導入前の課題
「メーカーの本業である“製品開発”に充てる時間が、ますます失われていく…」危機感からの脱却
世界各国の医療機関で利用されている同社製品のお問い合わせのうち、障害や技術的問題は同社の製品開発部門の技術担当者が解決にあたっていました。 緊急性の高いお問い合わせが多いにも関わらず、技術担当者は片手間でサポートしていたため、本業が多忙になるとお問い合わせ対応が後回しになり、回答までに時間がかかる状況が続いていました。また、出張があると数日間対応が滞り、海外との時差の関係で、解決までに数日かかってしまうこともありました。 急激な海外展開に比例してお問い合わせ対応時間も増え続け、本業である”製品開発”の時間を奪われることに危機感を感じていました。”そうは言っても、自社製品(医療機器)に関する高度な技術的サポートを外注化できるはずもないし…”と、担当者は打開策を模索していました。
アプローチ
データ分析による問い合わせ傾向の把握
過去の対応記録から、お問い合わせ傾向を分析しました。
製品ごとの問い合わせ件数には偏りがあり、特定の製品への問い合わせが約7割を占めていることが分かりました。当初は問い合わせの回答には高度な技術が必要と考えられていましたが、一定レベルの製品知識さえ身につければ7割以上の対応が可能であるとの結論(報告書)に至りました。
運用形態
「コンセプトの共有」一次・二次窓口の役割の明確化とナレッジ管理
サポート窓口として一次、二次の機能に分割するために、役割の明確化、業務内容の可視化を行いました。
当社宮崎OSCにヘルプデスクの一次窓口を配置し、①既知の問い合わせ回答、②インシデント管理、③ナレッジ作成・管理を担当。二次窓口は同社の技術担当者が、①未知の問い合わせ回答、②ナレッジ承認を担当することにしました。
成果・効果
「回答時間の短縮」「対象機器の拡大」「本業専念」
当初24時間以内に回答している割合は50%以下だったのが、24時間以内に66%、48時間以内に18%を実現できました。
月に約200件ある問い合わせのうち、現在では一次窓口の回答率は70%を超え、同社の技術担当者の本業専念に大きく貢献することができています。当初サポート対象は3機種でしたが、本業専念化を広げるために現在は10機種に拡大し、多くの技術職社員の本業専念化=製品開発力向上を支援しています。
お客様プロフィール
資本金 | 400億円 |
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所在地 | 本社:東京都、事業所:全国各県、世界各地 |
業態 | 国内・国外医療関連企業 |
規模 | 約100社(同社海外現地法人ならびに海外代理店) |
サポート対象 | 海外現地法人、代理店のサービスエンジニア |
※掲載内容は取材当時の情報です。