客ができなければ売上が立たなくなりますので、フロント業務はバックエンド業務より重要視される傾向にあるのです。
しかし、少人数で運営している場合など、バックエンド業務に時間を取られてしまうと、集客に必要なフロント業務に力を入れることができません。そういった場合でも、受発注業務をまとめてアウトソーシング化することで、売上を伸ばすための戦略や販路拡大に向けた時間を作れるようになるのです。
メリット(4)コストを可視化できる
メリット(4)コストを可視化できる
ECサイトや卸売業では、規模が拡大すると取り扱う商品が増加し、コスト管理が難しくなります。受発注金額や在庫の把握も煩雑になり、どれくらいコストがかかるか管理しにくくなってしまうのです。
そのような状況でも、受発注業務の代行サービスを利用すれば必要なコストを可視化しやすくなります。経験豊富なスタッフに1日あたりの売上や発注金額を管理させ、報告レポートを提出してもらうことで運営コストを正確に計算しやすくなるでしょう。
どのような時に受注代行サービスの導入を検討すべきなのか
それでは続いて、受注代行サービスの導入を検討すべき4つのケースについて解説していきます。
ケース(1)多店舗展開に向けたマーケティング活動に集中したい時
ケース(1)多店舗展開に向けたマーケティング活動に集中したい時
多店舗展開に向けたマーケティング活動や戦略立案に集中したい場合には、受注代行サービスを利用すると良いでしょう。受発注業務などを代行してもらうことにより、よりコア業務に専念できるはずです。
事業が拡大する過程で継続して代行サービスを活用することで、顧客満足度と従業員満足度の双方が向上していきます。多店舗展開において受注代行サービスの活用は非常に相性が良いといえるでしょう。
ケース(2)急速に売上が拡大して人手が足りない時
ケース(2)急速に売上が拡大して人手が足りない時
SNSでの口コミ増加やセール、広告出稿のタイミング等で、急に売上が拡大して人手不足に陥ってしまうケースがあります。次々と商品が売れて受発注業務が追いつかないときにも、代行サービスを導入すると効果的です。
対応が遅れてお客様を待たせてしまっては、不満がたまり次回の購入につながりにくくなります。また、業務量が増加する状態が続くと担当者が疲弊してしまい、ミスが普段より多く発生してしまうリスクもあるでしょう。
トラブルを防止するためにも、売上拡大を予測できる場合は受注代行サービスの導入を早めに検討し、繁忙期に備えておくことが重要です。
ケース(3)採用してもすぐ人が辞めてしまう時
ケース(3)採用してもすぐ人が辞めてしまう時
受発注業務を一任していた担当者が急に辞めてしまうと、業務に滞りが生じてしまいます。採用してもすぐ辞められてしまうケースもあり、「なかなか人が育たない」とお悩みの方も多くいらっしゃるでしょう。
受注代行サービスには、実務経験が豊富な担当者の配置や教育も含まれているため、採用課題の解消につながります。煩雑な事務処理だけでなく、適切なビジネスマナーを備えた丁寧なコミュニケーションで、お客様との電話対応も任せることができます。
採用や教育の時間が取れなかったり、ノウハウを持っていなかったりする場合にも、受注代行サービスの導入を検討してみると良いでしょう。
ケース(4)業務が属人化しており、効率化がなかなか進まない時
ケース(4)業務が属人化しており、効率化がなかなか進まない時
ベテラン社員に受発注業務が集中してしまうと、「属人化」が生じやすくなります。受発注業務は顧客の要望や傾向を読み取る必要がありますので、適切に共有されなければ業務がブラックボックス化してしまうのです。
属人化が進むと、ベテラン社員しか処理できない業務が増えて効率化を推進しにくくなるでしょう。しかし、受注代行サービスを活用することで、受発注業務は可視化することができます。業務を標準化しやすくなりますので、効率化を推進できるようになるでしょう。
受注代行サービスの選定ポイント
では、実際に受注代行サービスを導入しようとした場合、どのような観点で選べば良いのでしょうか。続いては、受注代行サービスの選定ポイントについて5点を挙げて解説していきます。
ポイント(1)業務の対応範囲が広いか
ポイント(1)業務の対応範囲が広いか
検討している受注代行サービスに、「自社が対応してほしい業務がすべて含まれているのか」は必ず確認しましょう。希望の業務範囲がカバーされていなければ、自社で対応する必要が生じてくるからです。
