導入前の課題
対応のバラつきと属人化の排除を目指して
当社にお問い合わせをいただいたときは、約2年の間、某大手ITベンダーのメンバー5名が常駐し、サポート業務を行っていました。しかしながら、サポート業務内容が可視化されず、当メンバーによる業務の改善提案や自律的な活動が乏しく、同社の管理責任者は頭を悩ませていました。また、業務の役割や定義が不明確であり、対応レベルも担当者ごとにバラバラ。「その問題はこの人に聞かないと分からない」といった「属人化」傾向も大きな問題になっていました。
同社管理責任者は、1カ月あたりの問い合わせ件数、問い合わせ内容、お問い合わせ傾向など、サポート内容を細部まで分析できるようにしたいと強く要望していました。また、ITILに準拠したサポートサービスを提供することで海外拠点とのグローバルなサポートも計画中でした。そのためにもサポート業務の可視化が必須と考え、この問題を解決するためのソリューションを持つ会社として、パーソルビジネスプロセスデザインに相談しようと思い立ちました。
ヘルプデスクのビジョン(導入の目的)
ビジネスの生産性の向上を目指し、グローバルからの指示でITILを導入し、サービスデスクを目指す。
事後対応型から事前予防型、さらにビジネス志向型への転換
アプローチ
問題点の洗い出しとサービスの可視化
まず、ユーザー満足度調査とヘルプデスクのアセスメントを行い、問題点の洗い出しを行いました。
各種問題を把握後、サービスメニュー、サービスレベル、業務フローやプロセスなどの構築を行い、さらに担当者の役割を明確にすることでサービスの可視化を図りました。そして、業務を組織で運用し、サービスマネージャーを配置することで全体のコントロールを行うように変革を進めました。
運用形態
サポート業務の数値化とホールアウトの実現
継続的に測定・監視する必要のある指標項目(KPI)を決定し、サポート業務全体の状態が一目で分かるように数値化することに着手しました。また、営業時間以外のサポートは当社の宮崎サポートセンターにて対応することによりコストの低減化を図りました。
重複する業務や無駄を排除することで業務ボリュームの最適化を行うとともに、繰り返し発生する問題はその傾向を分析して管理者へ改善提案することにより、問題を根本から排除していきます。
さらに、ヘルプデスクの啓蒙を行うために、サポート専用サイトを構築し、ユーザーの自己解決促進のためのFAQをリリースしました。
成果・効果
14%のコストダウンと満足度向上を達成
サポート業務の最適化と適正要員の配置により、従来は5人体制(FTE, 人/月)で行っていたサポート業務を4人体制にて提供することが可能となりました。また、宮崎サポートセンターでの時間外サポート体制確立により、約14%のコストダウンを達成しました。それに加え、FAQサイト参照の促進により、1年後にはユーザーの自己解決が増加し、ヘルプデスクへの満足度も向上するとともに、同社社員のITリテラシが向上しました。
当初の課題を1年間ですべて解決することに成功し、その後は、ITサポートの向上をさらに推進し、同社の本業ビジネス運営の効率化に寄与すべく提案をし続けています。
お客様プロフィール
創業 | 1980年 |
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資本金 | 50億円 |
所在地 | 本社:東京都港区 事業所:全国各地 |
業態 | 外資系商品製造販売企業 |
規模 | 約600ユーザー |
※掲載内容は取材当時の情報です。