派遣契約が続かず、心身の疲れを感じる日々
※本記事の内容、お客さまの役職、当社社員の役職および旧社名は、取材時の情報に基づいています。
C社は、エンターテインメント事業やアミューズメント事業を主に行っている企業グループのシェアードサービス会社です。総務・人事・経理財務・情報システムなどのグループ共通業務を担っており、C社の社員が各関連会社の総務部や人事部へ出向して業務に当たっています。
そんな中グループ各社の企業受付は、総務部に出向したC社社員が中心となって人材派遣サービスを活用して運営していました。しかし駅前ビルに入るアミューズメント事業を展開する企業の受付では、派遣スタッフの入れ替わりが激しいことが課題に。スタッフ入替えごとの教育負担だけでなく、新しいスタッフの着任が間に合わないことも多く、C社の社員が自ら受付を担当することもしばしば発生。また、スタッフ同士の人間関係が難しくなった際はC社の社員がフォローに入ることもあり、心身ともに疲弊する毎日を送っていました。
人材派遣サービスでの業務継続に難しさを覚えたC社は、業務委託に切り替えようと考えます。受付のアウトソーシングを行っている数社に問合せを行い、パーソルテンプスタッフをご選定いただきました。パーソルテンプスタッフが選ばれた理由のひとつは、首都圏で約80プロジェクトという多くの受付受託実績による信頼です。また、業務委託サービスで『お客さまの業務負担を軽減する』という強い意思も決め手になりました。
コロナ禍で生まれた「受付+総務事務」のハイブリッド運用
駅前ビルの受付業務のスタッフ体制を、フルタイム勤務のスタッフ2名で構築。2020年4月1日より受託をスタートさせました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大によって同年4月7日に非常事態宣言が発令、わずか1週間で駅前ビルの受付案件が一時停止に。2ヶ月後に受付業務は再開できたものの、社員の出社率は2割に制限され、来客数も前年度からマイナス75%と激減。来客数自体が減ったことで、プロジェクトの継続が難しくなると予想されました。そこでパーソルテンプスタッフからC社へ「お困りのことがあれば、何でもお手伝いさせてください」とお声がけしたところ、いくつか総務事務をお任せいただけることに。
最初に任された業務は「数値の入力業務」です。全国にある運営拠点の『電気・ガス・水道の使用量』を管理する必要があり、入力は社員が担っていました。この入力業務を受付スタッフが引き受けることで社員の負担が軽減され、高評価をいただきました。そして、新たな事務業務も任されることになります。
次に任されたのが、社員が使用した携帯電話や複合機などへの請求を、部門ごとに振り分けて明細を作成する業務です。入力ボリュームが大きく、同じく社員の負担になっていました。
また、総務部社員の在宅勤務が増えたため、毎日オープンしている受付が『総務カウンター』として機能することになりました。出社率がオフィス全体では下がっても、出社した社員が毎日必要なものを受け取れるサービスです。例えば、出社して事務作業中にレターパックが必要になった場合や、営業用の社用車を借りたいとき、必要なものを受付カウンターで受け取れます。こうして「受付+総務事務」というハイブリッドな運用体制が整ってまいりました。
この成果をC社の管理職から、責任者が集まる会議で「パーソルテンプスタッフさん、何でもできるよ!」と広めて共有いただいたことから、グループ各社からお声がかかりはじめます。
連続して新プロジェクト始動、4つ目は「総務事務」専門チームに
翌年の2021年に、同じ駅前の別ビルに入るエンターテイメント事業を展開する企業のプロジェクトが2名体制でスタート。一つ目のプロジェクトの評価もあり、運営開始からほどなくして3名体制に増員して総務事務も受託開始となりました。このプロジェクトでは、イントラサイトの更新作業などの事務も任されています。
さらに翌年2022年には、グループ中核会社の「受付+総務事務」も2名体制で受託。こちらでは請求処理も任せていただけることになりました。企業に届いた請求書を、委託チームメンバーが社内専用システムに入力して、社員の承認フローに上げます。
こうしてC社が担当する三拠点の受付業務は、すべて受託させていただくことになりました。そして、ありがたいことに各拠点の受付チームへ、事務業務の依頼が増え続けていきます。パーソルテンプスタッフが各拠点の総務部の皆さまと接する中で、既にお任せ頂いている業務が他の拠点にもあることが判明。よって、業務を集約して対応できるように『総務事務チームを作ることがC社に最適』と考え、ご提案しました。
提案はC社にご快諾いただき、2023年より四つ目のプロジェクトとして「総務・事務チーム」をフルタイムスタッフ3名体制で受託。こちらは、どこの会社にもあるルーティン化された共通業務をすべて集約していくプロジェクトです。例えば、C社が所属するグループ各社は、社員・派遣含めて多くの方が入社します。そこで入社時の社員ID発行や名刺作成、さまざまな社内システムのID登録、慶弔対応などの共通業務を集約しています。
受付スタッフはリスペクトされながらスキルアップ!社員をコア業務注力へ
運用を続ける中、お客さまからはさまざまな評価をいただきました。受付に関しては「人材派遣サービスを活用していたころに比べて、採用・教育・管理の業務負担が軽減されて、大変助かった」という声。また『社員への挨拶を元気にしてほしい』というリクエストをいただいており、結果的に「遠くにいても挨拶をしていただける」「スタッフの明るい挨拶でいつも気持ちが良い」など、受付の挨拶が素晴らしいとリスペクトの声が。受付への印象は毎年C社に対して行われる社内満足度調査の「受付」項目で、97.3%という高評価にも現れています。
総務・事務に関しては、慢性的な人手不足であったC社の社員からルーティン業務を切り離したことで、社員が本来行いたい戦略総務などのコア業務へ集中できるようになりました。また受付スタッフは『受付業務を行いながら事務スキルを上げる』ことも可能に。単純入力作業だけでなく、ExcelのVLOOKUP関数やピボットテーブルなどが使えるまでスキルアップできるため、受付から事務職への『キャリアチェンジにも貢献する』プロジェクトになっています。
いまでは、C社とは何かあればお声がけいただける良好な関係性が築けています。今後も受付応対の品質向上と併せて、総務・事務の引き取りや集約化でC社の発展に貢献してまいります。
担当者コメント
パーソルテンプスタッフ株式会社
第一BPO事業本部
東日本スマートワークサービス部
レセプション運用課 ユニット長
溝渕 礼子
毎日出社をして来客対応を行う企業受付。 はたらき方が多様化する今、毎日出社している利点を上手く活用して頂くことで、社員様の利便性を保ちながら、はたらき方の多様化への対応も可能となります。 『受付+総務カウンター』『受付+メール室』『受付+総務事務』 『受付+秘書サポート』など、ハイブリッドな受付が生み出されています。