総務アウトソーシングとは
総務アウトソーシングとは、総務部門が行う受付対応や在庫管理など負担のかかる業務を、外部の業者が代わりに行うサービスのことです。ここでは、総務アウトソーシングが注目を集めている理由や、アウトソーシングが可能な業務範囲について解説します。
1-1. 総務アウトソーシングが注目を集める理由
1-1. 総務アウトソーシングが注目を集める理由
日本では少子高齢化が進んでいます。総務省統計局の発表によると、2021年時点の総人口は前年度から51万人減少している一方で、65歳以上の高齢者は22万人増加しています。総人口のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は29.1%にも達しています。
※参考:総務省統計局 「令和3年統計トピックスNo.129 統計から見た我が国の高齢者 1.高齢者の人口」
こうした労働力人口の減少によって、幅広い業種で慢性的な人手不足が起きています。人手不足が発生すれば、企業活動に影響を及ぼしたり、長時間労働をはじめとする労働環境の悪化によって離職につながったりと、悪循環を招きかねません。
人手不足を解消するために、採用を増やす方法も考えられますが、労働人口の減少が進むいま、思うように人材を確保できないケースもあると思われます。そのため、限られた人材で業務の生産性を向上させるための一手として、業務の一部をアウトソーシングすることに注目が集まっているのです。
※参考:厚生労働省 「働き方改革」
総務アウトソーシングが可能な業務範囲
委託業者によって異なりますが、アウトソーシングが可能な一般的な総務業務として、以下が挙げられます。
<カウンターサポート>
- 受付業務
- メール代行
- 貸出業務
- 在庫管理
- 設備管理
- 会議室サポート
<庶務サポート>
- 名刺発注
- 出張手配
- カード発行業務
- 組織変更付随業務
- 年賀状作成代行
<ビジネスサポート>
- 契約書作成支援
- 請求処理
- IT支援
- オフサイト支援
総務アウトソーシングのメリット・効果4つ
総務アウトソーシングのメリット・効果4つ
総務アウトソーシングは、企業の人手不足を解消するために役立ちますが、ほかにもさまざまなメリットがあります。
ここでは、総務アウトソーシングの代表的なメリットを4つ紹介します。
メリット(1)コア業務へ人的リソースが集中できる
メリット(1)コア業務へ人的リソースが集中できる
総務アウトソーシングを活用すると、コア業務にリソースを集中させることが可能です。
円滑な企業活動に欠かせない総務ですが、なかには受付対応や設備管理などのノンコア業務にあたるものも含まれています。
ノンコア業務にあたる日常の庶務業務をアウトソーシングすることで、本来注力すべきといえる働き方改革推進やBCP対策、福利厚生の見直しなどの戦略的業務に取り組めるようになるでしょう。
また、総務業務をアウトソーシングすると、総務部門の人員を削減して、そのほかの部署にリソースを充てることができます。
メリット(2)工数の多い業務を委託し、時間が削減できる
メリット(2)工数の多い業務を委託し、時間が削減できる
上述の通り総務をアウトソーシングすることによって、負担がかかる定型業務から解放されて、それまでかかっていた時間をコア業務に振り分けることができます。
また、月末や年度末の締め作業、株主総会や記念イベントなどの一定期間のみ作業量が増大する業務を委託業者に任せると、繁忙期に残業時間が大幅に増えてしまう心配もありません。
それに加えて、一定の時間を要する総務部門の採用・教育といった人材管理も不要になるため、大幅な労力の削減につながります。
メリット(3)属人化を解消して安定運用ができる
メリット(3)属人化を解消して安定運用ができる
総務業務の属人化を解消できることも、アウトソーシングを活用するメリットの一つです。
総務部門における業務は多岐にわたるため、限られた社員で対応する場合には、属人化を避けられないことがあります。
アウトソーシングをすると、委託した業務を継続して実施してもらえるため、属人化を解消できるようになるでしょう。総務担当者の入社・退社があった際にも、引き継ぎが不要になることから、総務部門の安定運用を実現できます。
メリット(4)専門性が高い外部リソース活用で、業務品質が向上する
メリット(4)専門性が高い外部リソース活用で、業務品質が向上する
アウトソーシングによって専門性が高い外部リソースを活用することで、業務品質を向上できるといったメリットもあります。
