年間13,000件の『証明書発行業務』を委託化
※本記事の内容、お客さまの役職、当社社員の役職および旧社名は、取材時の情報に基づいています。
企業において主に人事部が担っている『証明書発行業務』には、在籍証明書、休業証明書、復職証明書、就労証明書とさまざまな種類があります。従業員が多いK社では、年間で約13,000件の証明書を発行していました。中でも保育園や学童の認可に必要な『就労証明書』は、『証明書発行業務』の9割を占めるほどの発行量になります。また自治体への提出期限があり、お子さまを預けなければならない従業員のために、発行までの納期は2週間以内とされていました。
この『就労証明書』ですが、自治体によってさまざまな様式があります。そのため自動化やデジタル化が難しく、多くは手書きなどアナログ対応を行っていました。特に、9月~10月に本格的な繁忙期を迎えると人事部の業務は圧迫されます。そこでK社は、就労証明書をはじめとした『証明書発行業務』を外部企業に委託していました。
人事システム刷新が浮上、現状が分からず不安に
『証明書発行業務』を委託していたものの、受託会社のパフォーマンスに対してK社の満足度は十分ではありませんでした。定期的な報告の場において、課題に気付き改善依頼を行うのはいつもK社で、受託会社からの改善提案などが無かったからです。また業務委託を行って8年が経過していたため、K社としても本業務の運用が適切であるかチェックすることが難しい状況でした。
そんな中、人事システムを新しく切り替える話が浮上します。担当者は「新システムで現在の業務を再現できるのか?」「そもそも就業規則、人事制度にマッチングした証明書を発行出来ているのか?」と不安になりました。そこで不安を解消するためパーソルテンプスタッフに業務整理の相談が入ります。
人事領域の専門性を評価され、業務を任されることに
K社へのヒアリングを通して業務の現状把握を行ったところ、現在の受託業者は、証明書発行を納期までに完遂していましたが、人事労務に関する制度変更や、今回のような社内システム変更などにはアンテナが低い状態でした。また手書きなどアナログな作業がメインなので、スタッフにPCスキルを求めておらず、一部マクロなどを取り入れていましたが、デジタルに対する施策が弱い状況でした。
K社が業務委託に求めたかったポイントは以下です。
(1)人事領域の専門的知識を持ち、恒常的に改善提案をしてもらえる関係性
(2)人事システムを新しく変えるのに伴い証明書発行業務のペーパーレス化
(3)業務遂行だけでなく業務改善をスピーディーに行える体制
(4)現業務の効率化、コストの最適化
上記の要望に対してパーソルテンプスタッフは、人事労務領域の専門性を評価いただき、現在の委託会社から業務を引き継ぐことが決定。数か月の引き継ぎを経て、2023年4月より運用を開始します。
処理状況とリカバリー計画の共有、デジタル化にも着手
運用にあたってはプロジェクトリーダー1名とフル出勤メンバー3名、シフト出勤メンバー3名で体制を構築。 繁忙期は、さらに数名のシフト出勤メンバーを増員してカバーする体制です。はじめにチームが一日で処理できる件数を正確に把握し、パフォーマンスを日次で可視化。その上で処理すべき件数に対して、詳細なスケジュールを組んでいきました。
週次の定例会では、1週間の受付件数に対する処理完了の割合や、残りの件数に対して納期内に処理するためのリカバリー計画を報告しています。処理状況と今後の計画がわかり、プロジェクトのパフォーマンスも把握できることで、K社の担当者もご安心いただけるように。9月~10月の繁忙期にも対応できる『受託運用スキームの最適化』を目指して、現在も創意工夫しています。
新しい人事システムの導入対応とともに、業務の自動化にも着手。マクロやRPAを設計構築する『デジタル専門部隊』や人事労務システムを提供するグループ会社と連携したことで、従前の作業時間を半減させる処理の自動化を実現しました。
新しい人事システムが導入されると、K社だけでなく、グループ全社の人事システムが統一されます。これにより、グループ個社で行っていた同じ業務を一元化する可能性が広がります。今後、人事部は管理部門から戦略部門への移行を目指す重要なミッションを担っています。パーソルテンプスタッフは、K社を含むグループ各社のサポートを通じて、人事部が戦略的な業務に集中できるよう支援していきます。
担当者コメント
パーソルテンプスタッフ株式会社
東日本スマートワークサービス部
スマートワーク運用二課 ユニット長
酒依 令宗
近年はコロナ時勢も相まって、企業は労政や周辺環境の変化に素早く対応する必要があります。そして、企業人事には『事業戦略を支える最重要組織』への変革が求められています。従前のオペレーションや管理のみならず、タレントマネジメントやワークエンゲージメントの向上にも期待が寄せられるところです。BPOはノンコア業務の役割を担いながら品質を向上し、従来のコア業務まで担うことで、お客様の実現したい人事に価値提供を努めてまいります。