導入前の課題
技術職社員退職率の低下と顧客満足度向上を目指して
同社は製品購入ユーザーへの初期対応として、システム導入時の設置・設定作業、初期操作講習をサポート担当者が兼務していました。 担当技術者の離職が多く、業務の兼務による負担大が原因の1つと推察され、複数業務兼務体制を改善したいとの意向がありました。
また他業務と兼務であったため、緊急性が高い問題にも関わらず解決までに数日かかってしまうこともありました。 ユーザー固有の情報について担当者以外は分からないという状況で、技術レベルの高いサポート担当者が辞めてしまうとサポート品質が大きく低下、後任者の育成に時間を要する状況で、顧客満足の低下を危惧していました。
そこで、問い合わせ対応業務を専門性の高いベンダーにアウトソースして、自社社員が本業に専念できるようにしたいと考えました。サポートには専門性や技術理解が要求され、要件が厳しく提案を辞退するベンダーが現れるほどでした。
アプローチ
オンサイトでの業務習熟と運用構築
同社の新入社員と同等の教育を受けながら、サポート業務引き継ぎと新しいサービス運用の構築を同時進行しました。「職人」クラスのレベルの高いユーザーがサポート対象のため、同社のサポート環境にて就業し、専門知識の理解と同時に、運用構築作業として既存サポート内容を調査・分析しました。
その結果、どの範囲をアウトソースするかを協議し、バラバラになっていた運用ルールを再整備。 スムーズなお問い合わせ対応のために、統一された運用手順、業務フローを設定し、サポート環境を構築しました。
運用形態
「コンセプトの共有」 一次・二次窓口の役割の明確化とナレッジ管理
顧客満足度向上のために、初期段階では窓口応答率の向上を目標に設定。
一次窓口と二次窓口を設置して、それぞれの対応範囲と役割を明確にしました。
一次窓口での解決率向上のため、ナレッジの作成・管理を一次担当者主導で実施。二次担当者が新規ナレッジの承認をすることで、内容の整合性を確保しています。
成果・効果
窓口応答率の向上、回答時間の短縮と二次担当者の本業専念
以前は「窓口につながらない」という苦情が頻繁に届いていましたが、一次対応の徹底的なプロセス化と未知の案件を迅速にエスカレーションすることで、回線オープン時間の確保を実現。平均25%以上の窓口応答率の向上を実現しました。
ナレッジの活用により、一次解決率の向上と対応品質の標準化も実現。さらに高いレベルの教育受講や展示会に参加するなどして技術習得を続けることで、専門技術者にも満足いただく高いレベルのサポート提供に努めています。
応答率
お客様プロフィール
創業 | 1985年 |
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資本金 | 2100万円 |
所在地 | 本社:神奈川県各地 |
業態 | 国内・国外 3次元板金CAD/CAMシステムの開発・販売 |
規模 | 利用ユーザー数 約4500社 |
サポート対象 | 海外現地法人、代理店のサービスエンジニア |
※掲載内容は取材当時の情報です。