BX(ビジネストランスフォーメーション)とは?意味や事例をわかりやすく解説

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BXという言葉を耳にしたことはあるものの、具体的な内容やDXとの違いについては回答に戸惑う方もいるかもしれません。
自社でBXを検討している・しようとしている場合、BXの導入手順や理解も深める必要があります。

この記事では、BXの基本的な概要やBXが注目される背景、成功させるにあたっての手順などを紹介します。
併せて、導入事例も紹介するので、BX推進に取り組む際の参考にしてください。

目次

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    「BX(ビジネストランスフォーメーション)」とは?

    BX(ビジネストランスフォーメーション)とは、業務の見直しや改革を通じて、企業の全体的なパフォーマンスや競争力を向上させる取り組みを指します。
    具体的には、既存のビジネスモデルや業務プロセスを進化させることで、新しい価値を生み出すことに焦点を当てています。

    従来のビジネスの枠にとらわれず、デジタル技術などを活用しながら、顧客体験の向上、新たな収益源の創出、業務の効率化などを目指す取り組みです。

    この概念が重要視される背景には、急速に変化する市場環境や顧客ニーズの多様化があります。
    特に、新型コロナウイルス感染症の影響で加速したオンライン化やテレワークの普及といったビジネス環境の変化への適応が求められており、BXへの取り組みは多くの企業にとって重要な課題となっています。

    パーソルビジネスプロセスデザインのセールスマーケティング
    https://www.persol-pt.co.jp/salesmarketingservice/

    DXとの違い

    DX(デジタルトランスフォーメーション)もデジタル技術を活用した変革を目指す取り組みですが、BXとDXではその目的や範囲に違いがあります。
    DXは、デジタル技術を活用して、既存のビジネスプロセスを効率化したり、顧客体験の向上などを実現する取り組みです。
    BXは、デジタル技術を手段の一つとして、ビジネスモデルそのものを変革し、新たな価値を創造することを目指します。
    つまり、DXはBXを実現するための手段の一つと言えます。
    BXが実現して初めて、DXの取り組みが企業全体に定着し、価値を最大化できます。

    DXについて詳しく知りたい方はこちら
    https://www.persol-bd.co.jp/column/dxsolution/dx/

    BXの2つの大別:BMXとBPX

    BXは、大きく「BMX(ビジネスモデルトランスフォーメーション)」と「BPX(ビジネスプロセストランスフォーメーション)」の2つに分けられます。

    BMX(ビジネスモデルトランスフォーメーション): 従来のビジネスモデルを根本的に見直し、新たな収益構造や顧客価値を創造する変革
    BPX(ビジネスプロセストランスフォーメーション): 既存の業務プロセスを分析し、デジタル技術などを活用して、より効率的かつ効果的なプロセスへと再構築する変革

    BXが注目される背景

    現代社会では、グローバル化の進展、技術革新の加速、顧客ニーズの多様化など、ビジネス環境が大きく変化しています。
    このような変化に対応し、企業が生き残っていくためには、従来のビジネスモデルや業務プロセスを見直し、新たな価値を創造していくことが求められます。

    特に、AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術の進化は、企業に大きな変革の機会をもたらしており、BXは企業にとって喫緊の課題となっています。

    セールスマーケティングにおけるBX活用のメリット

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    顧客体験向上(CX)との相乗効果

    BXは、CX(顧客体験)向上において重要な役割を果たします。顧客ニーズは多様化・高度化しており、これに応えるためにはビジネス全体の構造転換が必要です。
    例えば、CRM(顧客関係管理)システムを活用した顧客情報の一元化により、パーソナライズされた提案が可能となり、顧客満足度を高められます。
    また、DXを取り入れたデジタルタッチポイントの強化は、顧客との関係性を深めるうえで非常に有効です。BXとCXの相乗効果を通じて、結果的に企業のブランド力やロイヤルティ向上につながります。

    業務プロセスの効率化

    BXを活用することで、業務プロセスの効率化が実現します。
     特にERP(企業資源計画)やSCM(サプライチェーンマネジメント)の導入は、社内の情報共有をスムーズにし、無駄な作業を削減することが可能です。
    例えば、マーケティングオートメーションの導入により、営業のリード管理やフォローアッププロセスを効率化し、担当者がより付加価値の高い業務に集中できる環境が整います。
    これにより、リソースの効率的な活用が進み、コスト削減と生産性向上を同時に実現できます。

    持続的な競争優位性

    BXは、売上向上だけでなく、持続的な競争優位性の構築にも寄与します。
    具体的には、BMX(ビジネスモデルトランスフォーメーション)を伴う新たなビジネスモデルの創出です。このアプローチは、既存の市場ニーズを見直し、顧客価値を最大化するための新しい収益基盤を確立します。
    例えば、デジタル技術を活用したサブスクリプションモデルへの移行やAIによる需要予測の精度向上は、マーケティング戦略を大きく強化します。BXを通じて競争力を高めることは、企業の市場ポジションを強化し、長期的なビジネス成功を支えます。

    データ利活用の強化

    セールスマーケティングにおいてBXを活用することで、データ分析力が大幅に向上します。
    マーケティングデータは、顧客行動や市場トレンドを理解するための重要な資産です。BXを通じてデータ管理基盤が整備されることで、多角的なデータ解析が可能となり、より精度の高い戦略立案が行えます。
    たとえば、AIを用いたデータ分析では、顧客属性に基づくターゲティングや購買予測を実現し、営業効率を向上させます。こうしたデータ活用の加速化は、競争が激化する市場環境において、持続可能な成長を実現する鍵となります。

