画像:エネルギー関連メーカー カスタマーサポート保証部門

特殊だと思っていた業務でも、BPOを可能にする秘訣がある 「成功のカギはマニュアルづくり」

エネルギー関連メーカー

業種
エネルギー
導入部署・部門
カスタマーサポート保証部門

Before

・業務が特殊で難しく、属人化の極みだった
・問い合わせ対応や教育に追われ、社員が本来の業務に専念できなかった

After

・マニュアルづくりによって、ノウハウが可視化され、属人化が解消した
・問い合わせや教育の時間が減り、社員としての業務に専念できるようになった

目次

    社員の時間を奪っていた「電話対応」と「新人教育」

    ※本記事の内容、お客さまの役職、当社社員の役職および旧社名は、取材時の情報に基づいています。

    正直なところ、保証と審査の業務にBPOを導入するのは無理だろうと最初は思っていました。』

    BPOを検討し始めた当時のことをそう語ったのは、エネルギー関連メーカーA社のカスタマーサポート保証部門の責任者(以下、メーカー責任者)です。

    A社が取り扱う「太陽光発電」や「蓄電システム」といった設備の製品保証は、一般電機メーカーのような製品保証とは違い、業界ならではの特殊さがありました。保証とひとことで言っても、単純に保証書をつければよいのではなく、その製品を購入されたお客様が、A社の代理店を通して申請書を提出し、審査で問題がなければ保証書が発行されるといった流れが必要でした。

    こうした特殊な業務にたいして、A社は派遣スタッフ3名を活用し、申請方法や審査について、また資料不備などの問い合わせを電話で対応したり、届いた申請書を確認して、設置場所などの基準に満たされているかどうかのチェックをしたりしていました。

    画像:イメージ1

    そんな中、課題は社員の時間確保だったとメーカー責任者は振り返ります。 「当時は、派遣スタッフが電話をとり、わからないときには隣にいる社員に聞いて、社員はそれに答えていました。電話の内容が難しい場合は社員が直接対応することも多く、電話対応だけでかなりの時間を取られてしまい、ほかの仕事を後回しにしていました。」

    また、もうひとつの課題は教育でした。派遣スタッフは3ヵ月更新の際に人が入れ替わることが多く、その度に新人教育が必要で、そこに社員の時間が取られていきました。特殊な業務ということもあり、半人前になるまでに3ヵ月くらい、1人前になるのに半年もかかっていました。

    社員の時間確保に何か良い方法はないか?と探していたメーカー責任者。
    そんな時、上司から提案されたのをきっかけに、他部門ですでに導入していたBPOについて検討を開始します。難しく特殊だと思われる業務に対して、3社からプレゼンを受けた中、A社の要望をしっかりと把握し柔軟な対応を提案したパーソルテンプスタッフが選ばれました。決め手は、時間をうばっていた「電話対応」に唯一対応できたことです。

    成功のカギはマニュアルづくり

    「BPOのマニュアルは考え方が違う。」メーカー責任者はそう強く言います。
    BPO導入を進めるなかでもっとも難しかったのはマニュアルづくりでした。

    派遣スタッフの場合、社員の指示を受けながら作業をして、わからないことは社員に聞くことができます。しかし、BPOの場合は、受託した会社が、業務遂行の責任をすべて担うので、どのタイミングが業務のスタートで、どこまで終えたら業務が完了して、また社員に返ってくるのか?を整理してマニュアル化する必要があります。

    例えば電話対応の場合、最初にすべての電話履歴を記録して、このケースはこの対応、あいまいなときはこのルールを適応、といった細かいところまでマニュアルに落とし込みました。また社員に聞かなくてもよいように、よくある質問と回答をまとめてFAQを作成しました。

    こうしたマニュアルづくりの難しさについてメーカー責任者はこう語ります。 「この場合はイエス、この場合はノーという判断が必要な業務についてまで、ルールを細かくすべて決めるのが難しかったです。しかしそのおかげで、変な話ですがBPOをやめて派遣社員に戻しても活用できるほど、誰でもすぐに仕事ができるマニュアルができました。」

    img_bpo-energy-maker-03.jpg (4180)

    こうしてできたマニュアルは作るだけで終わらず、ブラッシュアップが必要です。業界や販売方法はつねに変化して新しい商品が生まれていきますので、それに呼応した新しい保証書も作られます。それに合わせたマニュアルの更新など、臨機応変に変化への対応ができたのは、BPOプロジェクトの現場責任者であるプロジェクトリーダーの存在が大きい、とメーカー責任者はいいます。

    「BPOでの業務が円滑に進むかどうかは、社内に常駐して業務を管理してくれるプロジェクトリーダーの存在が大きいです。マニュアルになく判断ができないことが出てきたときに、社員と考え方や認識のすり合わせをしてくれます。プロジェクトリーダーがしっかり線引きをしてくれるのです。」

    属人化はノウハウの詰まった“宝”

    マニュアルができたことで、全員がどのように業務を進めているのかがわかるようになり、仕事の見える化が実現しました。これまでは一人ひとりが自分の仕事を各自でおこない、報告することもなかったので、誰がどのような仕事をしているのかわからなかったのです。そのため誰かが辞めると、次に担当した人はまた違う方法で仕事をすすめていました。いわゆる属人化です。

    属人化は悪いことの代名詞のように言われます。果たして本当でしょうか? 属人化していても業務がまわっているのであれば、担当している人の頭にはルールやノウハウが詰まっているはずです。それを引き出しマニュアル化して運用していくBPOにとっては、属人化はノウハウの詰まった“宝”です。

    この点についてメーカー責任者は感想を述べます。 「属人化になっていて困っている、と課題に感じている職場は多いと思います。BPO導入を進めるなかで、属人化は悪いことでも何でもなくて、いいことだと、パーソルテンプスタッフさんに教わりました。」

    画像:イメージ3

    こうしてBPO導入を進めたことで、社員は、電話対応や新人教育から解放され、本来注力すべき業務に向きあい、専念することができるようになりました。これまで社員は1日あたり2、3時間残業をしていましたが、今はほぼゼロということです。

    さいごにBPOの可能性についてメーカー責任者はこう語っています。 「保証と審査の業務という特殊かつ難しい業務をBPO化できたことは、会社にとってもプラスになると思っています。特殊な業務だから、BPOは絶対にできないとは思わずに、まずチャレンジすることが大切です。きちんとマニュアル化、ルール化すれば、どんな特殊な業務でもBPO化することは可能ですし、効率化も実現できると思います。」

    本記事のPDF資料

    今回取材させていただいたお客様へのBPO導入事例を、PDF資料として配布しています。(個人情報の入力は不要です)

    事例の資料はこちら [1.2MB]

    このページをシェアする

    • Xシェアボタン
    • Facebookシェアボタン
    • Linkedinシェアボタン