※掲載内容は、取材当時(2024年10月)の情報です。
導入前の課題
“高品質を維持するセンター運営”と“ナレッジ活用”が課題
ECサイト上で決済を行う際には様々な決済方法がありますが、店舗と決済事業者をつなぐのが“決済代行会社”です。GMOペイメントゲートウェイ様は、決済代行会社として数多くの店舗様へサービスを提供しています。
2024年9月期時点で15万店舗以上の加盟店様がおり、日々店舗様からは様々な問い合わせが寄せられ、その対応をカスタマーサポート統括部が行っています。しかし、統括部長である田中様は課題をいくつも抱えていたようで、次のように振り返りながら語ります。
「経営層からサポート運営について意見を受けることもありました。ただ、私たちは社内モニタリングなど対応品質の向上に向けた取り組みも積極的に行っていましたし、ハイレベルな接客サービスを経験してきた人材も多く在籍しています。対応品質に関して、絶対的な自信を持っていましたが、いくら社内基準の結果を提示しても、納得感のある証明をすることはできませんでした」
そこで田中様が考えたのは、『第三者から評価を受ける』ということだったようで、次のように続けます。
「サポート対応を外部機関に聞いてもらって、私たちの対応を評価してもらおうと思い、まずはHDIの格付け評価における『三つ星』の取得を目指しました」
システム本部
カスタマーサポート統括部
統括部長 田中 弘道 様
2017年から取り組みをはじめ、2018年には目標としていた三つ星を獲得したGMOペイメントゲートウェイ様。ただ、それだけで終わりませんでした。「品質には自信を持っていましたが、継続的にその品質を維持していかなければなりません。しかし、品質ばかりに特化していても維持はできないので、センター運営自体の整備を考えていかなければなりませんでした」と田中様。
そうしてGMOペイメントゲートウェイ様は、センター認証である五つ星にチャレンジし2019年に取得するも、別の側面からの課題があったようで、田中様はこう説明してくださりました。
「当社で扱う決済手段は30種類以上ありますし、システムの接続方法も複数種類あります。そのため応対者は高い専門知識が求められ、教育コストもかかっていました。一方で、内部に蓄積されたナレッジを十分に利用できていないことも教育面で大きな課題として認識していました」
問い合わせへの対応において“ナレッジの活用”には課題があったようですが、整備が上手くいかず「行き詰っていましたね」と田中様は語りました。
取り組み内容
五つ星・七つ星に伴走支援をしてもらいながらKCS導入
五つ星・七つ星に伴走支援をしてもらいながらKCS導入
三つ星評価と五つ星センター認証を獲得しながらも、センター運営に課題を抱えたGMOペイメントゲートウェイ様が、HDIから紹介されたのがパーソルビジネスプロセスデザインでした。
「ぜひ手伝っていただきたい」と依頼を受けたパーソルビジネスプロセスデザインは、まず五つ星の認定更新監査を実施します。そして、その2年後に“七つ星”であるSCC(サポートセンター国際認定)の取得にチャレンジするとのことで、伴走支援をさせていただくことに。
さらに、「行き詰っている状態」となっていたナレッジ運用ですが、『KCS※』という手法により解決できそうだと知ったGMOペイメントゲートウェイ様。
関連記事:KCSとは?KCS運用でコールセンターがどう変わるのかを徹底解説!
