そもそもBPOとは何なのか
BPOは『ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing)』の略称です。会社内には様々な業務プロセスがありますが、プロセスの一部または全部を外部に委託することで、余計な作業に手を煩わせることなく、コアとなる業務に専念できるようになります。
アウトソーシングとの違い
BPOは名前の通りアウトソーシングの一種ではありますが、一般的に『アウトソーシング』と呼ばれるものとは少し意味合いが異なります。アウトソーシングは業務を委託するだけの動きを指しますが、BPOは「業務設計」から「業務の効果分析」、「改善案の実行」による「業務の効率化」まで、一括して外部業者に任せることが可能なのです。
経費精算システム導入との違い
近年、便利な経費精算システムが続々とリリースされています。自社の課題に合わせたシステムを導入することができれば、業務効率化を実現することができることでしょう。ただ、ここで注意したいのは、効果的なシステムの選定や導入を行うには、まず社内の既存業務の問題点を明確にしておく必要があるということです。
加えて、システムはあくまで「道具」ですので、どの道具を使うのか、どのように使うのかは自社で考えていかなくてはなりません。「新しいシステムを導入してみたけれど効率化につながらなかった」「新しいシステムを導入してみたけれど社員が全く使ってくれない」といった事例もよく耳にするのが現状となっています。
BPOの場合は、経費精算に特化した外部の専門業者が、業務の問題点をチェックしたうえで効率良く作業を行ってくれます。単にシステムを導入するだけでは得られない「業務の改善」も見込めることができるのです。
BPOの流れ
BPOの流れとしては、まず、人事・経理・システムなど、自社の課題に合わせて切り出す業務を決めていきます。切り出した業務は、プロセスごと外部業者に委託します。外部に自社部門を置いて業務を行ってもらうようなイメージです。
前述したように、単なる作業を実行するだけでなく、業務の設計、細かなトラブルの対応、業務課題の分析、改善提案まで行ってもらえるのがBPOです。さらに、改善案を取り入れた業務の効率化まで実現することができるでしょう。
経費精算にこそBPOを導入すべき理由
経理の業務はいくつもありますが、なかでも『経費精算』はBPOの導入効果が高い業務のひとつでしょう。「導入すべき理由」について、以下で解説していきます。
経費精算が全社の負荷になっているため一気に効率化できる
ノンコア業務の中でも、頻繁に発生して社員の負荷になっているのが経費精算といえます。経理部門は毎日のように伝票のチェックと処理に時間を割かなくてはなりませんし、他部門の社員は自らの業務を後回しにして伝票起票に取り組まなくてはいけないことがあります。
特に出張や外出が多い社員は、その都度、精算のための処理をしなくてはならず、大きな煩わしさを感じているはずです。これは、既存のシステムありき、紙ありきの経費精算が原因であり、ひどい場合には「経費精算のためだけに社員が出社している」という事例も少なくありません。
BPOを導入することで、出張先で立て替えた経費の入力や承認者の確認作業、経理部門の確認、支払処理といった煩雑な処理を外部に担ってもらうことが可能になります。それにより、会社全体の負荷となっていた業務を一気に効率化できるというわけです。
経費精算に特化したサービスが存在する
一般的な「経理代行」には、様々な業務を担ってくれる一方、自社独自のやり方や特徴に合わせづらいというデメリットがあります。
しかし、BPOサービスの中には経費精算に特化しているものがいくつもあります。企業や部門に合わせてカスタマイズした経費精算を行ってくれるので、フレキシブルな対応が期待できるはずです。
経費精算にBPOを導入するメリット
実際に経費精算にBPOを導入した場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、主な3つのメリットをご紹介していきます。
メリット(1)コストカットにつながる
経費精算をBPO化することで、その分の人件費を削減することができます。その業務に配置させる人員を減らすことができれば、採用や育成にかかる費用のカットにもつながります。
また、それまで経理業務に配置していた人材を、生産性の高い他の業務に移動させることも可能になるでしょう。ノンコアからコア業務に、より多くの人材を集中させることができるのです。
メリット(2)法改正に対応できる
しかし、BPOを導入することで、情報収集をしたり新しい知識を習得したりする手間は不要になります。専門知識を持った業者が、いつでも最新の体制で対応してくれるのです。
2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、帳簿や書類の電子データ化が簡単になっています。
メリット(3)不正防止につながる
メリット(3)不正防止につながる
経理業務の場合は特に、厳しく内部統制を行っていても「社員が不正をしていた」「担当社員がミスを隠蔽していた」といった事態が起こってもおかしくありません。金銭を取り扱うために不正につながりやすい職種といえるのですが、とりわけ経費精算は社員個人に金銭を払い出す業務なので、不正が行われた例も過去に数多く存在します。
経費精算をBPO化することで、業務の透明性が高まり、不正を防止することにつながります。特定の社員のみが経費精算業務に対応しているといった、いわゆる“ブラックボックス化”した状態を防ぐことができますし、改ざんの見過ごしや、証憑なしで精算されてしまうといったことも防止することができるのです。
経費精算にBPOを導入する際の注意点
ここまで説明してきたように、うまく導入できればメリットの多い『BPO』ですが、一方で課題が生じる場合もいくつかあります。3つほど取りあげて説明してみましょう。
社内にノウハウが残らない可能性がある
これは経費精算に限りませんが、BPO化で長期間外部に任せている状態にすると「自社の業務についてわかる社員が一人もいない」といった事態になりかねません。
BPOを導入する際には、将来的に自社で作業する必要が出てくることも想定して、業務の流れやノウハウを途切れさせることがないよう注視しておく必要があります。そうでなければ、再び自社で作業する必要が出た時に、「一から業務知識を身に付けなければならない」といった状態になってしまうのです。
情報漏洩のリスクがある
BPOを導入する場合、社内情報を委託先に渡す必要が出てきます。社内から社外へと情報が移動しますので、少なからず漏洩のリスクは発生してしまいます。
必ず信用できる委託先を選び、事前に情報セキュリティについての規約を確認しておきましょう。守秘義務契約を結ぶことはもちろんのこと、「プライバシーマークの取得」など第三者認証の取得有無なども、チェックしておくべきポイントになるでしょう。
費用が高くなってしまう可能性もある
基本的には作業に対する対価を支払いますので、社員が業務を行うよりもコストの削減が期待できます。しかし、契約内容によっては導入したことで「かえって費用がかさんでしまった」というケースもあります。
BPO企業は、基本的に業務改善まで担ってくれますので、結果的として企業には大きなメリットがリターンとして返ってくるものです。しかし、場合によっては長期的な費用対効果として見合わない場合もあるのが現状です。
その企業の導入事例などをチェックして、導入コストや運用コスト、リターンへの期待などをしっかり見極めるようにしましょう。
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