膨大な業務量と、時間が必要な職員への教育。前向きに対応してもらえて、『コア業務』に注力できるように

放送大学

業種
教育・学習支援
導入部署・部門
学務部 学生課 通信指導係

課題・背景

BSテレビ・ラジオ、インターネットを通じて好きな時間に学べる通信制大学として、約9万人もの学生が在籍する放送大学様。全国に50ヶ所の『学習センター』を有していますが、千葉県千葉市にある本部では膨大な業務や新規スタッフの教育に多くの時間を要していました。そこで、パーソルビジネスプロセスデザインが各種業務を担当。マニュアル化の推進や業務改善のご提案をすることで、負担を軽減させ『コア業務』に専念していただくことができたのです。

Before

業務の量が膨大で、夜遅くまで対応しなければならない
派遣スタッフやアルバイトを雇うも、業務へ慣れてもらうのに時間を要する
電話も鳴りっぱなしで、新規案件に対応することが困難

After

負担が大幅に軽減し、新規案件へ注力することができるように
スタッフの 質が高く、効率的に業務を行なってもらえる
経費削減が求められるなか、“人件費の抑制”に効果があった

目次

    導入前の課題

    新規案件に対応しなければならないが、膨大な業務に忙殺

    放送大学様は、BSテレビ・ラジオ、インターネットを通じて好きな時間に学べる通信制大学として、約9万人もの学生が在籍しています。(2022年9月現在)

    通信制の大学ながら、全国に『学習センター』を50ヶ所、学習センターの分室的な役割を担う『サテライトスペース』を7ヶ所設置しており、多くの学生が学ばれています。

    入学時期は4月と10月ですが、それに付随する業務として「出願者の書類チェック」や「データ入力」といった出願受付業務があります。また、学期開始後に実施される通信指導にまつわる業務単位認定試験にまつわる業務など、膨大な量の業務があったようです。

    前田 様
    放送大学
    学務部 学生課 通信指導係
    前田 様

    10年前に他大学から放送大学へ出向という形で在籍していた前田様は、膨大な業務があった当時のことを次のように振り返ります。

    「当時は、業務を全て職員でやっていました。日中は作業室でひたすら夜まで作業をして、夜になって自分のデスクに戻ったら、ようやく他の業務をする。それが日々の流れでしたね」

    派遣スタッフやアルバイトを雇ってはいたけれども、複雑な業務はお願いすることが難しく、しかも「毎学期違う人に変わるので、はじめは業務へ慣れてもらうまでに時間を要してしまって……」と前田様は話されていました。

    また、前田様は続けて“電話での問い合わせ”に長時間要していたことも語られました。「今は学生サポートセンターという問い合わせ対応専門の部署がありますが、当時は問い合わせの電話が各部署に直通だったのです。特に、うちの部署はずっと鳴りっぱなしでしたね。学生が9万人いらっしゃいますから、問い合わせの数も膨大で……」

    さらに答案処理も負荷が高かったと言いますが、繁忙期が決まっているため答案処理のためだけに職員を採用するというのも難しかったようです。また、アルバイトや派遣を依頼するにも手間や時間が掛かってしまいます。

    一方で、業務の特性として『難易度が非常に高い』という点がありました。他の関連業務への影響が大きいため“作業の遅れ”は許されません。石井様も力強く次のように説明されました。「答案処理は単位認定や卒業にかかわる重要な業務なので、ミスが絶対に許されません。仮に答案を紛失してしまったりすると、大ごとです。かなり答案の扱いには気を遣うところですね」

    その反面、業務スケジュールには余裕が無く、作業の遅れを発生させるわけにはいかなかったのです。
    また、通常業務だけでなく「通信指導の提出をWEB提出も可能にする」といった『新しい取り組み』も職員の皆様に求められるようになっていき、通常の業務とあわせて進めていかなければならなかったようです。

    取り組み内容

    業務を把握しながら「マニュアル作成」を真面目に取り組んだ

    膨大な業務を前に、「『委託可能な部分』は外注して、『検討を要する業務』に注力していきたい」と考えるようになった放送大学様。

    「大量の書類を、短期間に正確に処理できるサービスが必要だ」「マニュアル化できるような定型業務については手離れしよう」と考えつつも、外部業者を選定するにあたっては「高等教育機関における業務実績があることが望ましい」とも考えていらっしゃいました。

    放送大学様の場合、業者の選定には入札を実施する必要がありました。同業他社との比較は行われていましたが、入札要件を満たしていれば比較するのは入札額のみ。ただ、重要な判断基準もありました。石井様は次のように説明されます。

    「答案という機密情報を扱う業務の性格上、セキュリティ要件や管理体制がきちんと整っているかは重要でした。自社に持ち帰って処理をしたいという要望もあるかとは思うのですが、書類の持ち出しはして欲しくなかったので、『常駐していただく』というのが前提になりました」