    BX成功のための4つのステップと戦略

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    STEP1.現状の課題と目標の明確化

    BXを成功させるためには、まず企業が直面している具体的な課題を明確にすることが重要です。
    競争環境の変化や顧客ニーズの多様化など、企業を取り巻く外的要因と内部プロセスの非効率を分析し、それに基づいて目標を設定することが求められます。
    この段階では、業務のどこにボトルネックがあるのか、どの市場をターゲットとすべきか、どれくらいの期間で成果を上げたいのかといった具体的な項目の洗い出しが肝要です。
    また、目標は単に売上の数値向上だけでなく、顧客体験(CX)の改善や社内プロセスの効率化といった長期的視点も考慮する必要があります。

    STEP2.適切なツールとテクノロジーの選定

    BXを推進する上で、適切なツールとテクノロジーの選定は成功の鍵を握ります。
    CRMシステムを活用した顧客情報の統合管理や、ERPを用いた資源の最適管理、さらにはAIやRPAを活用した業務自動化は、業務効率改善と意思決定支援に貢献します。
    これらのツールを選ぶ際、組織のニーズや現状に適合し、柔軟性を持つものが求められます。また、ツールの導入だけでなく、それを適切に活用するためのトレーニングやマニュアル作成も同時に行うべきです。
    テクノロジーそのものが目的化しないよう、業務課題の解決に直結する形で導入することがポイントです。

    STEP3.組織文化の変革と人材育成

    BXの成功には、単なるツール導入にとどまらず、組織文化の変革が欠かせません。
    ビジネス環境の急激な変化に対応するには、従来の固定観念を変え、柔軟な発想で業務改善を推進する組織風土を構築する必要があります。
    それに加えて、技術の進展に対応できる人材の育成も重要です。
    特に、データ分析やAI活用といったスキルを持つ人材は、セールスマーケティングにおけるBXを推進する上で不可欠です。リスキリングや研修プログラムを通じて必要なスキルを学び、同時に組織全体での意識共有を図ることが成功への道筋となります。

    STEP4.イノベーションを推進する具体策

    BXを成果に結びつけるには、イノベーションを組織全体で推進するための具体的な取り組みが求められます。
    たとえば、既存のビジネスモデルを見直し、新たなビジネスチャンスを生み出すことが求められます(=BMX)。
    また、IT基盤の整備や最適化を行うBPXも重要な戦略です。そのほか、社内にイノベーション促進部門を設ける、オープンイノベーションを通じて外部との連携を強化するなどの施策も効果的です。
    特に、顧客の声を活用した商品開発やサービス改善を迅速に行う体制を整えることで、セールスマーケティングにおける競争優位性を高めることが可能となります。

    BXを推進している3つの事例

    ここからは、パーソルビジネスプロセスデザインによるBX推進の成功事例を紹介します。

    データドリブン経営&データドリブンセールスの実現へ【株式会社スギノマシン】

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    株式会社スギノマシンは、従来のアナログな営業手法や情報管理の不統一という課題に直面していましたが、当社の支援を受け、営業プロセスの可視化やSFAを活用した管理体制の統一、さらにデジタルマーケティングとの連携により、新規顧客獲得施策を実施しました。
    その結果、営業活動の効率化と標準化を実現し、顧客ニーズへの迅速な対応と売上拡大、組織全体のパフォーマンス向上を達成しました。

    データドリブン経営&データドリブンセールスの実現へ
    https://www.persol-pt.co.jp/salesmarketingservice/case/suginomachine/

    属人的な営業組織脱却の軌跡【株式会社アスピット】

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    株式会社アスピットは、営業担当者間での情報共有や営業プロセスにばらつきがあり、マーケティング施策が断絶しているといった課題に直面していましたが、当社の支援を受け、CRMやSFAなどのデジタルツールを導入し、営業プロセスの可視化、指標の設定、現場研修を通じてスキルの平準化を実施しました。
    これにより、営業効率の向上と顧客接点の強化が実現し、売上拡大に寄与しました。

    属人的な営業組織脱却の軌跡
    https://www.persol-pt.co.jp/salesmarketingservice/case/aspit/

    オンライン時代の営業モデル変革事例【オフィス機器販売・保守企業T社】

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    当社は、通信機器・OA機器の販売・保守を行うT社の営業モデル変革を支援し、従来の訪問営業から非対面営業への移行を実現しました。
    T社の主な課題として、営業プロセスの管理不足、指標の不統一、営業ノウハウの蓄積不足がありました。
    これらを解決するため、営業プロセスの可視化と再設計、SFAで管理すべき指標の共通化、営業スキルの平準化を行い、アポイント獲得率の向上や営業プロセスの効率化に成功しました。

    オンライン時代の営業モデル変革事例
    https://www.persol-pt.co.jp/salesmarketingservice/case/sales-consulting_01

    まとめ

    BX(ビジネストランスフォーメーション)は、企業が新たな価値を創造し、競争力を高めるための重要な取り組みです。
    VUCAと呼ばれる予測困難な時代において、BXは企業が生き残るための必須条件となっています。

     本記事を通じて、BXの基本的な概念や具体的な導入手順、成功事例について理解を深めていただけたでしょうか。これらの知識を活用し、自社のBX推進に役立ててください。

     パーソルビジネスプロセスデザインでは、セールスマーケティング領域で多数のサービスを提供しています。BXの導入・推進をご検討中のご担当者さまは、「セールスマーケティング」からご確認ください。

    「組織の成長」と「はたらく人」の成長を目指す
    パーソルビジネスプロセスデザインの
    セールスマーケティング

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