事務アウトソーシングとは
事務アウトソーシングとは、事務業務を代行業者に委託することを指します。
企業の業務は、利益に直結するコア業務と、そのサポート的な立ち位置であるノンコア業務に分けられます。企業を成長させていくうえで重要な“コア業務”にリソースを集中させるため、ノンコア業務が事務アウトソーシングへと委託されるのが一般的です。
では、どのような事務が事務アウトソーシングとして委託されるのか、次の項で見ていきましょう。
事務アウトソーシングで依頼できる業務内容
「事務アウトソーシング」と一口にいっても、事務には下記のようにさまざまな種類があります。
・一般事務
・営業事務
・経理・財務事務
・大学事務
・行政手続き事務 など
細かいところは企業によっても異なるものですが、それぞれの事務の特徴と依頼できる業務内容例について、詳しく見ていきましょう。
2-1. 一般事務
2-1. 一般事務
一般事務は、数ある事務職・オフィスワークの中でも、最も基本的な役割が割り当てられる領域です。一般事務の中でアウトソーシングができる業務内容としては、次のようなものが挙げられます。
対応業務例 | ファイリング、情報収集、書類作成、データ入力、データ処理、備品管理、事務局業務、発送業務などを代行 |
2-2. 営業事務
2-2. 営業事務
営業事務は、業務範囲が幅広く、商材・商流によって臨機応変な対応が求められる業務領域です。例えば、人材大手であるパーソルテンプスタッフの『営業事務アウトソーシング』では、引き合いから契約・購入後のサポートまで「営業活動に関わるすべての事務領域」を担当しています。
引き合い | ・取引先のマスタ登録 ・与信などの信用調査 ・電話対応 提案・見積もり |
提案資料の作成 | ・説明ツール作成 ・提案の説明 契約 |
契約 | ・契約書の作成 ・契約の締結 受発注 |
受発注 | ・発注入力 ・サンプル品の発送 ・部材・サービスの発注処理 納品・請求 |
納品・請求 | ・請求書の発行 ・納品書の発行 ・検収処理 サポート・その他業務 |
サポート・その他業務 | ・不良品の代替対応 ・返品・クレーム対応 ・営業活動の報告 |
2-3. 経理・財務事務
2-3. 経理・財務事務
経理・財務事務は、繁忙期と閑散期の波が大きく、時期によって事務作業の量が大幅に増減するという特徴があります。例えば、前出したパーソルテンプスタッフの『経理・財務事務アウトソーシング』では、以下のような経理・財務事務作業を代行しており、大量の経費精算にも対応しています。
経費精算 | 経費精算にかかわる事務の代行 |
請求書発行 | 請求書の発行にかかわる事務の代行 |
入金処理 | 入金情報の紐付け・消込作業の代行 |
各種マスタ登録(取引先) | 取引先、運用銘柄の登録などを代行 |
2-4. 大学事務
2-4. 大学事務
大学事務は、イベント時や申請が殺到する時期には追加人員が必要であることや、専門的で複雑な事務作業が求められることなどが特徴です。
例えば、前出のパーソルテンプスタッフの『大学事務アウトソーシング』では、下記の通り大学事務で求められる業務を幅広く代行しています。
奨学⾦関連 | 出願、専攻、誓約、継続、満期、異動などを代行 |
学⽣課・学務課関連(奨学⾦以外) | 学⽣証・⾝分証の管理、証明書の発⾏、拾得物の管理/サークル⽤施設の管理などを代行 |
総務課・庶務課・経理課・研究支援課業務 | 総合受付、郵便受付、メール室、消耗品管理などを代行 |
キャリアセンター関連 | 就職課の業務、求⼈票の整理、企業との交渉/就職セミナー・企業説明会の準備などを代行 |
2-5. 行政手続き事務
2-5. 行政手続き事務
行政手続き事務は非常に煩雑であり、業務フローも複雑だという特徴があります。
これも同様にパーソルテンプスタッフの『行政手続き事務アウトソーシング』では、適切なITツールの活用や安定した人材確保などにより、負担を減らすのが難しい行政手続き事務においても、現場の負担を減らせるよう尽力します。
対応業務例 | 国⺠健康保険、後期⾼齢者の医療、児童⼿当、介護保険、国⺠年⾦、資格認定、予防接種など、100種類を超える行政手続き事務を代行 |