総務アウトソーシングを行っている委託業者は、業務に関する知識やスキルを持っており、これまでに蓄積されたノウハウを有しているエキスパートです。総務部門の業務について、社員によって能力にばらつきがある場合にも、業務を委託することで品質の向上・安定化を図れます。
総務アウトソーシングのデメリット2つとその対策
総務アウトソーシングを活用するにあたって、いくつかデメリットもあります。ここでは、主なデメリットとその対策について解説します。
デメリット(1)業務ノウハウの蓄積が難しい
デメリット(1)業務ノウハウの蓄積が難しい
総務アウトソーシングのデメリットとして、業務上のノウハウが社内に蓄積されにくいことが挙げられます。
業務をアウトソーシングすると、自社の社員が総務業務から離れるため、ノウハウや知識の習得が難しくなります。そのような状態でアウトソーシングを止めると、円滑な業務ができなくなり、企業活動に支障が出てしまう恐れがあります。
このようなトラブルを避けるためには、委託業者と定期的にコミュニケーションを取り、業務中に起こった問題や解決策を共有してもらう仕組みづくりが必要です。
デメリット(2)情報漏洩リスクがある
デメリット(2)情報漏洩リスクがある
総務業務をアウトソーシングすると、社内情報や顧客情報が外部に流出してしまうリスクがあります。情報漏洩のリスクを回避するためには、アウトソーシングの契約時に委託業者のセキュリティレベルを確認しておかなければなりません。
確認する項目として、以下が挙げられます。
▼確認するポイント
- プライバシーマーク取得の有無
- 定期的なセキュリティ教育の有無
- 業務実績の豊富さ
また、委託業者が取り扱える情報範囲や管理方法などのルールを取り決めておくことも重要です。会社の重要事項に関する情報を取り扱う業務については、アウトソーシングせずに、社内で対応することも一つの方法です。
総務アウトソーシングするときのポイント5つ
総務アウトソーシングを導入して円滑に運用するには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
▼総務アウトソーシングのポイント
- 自社の総務業務における課題を洗い出す
- 総務アウトソーシングを導入する目的を明確化する
- 総務アウトソーシングする業務と自社で対応する業務を仕分ける
- 総務アウトソーシングを導入する予算・発生コストを確認する
- アウトソーシング会社と情報を共有する仕組みをつくる
アウトソーシングの導入前には、どのような課題を解決したいのかを洗い出して、目的を明確化することがポイントです。自社の課題にあった委託業者を選ぶために、目的に応じて委託する業務の内容・範囲を事前に仕分けしておくことも欠かせません。
また、委託会社との間で、情報共有についてのルールを決めておきましょう。
総務アウトソーシングの事業規模別導入事例
ここからは、総務アウトソーシングを活用して、業務効率化や業務品質の向上を実現された企業様の事例について紹介します。
6-1. 原料メーカー様の事例|グループ4社の総務業務集約と効率化
6-1. 原料メーカー様の事例|グループ4社の総務業務集約と効率化
ある原料メーカー様では、事業拡大に伴って総務部門の業務量が増加しており、コア業務に集中できないといった課題を抱えていました。そこで、来客対応や電話対応などの業務にアウトソーシングを活用された結果、本社の総務社員が定型業務から離れることができ、コア事業に専念できる環境が実現しています。
6-2. サービス業様の事例|総務業務のアウトソーシングで生産性向上
6-2. サービス業様の事例|総務業務のアウトソーシングで生産性向上
あるサービス業様では、総務業務ごとに担当者が異なり、担当者を探すだけで時間がかかるといった問題を抱えていました。
そこで、総務部門が行う各部門の共通業務を集約するために、アウトソーシングを活用しました。結果、事務担当社員の業務時間が月間約80時間削減できるようになり、生産性の向上を実現しています。
※参考:パーソルテンプスタッフ 『総務カウンター設置で「探す・迷う」を解消 月間の検索時間約57時間を削減!』
総務アウトソーシングはパーソルビジネスプロセスデザインにお任せください
総務アウトソーシングはパーソルビジネスプロセスデザインにお任せください
総務アウトソーシングは、人手不足の解消をはじめ、業務時間の削減、属人化の解消などのさまざまなメリットがあり、総務部門だけでなく企業全体への波及効果が見込めます。
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