※『KCS』とは、米国NPOサービスイノベーションコンソーシアムが10年以上の年月をかけ、多数の大手IT企業参画のもとに開発されたナレッジマネジメントのベストプラクティスです。詳細は、関連記事をご確認ください。
当初、KCSに触れた田中様は、次のように感じたといいます。
「どこまで私たちのセンターに役に立つのかは正直分かりませんでしたが、何もせず同じ場所に留まることは衰退を意味すると思っていますので、とにかくチャレンジしてみてから判断しようと考えました」
そこで、パーソルビジネスプロセスデザインはKCSの導入支援も実施することに。実は、パーソルビジネスプロセスデザインは、いち早く『KCSアワード』を取得しており、KCS運用を取り入れ培ってきたノウハウを数多く蓄積しています。『KCSアワード』は、KCSの導入に成功し、高い顧客満足度と従業員のモチベーションアップを実現させ、他社の模範・目標となるコンタクトセンターであることの証明なのです。
GMOペイメントゲートウェイ様への支援の具体的な内容としては、いくつかのパフォーマンスデータを見せていただき、SCCのフレームワークに則って様々なアドバイスを実施していきました。また、アドバイスとして“仮説”を立てたものに関しては、一定期間が経過した後に「どのように変化しているか」というフォローアップも行い、意見交換も実施していったのです。
導入の効果
導入の効果
“七つ星”の認定も無事に取得。「他社にもお勧めしました」
“七つ星”の認定も無事に取得。「他社にもお勧めしました」
パーソルビジネスプロセスデザインが伴走支援を行い、サポート体制を整えるお手伝いをすることで、五つ星の監査も無事に合格を果たし、その後の七つ星であるSCC(サポートセンター国際認定)も認定されることになりました。
“七つ星”の認定を取得したことにより、国際的に大変優れたサポートセンターであることが証明されました。しかし、田中様は「国際認定を取得したからと言って多くの反響があるということはありませんでした」と冷静に振り返ります。
しかしながら、“社内での変化”に関しては次のように説明されました。
「カスタマーサポート統括部の従業員満足度も上がっていますし、離職率も落ち着いています。ここ最近は、ご家庭の事情のようなやむを得ない理由でしか退職者は出ていませんね」
つまり、認定取得に向けて体制を見直していくことで、間接的ではあるものの、ESや離職率にも変化があったとのこと。また、パーソルビジネスプロセスデザインのコンサルティングに関しても続けて語ってくださいました。
「とにかく知識が豊富でしたね。コンサルティングサービスというものは、時として概念的で分かりにくいこともありますが、そういったところは一切なくて、いつも気にかけてくださって、的を射た指摘もたくさんいただきました」
また、田中様が別の企業のコンタクトセンター担当者と会話をした際に、「他社の担当者の方から、『国際認定にチャレンジしていくうえでKCSを導入したいのですが、実際に導入してみてどうですか?』と聞かれました」と“同様の課題にぶつかっている”と相談を受けたようです。
その際に、他社の方へ次のように返答くださったといいます。「課題点や躓いた点を共有しながら、『パーソルビジネスプロセスデザインにお手伝いいただいて、すごく助かりましたよ。お勧めです』とお伝えしましたよ」
効率化と顧客満足度は相反する面もありますが、「それを両立させたい」と続けて力を込める田中様。
「どこまでいってもゴールなど無いのでしょうけど、社内の対応は効率化しつつも、お客様対応には必要な時間をかけ、より高品質なサポートを提供できるよう引き続き向上させながら、変化に対応していきたいですね。また相談に乗っていただけたら嬉しいです」と笑顔で話してくださいました。
お客様プロフィール
GMOペイメントゲートウェイ株式会社
GMOペイメントゲートウェイ様は、オンライン化・キャッシュレス化・DXなどを支援する決済を起点としたサービスを提供しています。年間決済処理金額は18兆円を超えており、オンライン決済代行サービスはEC事業者やNHK・国税庁等の公的機関など15万店舗以上の加盟店に導入されています。
決済業界のリーディングカンパニーとして、オンライン決済代行サービス、対面領域での決済サービス、後払い・BNPL(Buy Now Pay Later)、金融機関・事業会社へのBaaS支援、海外の先端FinTech企業への戦略的投融資など、決済・金融技術で社会イノベーションを牽引し、持続可能な社会の実現と社会の進歩発展に貢献しています。(2024年9月末時点、連結数値)
本社所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス |
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設立 | 1995年3月8日 |
代表者 | 代表取締役社長 相浦 一成 |
従業員数 | 853名(2024年9月現在、連結数値) |
<担当者コメント>
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ワークスデザイン事業本部 サービスデザイン統括部 サービス戦略部
部長:吉田 純一郎
GMOペイメントゲートウェイ様のサポートセンターは、さまざまなキャリアに関するバックボーンを背景に活躍されたメンバーの皆様が、高度な接客マインドと経験を駆使してサポートサービスを提供されています。
私もメンバーの皆様へのKCSコーチ研修など、講師およびコンサルタントとして接する機会が多くありました。その際に、皆様の人柄やコミュニケーションの一端に触れることでサポートサービスのレベルの高さを肌身で感じることができ、有意義な経験をさせていただきました。
GMOペイメントゲートウェイ様の決済代行サービスの素晴らしさや社会貢献性が高いことはもとより、加盟された店舗の皆様には、ぜひ高度なレベルでのサポートサービスを体験してもらいたいと強く思います。