事務アウトソーシングのメリット
それでは次に、事務アウトソーシングを活用することで得られるメリットを3つ挙げ、解説していきましょう。
メリット(1)コア業務に社内リソースを集中させられる
メリット(1)コア業務に社内リソースを集中させられる
まずは、コア業務に社内リソースを集中させられるというのが、事務アウトソーシングの大きなメリットです。
ノンコア業務を委託することにより、以前までノンコア業務に割いていた時間をコア業務に充てられるようになります。専門的な判断・知識が求められる企画業務などにリソースを集中させることで、良質なアイデアが生まれやすくなり、ひいては業務の生産性向上にも繋げられるでしょう。
特に中小企業では、総務事務、人事事務、経理事務など複数の分野の事務業務を一人の担当者が兼任することが多いため、事務アウトソーシングのメリットは非常に大きなものになるはずです。
メリット(2)事務担当者の負担を減らせる
メリット(2)事務担当者の負担を減らせる
事務アウトソーシングによって、事務担当者の負担を減らすことができます。
慢性的に人手が不足していたり、抱えている事務業務の量が膨大だったりすると、担当者は事務業務を定時内に終わらせるのが困難となってしまいます。
そうなると、残業をして処理することとなりますが、残業が続くとその疲労で「担当者の業務の品質低下」だけでなく、「ストレスの増加」や「会社へのエンゲージメント低下」など多くのマイナス面が懸念されてしまいます。
しかし、事務アウトソーシングを活用すると担当者の業務量を減らすことができますので、そうした懸念を払拭することができます。また、業務品質の向上や会社へのエンゲージメントの向上なども見込まれるでしょう。
担当者のストレスを軽減することや会社へのエンゲージメントが向上することは、担当者が長く勤続することになります。そうなると、離職率の低下にも繋がるはずです。
特に、膨大なノンコア業務の処理に追われ、社員が日々残業をしているような環境の場合には、このようなメリットが大きく感じられるでしょう。
メリット(3)業務品質を向上させられる
メリット(3)業務品質を向上させられる
業務品質を向上させられるのも、事務アウトソーシングを活用するメリットです。
特に、実績の豊富なアウトソーシング企業に依頼すると、多くのクライアント企業の業務を代行しながら蓄積してきた事務業務の「知識」や「ノウハウ」を、自社の業務にも活かしてくれることが期待できるでしょう。
同じ事務作業でも「非効率であまり質の良くないやり方」と「効率的で高品質なやり方」がありますが、どちらで処理するかによってビジネスのスピード感やクオリティは変わってくるものです。
人員不足などで社員が疲弊している環境下では、継続的に「効率的」で「高品質」に事務作業を処理していくのは難しいでしょう。
しかし、アウトソーシング企業に一部の業務を委託することで、社内の事務業務が今までよりもスピーディーかつ高品質に対応できるようになるはずです。
そうして業務品質が向上することで、社員や取引先の満足度向上にも繋がっていくでしょう。
事務アウトソーシングにおける料金形態
事務アウトソーシングにおける料金形態
ここからは、事務アウトソーシングにおける料金形態について解説していきます。
事務アウトソーシングの料金形態としては、次の3種類があります。
・固定料金
・従量課金
・変動制
それぞれ見ていきましょう。
4-1. 固定料金
4-1. 固定料金
固定料金の形態では、毎月の料金が決まっています。毎月発生する費用に変動がないため、「事務アウトソーシングにどれだけの費用を費やしているのか」を把握しやすいのが特徴です。
4-2. 従量課金
4-2. 従量課金
従量課金では、依頼する業務内容や業務量に応じて料金が変動します。毎月の費用は固定ではなく依頼内容によって変動するため、固定料金に比べて「月間の費用を把握しづらい」というデメリットがあります。しかし、「委託が必要な業務だけピンポイントで代行してもらえる」という点はメリットでしょう。
4-3. 変動制
4-3. 変動制