業務範囲の広い受注代行サービスを利用すれば、人手不足の解消につながり業務効率化や生産性向上が期待できるはずです。
ポイント(2)セキュリティ対策が取られているか
ポイント(2)セキュリティ対策が取られているか
受発注業務では、顧客情報や支払金額などの機密情報を取り扱いますので、セキュリティ対策が取られている代行サービスを利用することが重要といえます。もし情報が漏れてしまうと、社会的な信頼を失い商品が売れなくなるだけでなく、企業のブランドイメージも著しく低下してしまうリスクがあるからです。
受注代行サービス業者のセキュリティ体制や仕組み、個人情報保護、教育など、適切なセキュリティ対策が取られているかどうかは確認しておくようにしましょう。
ポイント(3)運用実績がどの程度あるか
ポイント(3)運用実績がどの程度あるか
過去の実績を確認し、運用体制や効果をヒアリングしたうえで「高品質なサービスを受けられるか」を見極めることも重要です。
取り扱ってきた商材や業界が自社と類似しているか、自社の課題を解決できるサービスや実績があるかもあわせて確認しましょう。
たとえば、注文内容を手作業で入力していてミスが多いという課題がある場合、高精度で書類を読み取れるAI-OCR処理ができると効果的です。代行サービス業者に「業務効率化に向けて、どのようなシステムや制度を整えているか」を確認してください。
さらに、代行サービスを利用して業務事故の発生がどれくらい減少した事例があるのか、または従業員の残業時間をどれくらい減らせたのか、等のヒアリングも行いましょう。代行サービス会社の実績やサービス内容が、自社の課題をどのように解決できるか、実績からも判断することがポイントになります。
ポイント(4)ノウハウが共有されるか
ポイント(4)ノウハウが共有されるか
受注代行サービスに任せっきりになってしまうと、依存度が高まり自社にノウハウが蓄積されにくくなります。ですので、サービスがはじまった後に「どのような処理をしているか」と進捗状況を報告する体制があるかを確認しましょう。
共有体制がなければ、代行サービスを使わなくなった途端に業務が回らなくなってしまう恐れがあります。
代行サービス業者が突然事業を撤退したり、廃業になったりするリスクもゼロではありません。そのため、受注代行サービスを選定する際には、情報共有の仕組みを確認することが重要といえます。
ポイント(5)人員配置を最適化できるか
ポイント(5)人員配置を最適化できるか
受発注業務は、繁忙期と閑散期で業務量が大きく変わります。業務量に応じてスタッフ体制を調整してもらえるのかも、受注代行サービスの選定ポイントのひとつです。
閑散期に余分なスタッフが稼働していると、コストがかさんでしまいます。逆に、繁忙期に人員不足が生じると、従業員に負担がかかってしまうでしょう。
そこで、過去の業務量の増減から繁忙期と閑散期を予測し、人員配置の最適化が可能かを確認することが重要です。業務量に応じて最適な体制を整えられれば、無駄がなくなり業務効率化につながります。
受注代行ならパーソルビジネスプロセスデザインへ
受注代行サービスは、属人化が起こりやすい受発注業務を標準化するのに効果的です。また、業務実績が豊富なプロに依頼することで、業務効率化や品質向上も期待できます。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、業務効率化や品質向上を実感できる「受発注業務アウトソーシング」サービスをご提供しています。定型フォーマット以外のイレギュラー対応が多い受発注業務を一任でき、お客様の事業をサポートしております。
お客様のニーズに合わせたシステムを開発し、業務事故を減少させられる点も特徴です。独自のシステム設計やプログラム開発で、1ヶ月あたりの事故発生率を約0.5%から約0.05%へ減少させた過去の事例もあります。
さらに、定型フォーマットはAI-OCRを活用することで書類を高精度に読み取りデータ化するため、高品質な作業が可能です。
単に受発注業務を遂行するだけでなく、しっかりとお客様の課題をヒアリングし、ご要望に応じた業務フローやルールをご提案します。また、無駄を削除しミスの起きにくい作業環境を整備することもできます。
電話受注センターや商品お問い合わせ窓口の設置にも対応しておりますので、注文受付やキャンセル対応などのご依頼も可能です。ECサイトだけでなく店舗への卸売に関する受発注業務など幅広く対応していますので、受発注業務でお困りの際には、ぜひパーソルビジネスプロセスデザインにご相談くださいませ。