    パーソルビジネスプロセスデザインの前身である日本アイデックスも入札に参加した結果、担当することが決まったのです。

    そうして作業室に常駐するようになったパーソルビジネスプロセスデザインは、実際に「どういった業務を、どのように進めているのか」をレクチャー受けながら、マニュアルを作成していきました。当時の様子を前田様は振り返ります。「日本アイデックス(パーソルビジネスプロセスデザイン)さんは、すごく真面目に取り組んでくれましたね。初めのうちはゆっくりと丁寧に相談しながら進めました」

    郵送で提出される答案については、開封・確認・整理を行っていきました。また、答案がWEB提出できるようになった後も、教員の要望に合わせて答案をPDF形式や紙媒体などに変えていき、迅速に採点できるように準備していったのです。

    さらに、問い合わせの電話ついては、放送大学様が「学生サポートセンター」を設置して1次的に電話を受け、パーソルビジネスプロセスデザインも作業室の中で一部の電話を受けさせていただくことになりました。

    導入の効果

    柔軟な対応によって『人件費の抑制』や『コア業務への注力』を実現

    答案処理や出願受付業務、そして電話応対をパーソルビジネスプロセスデザインが対応することで、どのような効果が出てきたのでしょうか。

    石井 様
    放送大学
    学務部 学生課 単位認定試験係
    石井 様

    石井様に伺うと、まず「経費削減が求められるなか、人件費の抑制に効果があった」と言います。続けて、職員の皆様に求められていた「新規案件に対応することもできるようになった」ようで、次のように語ります。

    「答案処理の負担が大幅に軽減されたので、検討すべき新規案件へ注力することができるようになりました。もし答案処理を自前でやっていたら、新しいことなんて検討する余裕はなかったですね」

    この点については、前田様も実感を込めながら語ってくださいました。「以前は夜遅くまで作業室でやっていた作業をパーソルビジネスプロセスデザインさんに担当いただけたので、それ以外の業務に注力できるようになりましたね」

    さらに、2020年からのコロナ禍においても、業務委託の効果を実感されたようです。「コロナの影響で業務スケジュールが変わってしまうこともありましたが、そういった場合でも相談すると、『分かりました。何とかします』と言って前向きに対応いただいたので、すごく助かりました」と石井様。

    パーソルビジネスプロセスデザインのスタンスとして、業務を進めながら分析をし「一度やってみたところ、こういった傾向があったので、次はこうしたほうがいい」といった提案をするようにしていました。また、採点処理についても効率的に回していくために、「こういったプログラムを作りましょう」といった提案をさせていただいたのです。

    そのような対応についても前田様は「仕様には明確に書いてないことでもフレキシブルに対応してもらって、非常に協力的に取り組んでいただけるのは大変助かりました」と口にしてくださいました。

    加えて、これまでのトラブルシューティングの蓄積が『ナレッジ』として残っていることもあり、「異動により新規に着任した職員への丁寧な対応も助かります」というお話もしていただきました。放送大学様でも異動は頻繁にあります。「パーソルビジネスプロセスデザインさんは業務に詳しく品質も高いんです。そして、すごく丁寧に対応してくださるので、人事異動があっても安心して業務を進めることができます」と石井様は笑顔を見せながらお話しくださいました。

    最後に石井様は、今後の展望として『DX』について言及されました。
    「放送大学ではDXへの対応を掲げていますので、業務内容も変わってきます。いくつかありますが、たとえばWEBによる試験で『いかに厳格性の確保をするか』といった点などについても、今後は対応いただきたいですね」

    お客様プロフィール

    ヤマト運輸株式会社

    放送大学は、千葉県千葉市美浜区に本部を置く日本の私立大学です。放送大学学園法に基づき設立された通信制大学・大学院であり、文部科学省及び総務省が所管しています。BSテレビ・ラジオ、インターネットを通じて好きな時間に学べる通信制大学として、約9万人もの学生が在籍しています。1科目(2単位)から履修可能であったり、全国にキャンパスを有していたり、卒業後も再入学可能であったりするなど、学びを深めたい人のための『開かれた大学』と呼ばれて全国で親しまれています。

    放送大学
    本社所在地 千葉県千葉市美浜区若葉2-11
    設立1981年(昭和56年)7月
    代表者理事長 髙橋 道和 / 学長 岩永 雅也
    従業員数395名(令和3年4月1日現在)
    伊藤 俊樹
    パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
    サービスデザイン本部
    公共ソリューション部 5課
    伊藤 俊樹

    担当者コメント

    放送大学様は「いつでも、だれでも、自由な学び方」を幅広い年代・様々な目的を持った方に提供をされています。
    その一助となれるよう、一つ一つを丁寧・迅速に、臨機応変な対応を心掛け業務を行わせていただいております。

    今後、DXにより業務の内容が変わっていくことが予想されますが、その時々にあうサービスを提案・提供し続けることができるよう尽力してまいります。

    掲載内容は取材当時の情報です。

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