アウトソーシングの利用期間の長短によって料金が変動するのが、変動制の料金形態です。「2週間(営業日)」「月間15時間まで」といった利用期間の長さに応じて料金が決定します。イベント時など、短期的に追加人員が必要な場合に活用される料金形態です。
ただし、契約期間内に業務が終了しなかった際には、自社で残りの業務に対応しなければならない場合がありますので注意が必要でしょう。
事務アウトソーシングをする際のポイント
次に、事務アウトソーシングをする際のポイントを3点挙げて解説していきましょう。
ポイント(1)実績が豊富な企業に依頼する
ポイント(1)実績が豊富な企業に依頼する
先ほども少し触れましたが、事務アウトソーシングをする際には、実績が豊富な企業に依頼することがポイントです。
受注実績の豊富さは、数多くの企業での事務業務を代行してきたことを示しています。これまでに蓄積した膨大な知識・ノウハウに基づいて、自社にとって最適な業務代行や提案をしてくれることが見込まれます。
また、受注実績の豊富さは「多くの企業が信頼して委託してきた証」でもあるため、「安心して依頼できる」というメリットもあるでしょう。
ただし、特定の分野での実績があるだけでは不十分なことには注意が必要です。自社が依頼する分野において十分なノウハウを有していない場合、依頼時の業務品質や提案が満足できるものではない可能性があります。
ポイント(2)業務内容を整理してくれる企業に依頼する
ポイント(2)業務内容を整理してくれる企業に依頼する
事務アウトソーシングをする際には、業務内容を整理してくれる企業に依頼することも重要です。
依頼前に業務内容の整理をする必要がありますが、自社で実施しようとすると多くのリソースを費やすことになるでしょう。そのため、業務内容の整理まで代行してくれるところに依頼すれば、そうした負担を減らせるとともに、業務整理の品質向上も期待できるというわけです。
知識と経験が豊富なアウトソーシング企業に自社の現状を整理してもらうことで、自社の課題の解決に向けて“適切なアウトソーシングの依頼”ができるようになります。
仮に、自社で業務整理をした際に課題を見過ごすことなどがあれば、依頼をしても期待するようなメリットが得られないかも知れません。
アウトソーシング先の企業を探す際には、ヒアリングや業務調査、提案をしっかりと行ってくれることを確認すると良いでしょう。
ポイント(3)コンプライアンスの遵守意識が高い企業へ依頼する
ポイント(3)コンプライアンスの遵守意識が高い企業へ依頼する
事務アウトソーシングをする際には、コンプライアンスの遵守意識が高い企業へ依頼することもポイントです。
依頼する事務業務を各種法令に従って実施してくれるところでないと、依頼後に法令違反が見つかった場合、その対応に追われてしまう可能性があります。また、業務の法令違反が発覚すれば、顧客からの信頼を失うリスクもあるでしょう。
くわえて、情報保護意識の高さも重要です。事務業務では多くの顧客情報や社員情報を取り扱いますが、委託する際には委託先の企業にそれらの情報の管理を任せることとなります。
情報保護意識の低い企業に委託してしまうと、情報が漏洩してしまうリスクも高くなります。情報管理に関しては、「プライバシーマーク」を取得しているとか、情報の取り扱いに関して細やかな規定やルールを設けている企業に依頼することが重要でしょう。
事務アウトソーシングならパーソルグループへ
事務アウトソーシングならパーソルグループへ
事務アウトソーシングによってノンコア業務を代行してもらうことで、次のようなメリットが得られることを解説してきました。
・コア業務に社内リソースを集中させられる
・事務担当者の負担を減らせる
・業務品質を向上させられる
アウトソーシング先の企業を選定する際には、「実績が豊富な企業」や「業務内容を整理してくれる企業」に依頼しましょう。そうすることで、質の高い事務業務を代行してくれることが期待できます。
パーソルグループでは事務アウトソーシングサービスを提供しております。実績も豊富にありますし、業務内容もしっかり整理したうえで実施させていただくのが特徴です。事務業務で何かお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。